特集 2016年10月31日

全国こけし祭りのこけしパレードに参加してきた

前から2つめのこけしの中に、私が入っています。
前から2つめのこけしの中に、私が入っています。
こけし好きの友人から、「張りぼてのこけしに入って温泉街を練り歩くパレードに出ようや」と大阪弁で誘われた。なんでも宮城県の鳴子温泉でおこなわれる全国こけし祭りのイベントで、こけしに入る人を募集しているらしい。なんだろう、張りぼてのこけしって。

正直こけしに対する思い入れはまったくなく、こけしに入ってパレードしたら楽しそうだな~くらいの軽い気持ちで参加してみたのだが、うっかりこけしが好きになるほどの濃い体験となった。きっと来年も参加する。
趣味は食材採取とそれを使った冒険スペクタクル料理。週に一度はなにかを捕まえて食べるようにしている。最近は製麺機を使った麺作りが趣味。(動画インタビュー)

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温泉番付東の横綱、鳴子温泉へやってきた

全国こけし祭りは、1948年にはじまって今年で62回目を迎える伝統ある祭り。全国と名がつくだけあって、鳴子だけでなく日本各地からこけし職人が集合して、こけしコンテストや即売会がおこなわれるという、こけし業界の一大イベントらしい。

この祭りがおこなわれる鳴子は日本一のこけし産地であり、『青春18きっぷで行く温泉番付』とやらで東の横綱になるほど有名な温泉地なのだとか。
いで湯とこけしの郷、鳴子にやってきました。
いで湯とこけしの郷、鳴子にやってきました。
パレードは9月3日(土)の夜で日帰りも可能だったが、せっかくだからと2日の昼から二泊することにした。

鳴子の温泉、こけしだらけの町並み、泊まった自炊宿など、どれも最高だったので、この判断はとても正しかった。
駅にある足湯にとりあえず手を入れてみたら、ただのお湯じゃないんだよ感がすごかった。これが横綱の実力か。
駅にある足湯にとりあえず手を入れてみたら、ただのお湯じゃないんだよ感がすごかった。これが横綱の実力か。
鳴子温泉は最高だったのだが、紹介し出すときりがないので、この記事ではこけし祭りのことしか書かない。

こけしを買うために1週間並んでいる人がいる

鳴子駅でこけし祭りのリピーターである友人夫婦と合流し、その友人である工人(こうじん)の大沼さんに御挨拶。

ここでいう工人とは、こけしを作る職人さんのことで、最盛期は鳴子に100人近くの工人さんがいたそうだが、現在は20名ほどまで減っている。そして鳴子の人口も半分まで減少した。
左が工人さんである大沼さん。右は祭りに誘ってくれた友人夫婦。
左が工人さんである大沼さん。右は祭りに誘ってくれた友人夫婦。
大沼こけし店のこけし。これよく見ると模様が全部違うんですね。そして意外と安い(小さめのサイズです)。
大沼こけし店のこけし。これよく見ると模様が全部違うんですね。そして意外と安い(小さめのサイズです)。
それでも最近は第三次こけしブームが到来していることもあって、全国こけし祭りの会場には徹夜組の熱いファンが並んでいるらしい。

こけしブームというものが過去に2度もあり、そして現在が3度目のブームとは知らなかった。ちなみに第一次が戦前の昭和15年頃、そして第二次が高度経済成長期の40年頃とのこと。

いくらブームとはいえ、こけしのためにといったら失礼だが、徹夜までするなんて本当だろうかとメイン会場の鳴子小学校体育館へといってみると、確かに入り口前で開場を待つ人達がいた。
並んでいる方は写真NGということで、代わりに私が座ってみました。
並んでいる方は写真NGということで、代わりに私が座ってみました。
並んでいる方々に話しを伺ったところ、狙いはコンテストに出品したけれど惜しくも入賞を逃した審査品と呼ばれるこけしであり、その優先販売のために並んでいるそうだ。

一番に並んでいる方は先週の土曜日からいるそうで、ここがオープンするのは明日の土曜日だから、丸一週間の場所取りとなる訳か。

新しいアイフォンとかよりも、新作のこけしに人は並ぶ時代なのかもしれない。
今から並ぶと20番でギリギリ審査品が狙えるらしい。でも並ぶのは無理!
今から並ぶと20番でギリギリ審査品が狙えるらしい。でも並ぶのは無理!

こういったこけしのイベントは、規模は様々だが全国のこけし産地でおこなわれており、そこに並んでいるのはだいたい同じメンバーなので、みんな顔見知りという感じらしい。

昼間は前後の方に了解を得て抜けたりしながら場所取りをして、夜になると宿に戻るそうだ。

もはやこけし目当てというよりは、並ぶこと自体が目的になっているところがあるよねとニッコリ。

盛大にこけしが燃やされた

こけし祭りでおこなわれる最初のイベントは、2日(金)の夜に温泉神社でおこなわれる、こけし供養祭。

可燃ゴミとして出すのは心が痛むと、全国から集まった古いこけしを燃やして供養する儀式だ。

日が暮れた頃に点火され、大きな炎を上げて燃えていくこけし達。100%木なのでよく燃える。
だるまや人形などは聞いたことがあるけれど、こけしの供養祭というのは初めて聞いた。
だるまや人形などは聞いたことがあるけれど、こけしの供養祭というのは初めて聞いた。
わー、こけしが燃えていくー。
わー、こけしが燃えていくー。
炎が龍になって天へと昇っていくような燃えっぷりだ。
炎が龍になって天へと昇っていくような燃えっぷりだ。
雰囲気を盛り上げる幻想的なフルートの生演奏。熱くて大変そうですね。
雰囲気を盛り上げる幻想的なフルートの生演奏。熱くて大変そうですね。
こけしー!今までありがとうー!
こけしー!今までありがとうー!
このイベントはちょっと見るだけでいいかなと思っていたのだが、なんとなく最後まで見入ってしまった。

