会場は東京ビッグサイト東4、5ホール。結構な規模。
大小様々な業務用機器や資材、業務管理システム、各種サービスなど。150にもおよぶクリーニング、コインランドリー業界の企業が出展しています。
たとえばこんな物。
一度に60kgぐらい洗えるそうです。
業務用の大型洗濯機です。こちらの会社の人の話では、最大で1度に130kgぐらいまで洗える物があるそうです。そのぐらいのサイズになると、洗濯物の出し入れもベルトコンベアを使います。
ちなみに、写真は60kgぐらいまで洗える物ということでしたが、価格は400万円近くするそうです。家庭用とはスケールが違う。
こういう機械があるからホテルのシーツはパリッとしているのか。
スケールが違うと言えばこちらの機械。シーツ用のアイロンマシン。家庭でシーツにアイロンをかけることはまずないですが、ホテルや旅館で使うシーツには必要です。
宇宙人でも出てきそうな奇妙な形状。最新型ワイシャツプレス機。
アイロンといえばこちらの機械も凄い。ワイシャツ用の最新型のプレス機です。こんな感じで動きます。
ワイシャツのプレス機は、胴体部分用、袖口襟用とそれぞれ別の機械に分かれているのが一般的なのだとか。こちらの機械ではそれを一度に行っています。また、最新型は腕の部分の角度が調整出来るので、肩の所がシワにならない・・らしい。
細かい事はよく分からないですが、なんだか未来感あるワイシャツプレス機でした。
小さいものも色々
他にも、大きい機械だけでなく小さい展示も多数ありました。例えばこんな物。
しみ抜き用台にも様々な形がある。
しみ抜き作業専用台。ライトに拡大鏡、色々な薬剤。何に使うのかよく分からないものが色々ついています。
職人の人は今もこういう形のアイロン使うのか。
業務用のアイロン。スチームのパワーが家庭用とは格段に違う。クリーニングで高級仕上げの場合は、こういうアイロンで職人の人が1つ1つ手作業で仕上げるそうです。
どれが何用か分からないが凄い種類のブラシ。
クリーニング用ブラシ。大きいもの、小さいもの、毛の長いもの、短いもの。凄い種類が並んでいます。海外から来た業者風の人が大量買いしていました。日本製のブラシは性能がいいのでしょうか。
コインランドリーの香りがした。
コインランドリー用の柔軟剤。会社の人の話では、最近の家庭用の柔軟剤は香りを抑えた物が増えているが、コインランドリーでは逆に香りの強い物のほうが売れるそうです。
洗濯機を不特定多数の人が使うからではないかとのこと。なるほど。
大体同じと思っていたが、意外に種類があった。
クリーニング店向けのプラスチックハンガー。スタンダードな物から、厚みのある物や調整機能がついているハイエンド品まで各種そろっています。
安い物は1本あたり十数円。高い物だと200円を超える物も。クリーニングから戻ってくるときに、なんとなくついている物程度にしか思っていなかったですが、値段が分かると存在感が出てきます。
会社の人に聞いてみよう。「コインランドリーは儲かるのですか?」
最後にやってきたのがこちら。
直営店を含め1300店以上のコインランドリーをプロデュースした会社です。
株式会社ダイワコーポレーション。店舗の企画設計管理、機器の販売など、コインランドリー事業を展開している会社です。
こちらの会社の方にストレートに聞いてみました。
「実際、コインランドリーは儲かるんですか?」
すると、こんな答えが即返ってきました。
コインランドリーEXPOではコインランドリー店アワードなるものの結果発表も。
「地味に儲かります!」
儲かるでも、「地味に」というあたりがなんとも生々しい。コインランドリーは手堅い商売で、急激に売り上げが上がることはないが、徐々に右肩上がりで推移していく商売なのだそうです。
ペッパー君がいるようなコインランドリーもあるのか。
そもそも、コインランドリーはクリーニング店とは違い、建ててしまうと掃除するぐらいしかサービスするところがない。集客する魅力を作り出すのが難しい業種なのだとか。
多くの利用者は、洗濯物を入れたら何処かへ買い物に行ってしまうなど、店内の滞在時間も短い場合が多い。儲かるかは立地がいいかどうかにかかってきます。都市型と郊外型で立地の良さの条件は異なりますが、店の存在が知られ、リピートする人が増えることで徐々に売り上げがアップしていきます。10年経っても微妙に売り上げが伸び続けているような店もあるそうです。
大爆発はしないが、細く長く地味に儲かるのか。
魅力を作り出すのが難しいとはいえ、洗濯機をFaFa仕様にして売り上げ伸ばした事例もあるそうです。
儲かるのはわかりましたが、問題は始めるのにどのぐらいかかるものなのか。その点もストレートに聞いてみました。
「コインランドリーを始めるのには幾らぐらいかかるのでしょう?」
コインランドリーでは洗濯機よりも乾燥機を使う人が多く、機械も乾燥機の数を多くしている。7:3ぐらいの比率。
「規模などにもよりますが1500~3000万ぐらいからです。」
ですよねー。そういう額になりますよねー。
まずは設備。洗濯機1台購入するのにも100~200万ぐらいかかる。その他機器、建物、土地など入れたらあっという間に数千万単位になることは簡単に想像がつきます。
地味に儲かるが、最初に派手にお金がかかる。甘くはなかった。
最近は布団を洗いに来る人もいるそうです
最近はコインランドリーに布団を持ち込み、乾燥機で布団を干すだけでなく、丸洗いまでする人がいるそうです。洗ってサラサラになり、乾燥機でダニやホコリ、花粉などを吸い取りフワフワで気持ちよくなる。家で洗うのはほぼ出来ないのでそれはありがたい。
実際にコインランドリーを始めるとなると、多くの場合は収支のシミュレーションの上、借入して営業を開始することになります。洗濯の需要は無くなる事はないので、細く長く手堅く続けられるのでしょう。とはいえ、そう簡単な話ではなさそうです。
いずれにしろ、知らない業界の展示会に行くと全ての話が新しく面白い。多くの展示会は事前登録すれば無料で入れるので、気になるものは行ってみてはどうでしょう。ただ、業界向けなので平日開催の場合が多いです。展示会スケジュールはビッグサイトのホームページなどで見られます。
展示会ではサンプルの業界紙も貰えて面白い。今クリーニング業界でホットな話題は
洗濯表示の変更のようです。