低温調理器とはなにか
まず低温調理器という道具がどんなものかという話だが、SFに出てくる光線銃みたいな見た目をしている。
一見すると何をする道具なのか、どう使うのか、まったく想像つかないところが素晴らしい。
Anovaというメーカーのやつです。
低温調理器という呼び名は俗称で、低温調理という料理に使っているから、そのように呼んでいる。定温の方が意味としては正しいかも。
正式には水温制御クッカーとか、そんな名前になるのだろうか。25度~99度で湯煎をするための機械である。
お湯を定温でキープしておき、そこに密閉した食材を入れて湯煎をする。
分厚い牛肉を湯煎して、表面だけ焼いたもの。安い赤身の外国産でも柔らかく仕上げられる。
自宅で足湯がしたい
肉を湯煎していて思ったのが、これで足湯ができないだろうかということだ。
この機械は肉が煮えるほどの高温だけではなく、足湯としての適温だって保てるのだから。
寸胴鍋にお湯を入れ、41度に設定してみた。
食材を湯煎するときは、必ずビニール袋などで密封した上で入れる。お湯に直接足を突っ込むことで、この道具が穢(けが)れたとしても、今後も調理に使えるはずだ。
そんな理屈はわかっているのだが、やっぱり自分の足もビニール袋に入れることにした。
ちゃぷーん。
ビニール袋をかぶせた足を、お湯がこぼれないように寸胴鍋へと突っ込む。
お湯が皮膚に直接ではなく、ビニール袋越しに熱を伝えてくる気持ち悪さ。空気が抜けてビターッと足にへばりつく感じがやばい。
カッパを着て風呂に入っているみたいだ。足は温かいのに、腕には鳥肌が立つ。
湯煎される気分が味わえるよ。
私は足湯で温まりたいだけなのだが、感覚も傍目も悪夢感に溢れている。
やっぱり足湯は裸足で入るものだな。
居間のマーメイド。
足湯装置としての低温調理器の使い勝手自体は、とても良いものだと思う。
温まったというか、猛烈に蒸れた。
ビニール袋越しの足湯、慣れれば気持ちよくなるのかもしれないが、現時点では不快感の方が強い。ものすごくゾワゾワする。
ここまで書いて気がついて、適温になったところで低温調理器を抜いて、そこに素足を入れればよかったか。いやでもそれだと冷めてしまう。
この体験で余計に足湯への欲望が増したので、足湯用に安い低温調理器を買っちゃおうか迷っているところだ。