特集 2016年12月12日

冬将軍、今週もうひと仕事 ドカ雪も?~あと出し天気予報

白は雪の積もっている地域。シベリアなどで冷やされて、いつの間にか成長していた冬将軍が、今週もうひと仕事しにやってくる。
白は雪の積もっている地域。シベリアなどで冷やされて、いつの間にか成長していた冬将軍が、今週もうひと仕事しにやってくる。
1週間の天気予報を振り返って当たったかどうかを検証する週1連載。
勝敗とその理由を振り返ります。はたして今週の成績はどうだったのか。

(本連載は振り返りが中心で、詳しい予報は行っていません。予報が見たいかたはウェザーマップなどの専門サイトをどうぞ)
1977年滋賀生まれ。お天気キャスター。的中率、夢の9割をめざす気象予報士です。 好きな言葉は「予報当たりましたね」。株式会社ウェザーマップ所属。
ツイッターでも気象情報やってます。(動画インタビュー)

前の記事:今週は小物の冬将軍がきて少し寒くなる~あと出し天気予報

> 個人サイト ウェザーマップ・増田雅昭 ツイッター @MasudaMasaaki

1週間を振り返る(東京都心周辺)

1週間を振り返る(東京都心周辺) 予報は前日夜にこちら</a>でやってます。
1週間を振り返る(東京都心周辺) 予報は前日夜にこちらでやってます。

用心しすぎは、よくないようです

予報が7日間ともパーフェクトだった先々週につづき、先週も好調。予報は当たりつづけた。

当たりつづけると、不安になってくるのが予報士という生き物。「そろそろ落とし穴がくるんじゃないか」と、予報がだんだん慎重になっていく。

金曜(9日)は、日本海から前線が南下。
コンピューターは、雨雲が関東の北の山でブロックされると予測していたが、「こういうときに雨雲が、スルッと山を越えてくることがある」と、用心深く「雨の可能性あり」とつけてしまった。

素直にデータを読んでいれば、晴れで、当たりだったのに。当たりつづけた慎重さが、裏目に出た。

素直と慎重のはざまで、揺れる予報士、5勝2分けの一週間。
次はもっと大胆に予報する!と、ガッツポーズで気合を入れなおし中。…と、あり合わせの写真に合わせて、コメントしてみました。
次はもっと大胆に予報する!と、ガッツポーズで気合を入れなおし中。…と、あり合わせの写真に合わせて、コメントしてみました。

思わぬドカ雪が降りました

10日(土)は、札幌で積雪が65cmにもなって、12月上旬としては29年ぶりの大雪に。

あと1日遅ければ「中旬」となって、そこまで珍しくなくなるんだけどな…ぎりぎり「上旬」に滑り込んだ「記録的な大雪だな」…と、ボソっと言いたくなる気持ちはあるけど、やっぱりこれだけの積雪になると、大変なことに変わりはない。

この時期は、地上がそんなに冷えてなかったり、海が暖かかったりして、水蒸気がたくさん雪雲に補給され、寒気の実力以上にドカッと雪が積もることがある。

またどこからか、○リラ雪とか、ゲリ○豪雪とかいうネーミングが出てきそうだが、そんな言葉でまるめる前に、強い寒気が来るときはドカッと降る雪に用心したい。

そして、今週も強い寒気がやってくる。

【今週のみこみ】冬将軍が今週も仕事をしていきます

先週の記事では、今週には冬将軍(寒気)が退却して暖かい日が多くなる…という見立てだったが、すみません、一週間ほど延期させてください。

冬将軍、もうひと仕事していくようです。

水曜(14日)の夜~木曜に、冬将軍がふたたび日本列島へ。
先週くらいの強さはあって、北海道や東北北部では、ドカ雪の可能性が十分にあるパターン。全国的にも冷え込んで、「年の瀬っぽい寒さ」に。

でも、冬将軍は長居せず、週末には力を弱める。天気はおだやかになって、寒さもマシに。
日曜には、高気圧がドーンと列島の真上にやってきて、冬将軍を追いはらって、おだやかな天気に。この予測どおりになればですが。
日曜には、高気圧がドーンと列島の真上にやってきて、冬将軍を追いはらって、おだやかな天気に。この予測どおりになればですが。
来週には、冬将軍が完全に退却して、「あれ?年の瀬なのに寒くないね」という声が聞こえてくるはずですよ。今度こそ!

