特集 2016年11月16日

ドイツのジオラマ人形がたまらない

不条理ジオラマ
鉄道が出てこないジオラマ
9月に展示会に出るためにオーストリアに行き、ドイツ・ミュンヘン経由で帰ってきた。

スタッフ4人でミュンヘンで鉄道模型の店に入ったら1時間以上出られなくなってしまった。
からまれたのではない。鉄道模型用のジオラマ人形に夢中になってしまったのだ。

その愛おしさといったら、すごいぞ。
1971年東京生まれ。デイリーポータルZウェブマスター。主にインターネットと世田谷区で活動。
編著書は「死ぬかと思った」(アスペクト)など。イカの沖漬けが世界一うまい食べものだと思ってる。(動画インタビュー)

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だいたいプライザーという会社の人形

そのジオラマ人形はドイツのプライザーという会社のものである。
高さ3センチぐらい(今回使っているのはHOゲージ用というサイズ)でありながらかっこいいポーズや服装をしている。
そしてすごいことにほとんどの人形が自立するのだ。
1時間かけて厳選した人形たち
お店で1時間しゃがみこんで選んだ人形たち
日本製のジオラマの人形にはあまり見かけないタイプの人種がいる。たとえばこんな人形だ。
貴族。さすがヨーロッパ
貴族。さすがヨーロッパ
しかしいったいどういうジオラマでこれを立てればいいのだ。
「19世紀、開通した鉄道を見に来た上流階級の人たち」というシチュエーションだろうか。
ではこれはどうか。
ガムを噛む女
ガムを噛む女
このやさぐれ感。前傾姿勢もスカートの上においた手もすばらしい。「アタシ」とカタカナで自分のことを言いそうなドイツ女である。
しかしこれもまたいつ使うのかがわからない。

で、またヨーロッパだなと思ったのがこの人形セット。
いちゃいちゃしている人たち
いちゃいちゃしている人たち
いちゃいちゃしているのだが、カップルの年齢層が幅広い。たしかにオーストリアで展示をしていて思ったのは老夫婦の仲がいいことだった。人形まで仲がいい。

さて、同行した編集部・ライターは何を買ったのか。見せてもらった。
べつやくセレクト
べつやくセレクト
死神、転ぶ人、取り調べ、熊
死神、転ぶ人、取り調べ、熊
このプラスチックのキューブに入っているのはジオラマではなく、単品として楽しむものなのかもしれない。それぐらい愛おしい。
死神であってもころんでる人であっても、うわー(小さい猫見たときに出る声)が出るぐらい愛おしい。
安藤セレクト
安藤セレクト
安藤セレクトもキューブ中心
安藤セレクトもキューブ中心
酔っぱらい、金庫破り、相撲レスラー、ピエロ。安藤らしい力強いラインナップで攻めてきた。肌色多めで、どれもちょっと後ろめたさがある。
安藤セレクト
よしだセレクト
鉄道とオクトーバーフェスト関係。右下はカメラおじさん
鉄道とオクトーバーフェスト関係。右下はカメラおじさん
カメラおじさんがおもしろい。鉄道模型を走らせるだけではなく、それを撮る人、という人形も用意されているのだ。
鉄道模型を作る人が「これはおれだ」と言ったりするのだろう。そんなジャーマンウイットも想像できる。

しかしどれも体型がドイツ人らしくがっちりしている。丈夫そうである。

組み合わせると別の物語が生まれる

人形も1体で3~5ユーロするので、4人それぞれがまあ5000円以上買っている。旅行テンションと言えばそれまでだが、これからお見せする写真のおもしろさを考慮すれば実質ゼロ円と言っていいのではないか。(理屈があってないのは承知で書いてます)。
取り調べ
「はかないと別の刑事よんでくるぞ」 「やれるもんならやってみろ」
「はかないと別の刑事よんでくるぞ」
「やれるもんならやってみろ」
「ガオー」
「ガオー」
「………。」
やっぱりプライザーのシリアスな体型がおもしろさを助長させている。足の長いドイツ人はコント向きである。
ちなみに取り調べコントは登場人物を増やしたら、「なにかのトラブルの解決方法を相談するバラバラな仲間たち」みたいになった。下の写真だ。
「意外にこれがベストの組み合わせだったりするドラクエのパーティー」
「意外にこれがベストの組み合わせだったりするドラクエのパーティー」
こちらは、「熊に驚いてころんだパン屋とそれを見ている女と関係ないカップル」
こちらは、「熊に驚いてころんだパン屋とそれを見ている女と関係ないカップル」
店で貴族と熊を買ったときに、貴族の集まりの後ろに熊を置きたいと思ったのだが(急にプロレタリアート感覚が発動した)、置いてみたら意外に楽しい雰囲気になった。
熊のポーズが踊ってるからかかもしれない
熊のポーズが踊ってるからかかもしれない
オクトーバーフェスト人形と合わせると一層楽しげに
オクトーバーフェスト人形と合わせると一層楽しげに
熊抜きでも当然たのしく
熊抜きでも当然たのしく
カメラおじさんの人形も置くだけでストーリーが出てくる。カメラに夢中になってうかつなことをする、というコントである。
まんがなら怖い犬のしっぽを踏むタイプだ。
死神にもポーズを要求するおじさん。 戸惑う死神
死神にもポーズを要求するおじさん。 戸惑う死神
子グマに夢中になって後ろの熊に気づいてない
子グマに夢中になって後ろの熊に気づいてない
おじさんは後で死神だったことに気づいて震え上がる展開だろう(藤子不二雄Aなら)。
酔っぱらいの人形はポーズがリアルすぎていまひとつポップにならなかった。
何やら一大事感が出てしまった
何やら一大事感が出てしまった
しかしこの人形の名前がEnjoying wineなのは冗談なのか
しかしこの人形の名前がEnjoying wineなのは冗談なのか

ガムの女が好きだ

いろいろ組み合わせて写真を撮ってみたが(つまりお人形遊びだ)、いちばんストーリーが見えてくるのはガムの女を置いたときだった。
ミュンヘンの路地裏から
ミュンヘンの路地裏から
なにかあった幼なじみの男を慰める
なにかあった幼なじみの男を慰める
見物
「ほほう」
幼なじみが落ち込んでいた理由
「アンタが落ち込んでいた理由が分かったわよ」
意外なおかみさん
意外なおかみさん
黒幕
黒幕
トランプみたいなのが悪だくみしているところにも
トランプみたいなのが悪だくみしているところにも
自然に馴染む
自然に馴染む
戦国時代のジオラマのなかにも馴染みそうである。戦場で座る将軍の横に座らせたい。

香港にもあった

ところで、10月に乗り換えで寄った香港空港でも良い人形を見つけたのだ。
屋台のおっちゃんフィギュア
屋台のおっちゃんフィギュア
これをドイツのジオラマ人形と組み合わせたらおもしろいはずだ。思った以上に高かったが躊躇なく買って帰国した。

縮尺が違った
縮尺が違った
進撃の巨人みたいになってしまった。うまそうなスープを出してくれる巨人である。
熊ならなんとかなった。
熊ならなんとかなった。

カタログを眺めてるだけでも酒のつまみになる

このプライザー、カタログがサイトからダウンロードできるのだ。

僕は好きすぎてカタログだけを通販で買ってしまったが、買ってしまったのだが……ダウンロードするといいと思う。

日本でも東急ハンズや模型の店で数種類売られているのを見かけるが、近寄ると買ってしまいそうになるのであまり近寄らないようにしている。でもたまに買う。
以上、我が家の食卓からお送りしました
以上、我が家の食卓からお送りしました
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