4種類の酢を舐め比べ
今回用意したのは以下の4種の酢。
・モルトビネガー
・白ワインビネガー
・バルサミコ酢
・黒酢
それぞれ少量器に入れて舐めてみて味の違いを比べてみます。
色も香りも全く異なる4種の酢。
酢の歴史は古く、紀元前5000年。バビロニアの時代の記録にも登場します。日本へは今から1700年ぐらい前に中国から渡来したとされています。
奈良時代の書物には酢を使った料理の記述があり、既に酒と共に酢も醸造していたようです。江戸の頃には一般的な調味料として広まり、寿司のような料理もこのころに広まりました。
ちなみに、長く置いておくと日本酒が酢になってしまうと言う人が時々いますが、まずそんな事はありません。酢は種酢を入れて酢酸菌を植え付け、酢酸発酵させる必要があるので、ただ日本酒を放置しても作る事は難しいです。
最初に舐めるのはモルトビネガー。大麦を使った酢です。
イギリスあたりじゃメジャーな酢らしい。
イギリスでは、白身魚のフライにジャガイモのフライを添えたフィッシュアンドチップスにこれをかけて食べるのが一般的だそうです。
色は薄めで茶褐色。
おおぅ、すっぺー!
独特のクセがある酸味が喉の奥にグッときます。大麦の甘さというよりも、ブドウのような甘味を感じます。フライの油とこの酢の甘味が合うのかもしれません。一般的な日本の酢とはかなり違った風味です。
白ワインビネガーのほか、赤ワインビネガーもあります。
その名の通り白ワインから作る酢です。ドレッシングやマリネなどに使われます。ちなみに、ビネガーの語源は、フランス語のvinaigre(ビネーグル)。vin(ワイン)+aigre(すっぱい)からだそうです。
白く透き通っている。白ワインと大体同じ。
甘いブドウ的な香りと共に、いかにも酢という酸味を強く感じる香りがします。
うひょー、すっぺー!
舐めてみると柔らかい甘味を感じた後、強烈なブドウを思わせる酸味が喉の奥に広がります。鮮烈かつ大胆。刺激強めです。
少しお高い酢です。
ブドウを原料にしている点はワインビネガーと同じですが、ブドウの濃縮果汁を使い、樽で長期熟成させています。
黒く濃い色。
お酢的な酸味のある香りとともに、穏やかな甘い香りを感じます。
甘酸っぱくてそのままでもいけるな。
ブドウやリンゴのジュースを合わせたようなコクのある甘味と共に柔らかく酸味が広がります。旨味も結構あって緩やかに消えていく。バニラアイスにかけて食べても美味しいです。
酸味 ☆☆
甘味 ☆☆☆☆
デザートにしてもいける度 ☆☆☆☆
和え物、煮物、炒め物。何でも使えます。
黒酢は原料に玄米、または大麦を使い、長期熟成させて作られています。一般的な米酢の原料は精米した米を使用します。黒酢が作るのに1~3年かかるのに対し、米酢は4ヶ月ほどで出来ます。
熟成された茶褐色の色。
色は澄んだ茶褐色。酸っぱい香りだけでなく、麹の甘い香りを感じます。
そのまま舐めても大丈夫なうまさだね。
舐めてみると、酸味はきつくなく、旨味も穏やかに感じます。ゆっくりと広がり、緩やかに引いていく感じです。飲み干すとう訳にはいかないですが、舐める程度なら美味しく味わえます。
酸味 ☆☆
甘味 ☆☆
舐めても大丈夫度 ☆☆☆☆
酢はものによってそのままでもイケる
モルトビネガー、ワインビネガーはそのままではちょっと厳しかったですが、バルサミコ酢、黒酢はそのままでも大丈夫な味でした。とはいえ、やはり何かの料理に使うのがいいでしょう。
もし酢を料理ではなく飲みたいというのであれば、飲む専用の酢が売られています。また、普通の酢ならば、少し砂糖や蜂蜜を入れてソーダで割るとか、スパークリングワインに入れるなんて飲み方もあります。
冷蔵庫の奥で眠ってしまっている、餃子を食べるときにしか使わなかった酢に活躍の場を。