国境は全然違う街が隣り合う
中国側の国境だ。向こうの黄色い門がベトナム国境だ。
国境はロマンだ。
しかし国境の両側にいる人々にとっては当たり前だ。ベトナム人がモノをリヤカーで野菜をベトナムから中国へ、またおもちゃや雑貨を中国からベトナムへ運んでいる。
中国側にはベトナム人に売るための商品販売店が、ベトナム側には中国人旅行者向けのお土産やがあった。
市場で中国製ドローンおもちゃを買う子供たち
ラオカイの街。細長いベトナム式ペンシルビルが特徴的。
国境を越えればこんな中国式の街並みに早変わり。
中国側の街「河口」とベトナム側の街「ラオカイ」。
ラオカイでは中国産のおもちゃや雑貨が売られていた。人の流れは一方的で、メイドインチャイナの強さを感じた。
ベトナム人が仕入れに行く中国側の街「河口」に変わったカフェがあった。
異質で浮いているカフェ。むしろぐっとくる… 明るいお母さんが門番で迎え入れる。 入るしかない!
みればみるほどアート。 その店の中はどうなってるのか…気になる!
入口に置かれていたメニューを見ると、ドライアイスで凍らせた試験管ドリンクが日本円で1000円以上。
最果ての物価にしては高くないですか?
むしろなんでこんな国境の最果ての街にこんなん作っちゃったですか?尖りすぎてやしませんか?
どうにでもなれ!と魔界の門のようなものをくぐるとそこは…!
国境の尖りすぎるカフェ潜入!
中は金色なルネッサンスな感じの空間だった!
金色のオブジェと絵画さえなければ普通の店だがそれらに囲まれ冷静さを失い圧倒される。
客は僕を含めて1組でスタッフは仕込みの皮むきをしていた。
その店ではマンゴーやスイカなどの南国のフルーツをミキサーにかけた普通のジュースをこれまた普通の価格で売っていた。
試験管ドリンクは特別メニューだけど、それ以外のメニューはありふれている。
でも最果ての街で、ほかの店と比べてものすごく浮いているからか、ここでまったりしていた間、客がほかに1組しかこなかった。
ショップオーナーのお兄さん。
この内装はどうやったのかと聞いてみると、オーナーのお兄さんがひとつひとつスプレーで金色にして貼り付けたんだという。
…ひとつひとつ?
よく見ると、金色のモノのひとつひとつがどこかで見たようなものだった!
アレがコレが金色に!
お兄さんは「よく見て、あれ、シュン。熊の横」という。
シュンって何だろうとみてみれば、そこには巨大な熊の左側に聖闘士星矢の瞬が!
たしかによく見るとアンドロメダ瞬らしきものがっ!
中国の歴史的建築物から出るミニ四駆っぽいプラモ! さらに囲む犬のおもちゃ!
絵を囲む金色の猪八戒のおもちゃ!
RPGのボスに出てきそうなオブジェもあり!
よくみるとペットボトルも金色にして活用している!
日中のアニメや特撮のアニメが! 縁日にありそうな子供向けのお面が金色に塗られている!
マネキンもいっぱい!ウルトラマンのお面もさりげなく! 見れば見るほど前衛的!
全ての壁に金色に塗られたリサイクル品が。 全ての壁が違ってすごかった!
まず圧倒され、みればみるほど様々なモノが発見でき、深みがある。
材料はおそろしく安いモノばかりだ。使い終わったペットボトルや市場で投げ売りされているようなおもちゃといったB級品が金色に塗られ、天に召され、給電となってるかのよう。
リサイクル品を四方八方に貼り付け、ゴミ屋敷となりかねない建物が
すんでで中国製品天国に。
なにこの天国。
スタッフは地元の人だという。地元の人が考え付いたのか。だとすれば天才だが…
「アメリカ系華僑の芸術家が来て、長居したのです。私のもともとの店が気に入ったようで、この店に来てからは、ここにこれを貼り付けろ、と支持されて装飾を作りあげました」
中国の最果てで外人が来たついで、その出会いが、この前衛的な店を創り出したのだ。
「加工は数か月かかりました(笑)」とスタッフのお兄さん。
一杯のジュースでは見飽きることなく、もう一杯ジュースをオーダーし、現代アートを楽しんだ。
いや、ほんとすごい
こんなおもちゃを金色にしたのだろう(イメージ)
国境には魔物がいる
外国人がたまたま行きやすい最果ての国境の街には何かが生まれやすいようだ。最果てだからとボロボロの街をイメージしてはいけない。
僕はただただぼけっと店の中をずっと見まわして感動し、店を出るときに「いやほんとすごい!」と絶賛するとお店の人は「お友達も呼んできて」と歓迎していた。
ということでアクセス。ベトナムのハノイからラオカイまで行って国境を越えて河口まで行くか、中国の昆明から河口まで行く。どちらも夜行列車があり、夜に出発すれば朝に到着する。中国側国境を背に広齢街という通りまっすぐ行けば2,3分ぐらいで右側にありますよ。
お客さんが少ないそうなのでぜひ。夜はアルコールも提供するそうだよ。
ベトナムのラオカイはまた、ブランド看板だけの 謎のアパレルマーケットがある。 やはり国境にはマモノがいる。