神楽坂はマツモトキヨシになっていた
去年の10月末、都内のマクドナルドがいくつも同時に閉店した。そのようすを「
マクドナルドが一斉に閉店した日」として取り上げた。
それらの店舗はいまどうなっているのか。
最初にマクドナルド神楽坂店の跡地に行ってみた。1年前の在りし日の姿と比べて見てみたいと思う。
まずは1年前のようす。マクドナルド神楽坂店。
現在はマツモトキヨシに
神楽坂店はマツモトキヨシになっていた。1年前の閉店の日、集まったお客さんたちが「マツキヨになるらしい」と噂をしていたのだが、本当だった。
1年前はここで閉店のチラシを配っていた
床のタイルはマック時代と変わらない
看板も内装も何かもマツモトキヨシになっていたのだけど、床のタイルは当時と同じだった。こういう痕跡があると嬉しくなる。天井の照明も一部同じだった。
1年前の閉店に集う人たち
今は平熱だ
店の前を通る人は、もはやここにマツキヨがあるのが当然というふうに平熱のまま素通りしていく。これが新しい日常の風景なんだと感じた。
1年前はここで閉店の挨拶をしていた
今は商品が並ぶ
神楽坂は、閉店の1ヶ月後くらいまではまだマックの名残りがあった。
2015年の12月頃。空き店舗に見えるけど。
よく見るとマクドナルドの看板の痕跡が
半年くらいはこの状況のままで、なかなか新しいお店って開店しないものなんだなと感じていた。現在のマツモトキヨシがオープンしたのはやっと今年の6月ごろだ。
1年前に閉店した他の店舗の状況はどうだろうか。新しいお店になっているか、それとも空き店舗のままか。
次のページに、お店ごとの現在の状況をまとめてみました。
なんと駿河台店もマツモトキヨシになっていた
1年前の駿河台店の閉店に集う人たち
現在はまたもマツキヨに
なんだなんだ。マック跡地はマツキヨに狙われているのか。店舗の面積などの条件がちょうどよかったのか。43年の歴史を持つマクドナルド駿河台店も、マツモトキヨシになっていた。
目白店はサンマルクカフェに
1年前の閉店時の目白店のようす
現在はサンマルクカフェに
1年前と同じアングルを探して写真を撮っていると、「あれ、ここマックじゃなかったっけ?」「こんなのできたんだ」という声が二組から聞こえてきた。
それだけ、目白でのマックの存在感は大きかったのだろう。
神楽坂駅前店はファミリーマートに
1年前の神楽坂駅前店
現在はファミリーマート
ビルのタイルの模様や、手前の自転車のようすはまったく変わらず、店舗だけが新しくなっている。諸行無常を感じる。
本郷店はドコモショップに
1年前の本郷店。閉店しちゃってるけど。
現在はドコモショップだ
新大塚店は薬局に
現在は ぱぱす薬局
外観はほとんど変わらない。入り口の看板と装飾テントだけが薬局のものになっているが、二階部分なんかマックのままだ。
聖路加タワー店と八重洲通り店は空き店舗のまま
一方で、まだ次の店舗が入らない場所もあった。
聖路加タワー店の現在のようす
1年前に閉店して以来、空きのまま。かなり大きな店舗なので、ここだけ白く浮いていて奇妙に見える。
矢印のところがマクドナルド跡
かなり大きな店舗なので、気軽に次に入るというわけにもいかないのかもしれない。
また聖路加タワーはどの駅からもそこそこ遠く、他の駅前のマクドナルドとは条件が違う。よく見るとこのフロア、マクドナルドの他にも3つの店舗が空きのままになってる。
大きなオフィスビルなのでお客さんは多いだろうと思うんだけど、どうしたのかな。
八重洲通り店跡も空き店舗のまま
東京駅前の八重洲通り店は、ちょうど交番の前にある。おまわりさんに聞いてみたところ、ずっとこのまんまとのことだった。東京駅前の一等地なのに!お家賃高すぎるのかな。
主にマツキヨ、ファミマ、ドトール、日高屋になった
2015年に都内で閉店したマクドナルドは約40店舗あった。それらの跡地がどうなったか、多い順にまとめてみた。
言ってみれば、大学の卒業後の進路をまとめた表みたいなものです。
駅前の一等地としてのマクドナルド跡争奪戦のようなものがあるとすれば、いまのところ勝者はマツキヨ、ファミマ、ドトール、日高屋だ。
直接の競合である他のハンバーガーショップに変わったりしないかな、と思っていたのだけど、そういう例は多くないらしい。
一年たってもいまだに空き店舗、いわば就職浪人がまだ3人いる点も気になる。最近はマクドナルドの業績も回復しているらしいし、ここが再びマクドナルドになったらかっこいいぞと思う。
新しい日常が始まってた
店がつぶれて新しいお店になると、その風景が急に日常になる。前がなんだったのかすら思い出せない。
ただ、今回取材するに当たって近くにいた人に聞いてみると、そこが元マックであることを明確に覚えている人が多かった。それだけ印象が強かったんだろう。ぼくもまだ神楽坂にマックがない風景には慣れない。