ニュートンに万有引力を思いつかせた、木
ニュートンは木から落ちるリンゴを見て万有引力の法則を思いついたという。
言い方を変えれば、木がニュートンに万有引力の法則を思いつかせてやったのだ。
よくやった、木。
ではあの日あの時のリンゴの木になって、どんな気分だったか感じてみたい。


わたしに実るリンゴを見つめるのは若き日のニュートンである。

リンゴはまだわたしの枝についたままだ。つまりこの時点ではまだニュートンは何者にもなれていない。
仮にわたしがこのままリンゴを離さなければ、彼は後世に名を残すこともなかったかもしれないのだ。そう考えると樹皮がぞくぞくする。
ではいよいよその瞬間を再現してみたい。
仮にわたしがこのままリンゴを離さなければ、彼は後世に名を残すこともなかったかもしれないのだ。そう考えると樹皮がぞくぞくする。
ではいよいよその瞬間を再現してみたい。


ほれ。


「…。」


「あーー!!!!」

見たか、ニュートン。おまえが偉くなれたのもわたしのおかげなのである。


「わかったぞ!」という声が聞こえるようだ。

これはなかなか気分がよかった。有名な物理法則を自分が人間に思いつかせてやったのだ。まさにおれタイミングで歴史が動いた瞬間である。木冥利につきる。
次はこれ、なんだかわかるだろうか。
次はこれ、なんだかわかるだろうか。


歴史を変えた木、日本史編。

暗殺者が隠れていた、木
そう、有名な鎌倉の鶴岡八幡宮の大イチョウ先輩である。3代将軍源実朝を暗殺した公暁という僧侶が直前まで隠れていたとされる木だ。まじ憧れる。


公暁は雪の中、こうして木に隠れて実朝を待ち構えていたという。


実朝が現れると「親の敵はかく討つ!」と言って斬りつけた。


物騒デスネ~。

暗殺者をかくまうと罪になりそうだが、木はただ生えていただけなので無罪だと思う。そういう意味ではニュートンにリンゴを落として気づきを与えたわれわれの仲間に比べ、偶発的な理由で歴史を変えた木であるとも言える。大イチョウ先輩は2010年に風で倒れてしまった。
次は有名なあのエピソードから。
次は有名なあのエピソードから。


こらこら、やめなさい。


やめなさいって!

ワシントンを大統領にまで押し上げた、木
ご存じアメリカ大統領になったワシントンと桜のエピソードである。
そのシーンを体験してみた。
そのシーンを体験してみた。


おいワシントン、まじやめろって。バレたらお父さんに叱られるからな。


あー!折っちゃった、こいつ折っちゃったよ。知らないからな、おまえぜったい叱られるからな。

ワシントンはお父さんが大切にしていた桜の木を折ってしまったのだが、それを隠さずに謝ったことで正直者としてしられるようになった。
つまり木が意地を張ってワシントンに折られていなかったら、彼は正直者という称号を得ることもなく、大統領にならずに平々凡々と暮らして死んでいったかもしれないのだ。あそこであきらめて折られた木が偉大。
つまり木が意地を張ってワシントンに折られていなかったら、彼は正直者という称号を得ることもなく、大統領にならずに平々凡々と暮らして死んでいったかもしれないのだ。あそこであきらめて折られた木が偉大。

歴史を変えたのは実は木
人に歴史あり、とか言うが、その歴史は実は木が関与している場合もあるのだ。人はもっと謙虚になるべきである。