結果は来週の記事で!
!
今週の格言
『冬のはじめは、寒気の実力以上に、ドカッと雪が積もることがある。』

詰め天気

前回(11/28)の出題は、「この日、東京都心で交通機関が大きく乱れました。原因は?」でした。

選択肢はこの4つ。
1)大雷雨
2)路面凍結
3)濃霧
4)暴風
2010年2月25日。気象庁天気図。
2010年2月25日。気象庁天気図。
正解は「3)濃霧」でした。

この天気図は朝の時間のもので、関東地方では東側の地域を中心に、霧(きり)が発生。

羽田空港では濃霧がながびいて、欠航があいつぎました。

高気圧が東へ抜けて、関東地方には南東から風が吹いてきています。南からの風ということもあって、この時期にしては暖か。海の上を渡って、湿ってもいます。

そんな空気が、関東周辺の冷たい海面によって冷やされ、水蒸気が細かな水滴に変わって、霧が発生したんですね。

冬とか春先とかの寒い時期に、暖かい風が流れ込んでくるときは、海の近くでは霧が出る可能性もあるということです。

…と、軽く書いているんですが、前日から霧をズバリと予報するのは、ほんとむずかしい!
不正解だったみなさんも、肩を落とさないでくださいね。(僕は、よく肩を落としています。) 路面凍結と答えていただいたかたも多かったのですが、南からの風で気温が下がりにくい天気図でした。

「南からの湿った空気が流入し、それが地上付近で冷やされて、濃霧になったと予想します。(穴あきカオスさん)」

正解です!

「今回は、高気圧の西側を湿った空気が北上するので、濃霧と考えました。(かまきりさん)」

暖かい空気ほど、湿気を多くふくむことができます。今回は湿気がポイントでしたね。

「毎週の更新を楽しみにしてます!初めて投稿します! 3)が正解と考えます。南風で多くの水蒸気が関東に供給されたのでは。(はるおさん)」

うれしいです!初投稿・初正解、おめでとうございます!

「気象はさっぱりですが、初投稿してみました!(Veilchenさん)」

そういうかたに、どんどん参加してもらいたいと思っています! またお待ちしていますよー。


今週の定石はこちら。
今週の定石
『冬に南東からの湿った風が吹くときは、霧が出ることも』
(太平洋側の話です)
今回、正解した皆さんはこちら。

はいまっとさん、かまきりさん、幕内さん、はるおさん、SHIO-METALさん、でんわさん、穴あきカオスさん、かずしげさん、イシロさん、外野さん、うださん、ベルヌーイさん、ふなさん、せんばんさん、12345さん、つっきーTKさん、氷雨さん、越後屋さん、メロポンさん、jamさん、まめさん、雄大積雲さん、naraoさん、ニノさま、おさかなマイスターさん、そらはこわいさん、nyaoさん、シヤーライン。さん、のりきゅ~さん、hennaojisanさん、ゆりまりさん。

正解した皆さん、おめでとうございます!

今週の問題はこちら。

今週の問題

この日は、東京で大きなイベントが開かれていました。天気は?
気象庁天気図。
気象庁天気図。

(ヒント)

・冬の天気図です。
・朝の天気図です。
・最低気温は4℃でした。

<答えはこの4つのどれかです>

1)雪、のち、大雪
2)大雪、のち、みぞれ
3)みぞれ、のち、晴れ
4)晴れ、のち、雪

解答はこちらから↓
理由などとともにお願いします。
正解は再来週(12/26)に!
編集部より:増田さんへの質問を募集しています。投稿はこちら。


▽デイリーポータルZトップへ

banner.jpg

 

デイリーポータルZのTwitterをフォローすると、あなたのタイムラインに「役には立たないけどなんかいい情報」がとどきます!

→→→  ←←←

 

デイリーポータルZは、Amazonアソシエイト・プログラムに参加しています。

デイリーポータルZを

 

バックナンバー

バックナンバー

▲デイリーポータルZトップへ バックナンバーいちらんへ