書きやすい果物は
今回は果物に不満を書く、ということでフードペンなるアイテムを入手した。
食べてもOKフードペン。ブラック。(1本400円くらいする)
見たことないペンをもらって嬉しそうなキキさん(小1)。スムージーはこどもと楽しく作ろうと思い、親戚の家にお邪魔しています。
そしてスーパーのフルーツコーナーに行き、「このペンが映える」という前提で果物を探した。
いちごは論外で、キウイ、オレンジも断念した。結構制限がある。
そんな中選ばれし、バナナ(白いからいけそう)、りんご(皮になら書 けそう)、マスカット(薄緑ならいけそう)、オレンジトマト(黒が映えそ う)のみなさん。少ない。
いざ不満を粉砕
あとは果物に不満を書いて、スムージーにしていくだけだ。
小1に「ふだんちょっと嫌だな、と思うことをりんごに書いてね」と伝え た。「うん!」といい返事。
仕上がった文言。「リンゴたべたい」くぅ~!伝わらねい~!!
私「最近、学校とかおうちとかで嫌なことあった? それを私がバナナに書いてあげよう」
キキ(小1)「ある! ママにね! 3DS取られた!!」
私「それだ!!!!!」
初不満入り果物「3DSをママにとられた」GET!
それをミキサーにSET!
粉砕、そして栄養摂取へ
とりあえず書いた時点ではあまりスカッとしていないらしい。が、本題はここから。いざ刃物でシュッだ。
じょうずに怒りを表現する小1。母を前に粉砕する気満々である。
スイッチON!
どんどん粉々になっていく「3DSをママに取られた」。小1も謎の快感に「ギャーーーーハッッハハ」と高笑いしながら楽しそうに粉砕している。
できました。「やってやった顔」の小1。
この液体を飲んだ後、スカッとしたかが検証のポイントだ。
私「スカッとした????スカッとした???」小1「うーんちょっと 待ってよ」
小1「全然しない!!!!」うそ…。
めげずに大人も試す
趣旨を理解した小1に「本当に何も変化がない」と言われてしまった。不満を粉砕し、さらにそれを栄養として摂取したのにだ。
じゃあ、と自分も書く。マスカットには毎日すこーしだけもやっとして いた「電車でつめない人」を書いた。マスカットもこんなこと書かれる とは思わなかっただろう。
さらに、りんごには「説明を最後まで聞かずに『あーはいはい』と言 われること」と書いた。大人の不満のほうが生々しいことがわかる。
もやもやを潰す気持ちで粉砕していきます。ッシュー
できた。一応レシピっぽく材料としての不満を書いてみる。
そして飲む
??
粉砕しはじめはなんとなく興奮したものの、それを飲むとただ漠然としたふしぎだけが広がった。私はいま、不満を飲んでいる。
それを認識すると、むしろ不満を体内に入れてしまったというざらついた気持ちに襲われた。
「っていうかぬるいんだけど?」と果物を砕きさえすればいいと思っていたレシピ面の難にも悩まされる。ちょっとこれマイナスの方が大きい気がしてくる。
サポートに回っていた小1の母にも試してもらい、感想を聞くことにした。
母の不満「注射のあとがかゆい」。素晴らしすぎる不満。
母はその他にも「(毎週通う)スケートが上達しない」「iPhoneのバッ テリーがすぐ切れる」などをセットした。大人はどうしても不満が増 える。
粉砕を嬉しそうに見つめる母と真顔で手伝う娘。
さて、あとは母に飲んでもらうだけです。どうですか。スッキリしましたか。
?
私「どうだろう」
小1の母「確かに、粉砕するのはちょっと良かった」
私「そうだよね」
小1の母「でもこれね…。あんまりスッキリはしないね…。うん。そうだね、全然しない」
大人2人で話し合った結果「やっぱり不満は原因から解決しないとスッキリしない」という当たり前すぎる結果に落ち着いてしまった。
小手先の工夫でスッキリしようったってごまかせないのである。あとスムージーには絶対に氷を入れるべきだ。
「果物に文字を書く」盛り上がり
実験は失敗してしまったが、果物に文字を書くという体験はふしぎで楽しい。しかも書いた文字は食べることができる。
体内に文字が入ったような気持ちは新鮮で、みんな「おお~?」とふわふわした感覚にハマっていた。
「マンマミーア!」とマリオの決め台詞を書いた小1。不満じゃなくて このぐらいがよかったのかもしれない。これを飲んだあとも 「ん~?」という顔をしていた。