とろ~り半熟卵とふもと赤鶏の親子丼
こちらがその紀ノ国屋が送り込んできた親子丼「とろ~り半熟卵とふもと赤鶏の親子丼」(税抜き 600円)である。
自宅まで持ち帰るまでに外蓋から卵液がじゅわっとはみだしそうになってしまっている。それくらい、餡の部分がゆるい。
持ち帰る際はちゃんと包装してくれるのでもれても大丈夫
カロリー表示の447kcalからもわかるとおり、量は少なめ。それで600円というところがさすが日常に潜む高級を提供する紀ノ国屋さんの仕事である。
ふもと赤鳥というのは佐賀県の銘柄鶏。やわらかさ、きめの細かさ、風味が特徴だそうだ。
種類でいうと「ありがたい」食べ物である。ちょっと一回お仏壇に上げてから食べたほうがいいかもしれない。
ほぼスープ
いやしかし、今回私が言いたいのはちょっとした高級感や地鶏といったありがたみの部分ではないのだ。
やはり卵液、餡の部分だ。
これ、「とろっとろ」というレベルを超え、ほぼスープなのである。ぜんぜん飲めそうだ。
ほぼスープ
ひごろ親子丼に対するスタンスが平熱である私にとってはこういう種類の親子丼があるのかという、新種発見! という興奮がまずあった。
卵がかたまっておらず、スープの中に溶いたときのような形状になっている。親子丼でしょうか中華の卵スープでしょうかクイズがあったら10秒悩んでタイムオーバーになると思う。
どちらでしょうか
正解は、親子丼の具でした
お惣菜の親子丼というと、餡はあらかじめご飯にかかっていることが多いと思うのだが、この親子丼はとにかく餡がゆるいので食べる直前にセルフでご飯にかける、2層パッケージが採用されている。
カレー方式
かけたとたんに水分がご飯部分にしみていく
スプーンですくうと完全に卵かけご飯のルックス。なにも分からないのに「なるほどね」と声に出た。
「なるほどね~」
食べるとちゃんと親子丼
食べてみると、かなりしっかり味で甘みの強いだし感。東京の味である。おじやみたいなのではと思ったが、きちっと親子丼としてのルールの上で戦っていることが食べて分かった。
スープのようであるが、同時に間違いなく親子丼であった。
セブンイレブンも2層式
さすが紀ノ国屋さんは親子丼もエッジだぜ…と汗をふいたが、こうなってみるとちまたの親子丼がどうなのかも気になってきた。
スーパーやコンビニを見回ったが(親子丼警察出動)、おおむね旧来レベルの粘度の餡をご飯に直がけして提供するケースが多く街は平和であった。
セブンイレブンのレンジにかけることで完成する親子丼「ふわとろ玉子のこだわり親子丼」(税抜き417円)が2層式で、液体部分も多くおっとなったが、「とろ」よりも「ふわ」に注力しているようでむしろスタンダードだった(味もおいしい)。
こちらがセブンイレブンの「ふわとろ玉子のこだわり親子丼」となっております
かけると、卵部分は固形としてしっかりしている
親子丼ですら目が離せない紀ノ国屋
紀ノ国屋がぶつけてきた(私が勝手にぶつけられたと思っているだけだが)飲み物としての親子丼、お店の方に聞いてみると最近登場した商品のようだ。
普通のご飯でも目が離せない紀ノ国屋、半期に一度は参拝して震えていきたい。