私はこけしに対する思い入れがまったくなく、現時点でもその魅力にまだピンときていないのだが(ちょっとかわいいなと思うようにはなってきた)、今日一日で「こけしに対する強い思い入れを持つ人がいる」ということは実感できた。
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こけし祭りのメイン会場へ

宿に戻って4種類の源泉が違う温泉を楽しんで就寝。そして翌朝はまた温泉神社に戻って、こけし奉納式の見学からスタート。

こけしは子供が遊ぶ人形であると同時に、温泉の土産物として発達した歴史があるため、ほとんどのこけしの産地は温泉処にある。

温泉神社にこけしを奉納するという行事は、そんな温泉とこけしの関係の深さを表しているのだと、この記事を書きながら気が付いた。
鳴子の工人さん、全国から集まった工人さんが、温泉神社にこけしを奉納する儀式。
鳴子の工人さん、全国から集まった工人さんが、温泉神社にこけしを奉納する儀式。
昨日の時点で20人ほどが並んでいた体育館へと移動すると、私よりも若そうな方がチラホラいる。第三次こけしブームは若い人の参入によるところが大きいという話は本当なのだろう。

会場が小学校ということもあり、なんだかバザーみたいな雰囲気の中、午前10時に全国こけし祭りのメインイベントがスタートした。
絶好のこけし日和ですな。
絶好のこけし日和ですな。
これは余談になるが、こけし祭り実行委員会の方に伺った話だと、鳴子中学校には「こけし部」という部活が昔はあって、こけし部出身の工人さんは、こけし界のエリートだったとか。

そしてこけし部があった頃の卒業式では、部員が作った「努力」とか「友情」と書かれただるまこけしが、記念品として配られていたそうだ。なんか泣ける。
とりあえず顔ハメ写真でもしましょうか。
とりあえず顔ハメ写真でもしましょうか。
余談ついでにもう一つ。昔の鳴子は今以上にこけしが身近な存在であり、通学路でもキーキーとこけしを削る音が聞こえたし、夏にカブトムシを捕まえると工人さんのところに木くずをもらいにいったもんだと教えてもらった。
オープンと同時になだれ込むこけしファン達。整理券を持った徹夜組は、朝8時からの優先販売ですでに購入済み。
オープンと同時になだれ込むこけしファン達。整理券を持った徹夜組は、朝8時からの優先販売ですでに購入済み。
メイン会場である体育館では、全国から招待した工人さんによる実演展示販売、コンクールの作品展示などがおこなわれており、ここでようやく私もこけしの多様性と魅力、そしてこけしにハマる人の気持ちを理解することができた。
全国からこけしファンが集まったメイン会場。
全国からこけしファンが集まったメイン会場。
徹夜組が狙っていたコンテストの審査作品ってこれのことか。
徹夜組が狙っていたコンテストの審査作品ってこれのことか。
全国の工人さんから直に買えるチャンスということで、会場中央の即売会ブースは大混雑。
全国の工人さんから直に買えるチャンスということで、会場中央の即売会ブースは大混雑。
こけしというものにたくさんの作家(工人)がいて、そこにファンがいるという関係性を初めて知った。
こけしというものにたくさんの作家(工人)がいて、そこにファンがいるという関係性を初めて知った。
足踏み式ろくろの実演。人間の手足による精密なアナログ旋盤加工だ。
足踏み式ろくろの実演。人間の手足による精密なアナログ旋盤加工だ。
愛知から来ていたこけし好きのお二人。こけし女子(こけ女)っていうやつですか。
愛知から来ていたこけし好きのお二人。こけし女子(こけ女)っていうやつですか。

こけしって一種類じゃないんですね

私の知っているこけしといえば、たまたま実家にあったからなのかもしれないが、ここ鳴子のこけしだった。

頭が丸くて、目が細くて、赤い模様が描かれているやつ。
こけしといえば、この顔とこの形。
こけしといえば、この顔とこの形。
だがこれはあくまで鳴子系のこけしであり、日本(といっても全部東北ですが)には11系統(諸説あり)の伝統こけしがあり、そのシルエットや表情、素材となる木などがぜんぜん違ったのだ。これは陶芸や漆器、あるいは民謡、またはラーメンの世界に似ている。

またその系統の中でも、工人の血筋や独自の作風というものがあり、過去のこけしを遡る楽しみ、現在進行形のこけしを知る喜びなど、その沼の深さは完全なる底なし。この辺りは歌舞伎や落語の世界にも似ているかな。
ぱっちりした目のこけしっていうのも存在するのか!
ぱっちりした目のこけしっていうのも存在するのか!
この愛嬌のある表情がいいわー!
この愛嬌のある表情がいいわー!
素朴な感じもまた欲しくなる!
素朴な感じもまた欲しくなる!
なんとなく親近感を感じる目力!
なんとなく親近感を感じる目力!
ほっぺたがうっすらと赤くてキュート!
ほっぺたがうっすらと赤くてキュート!
赤ちゃんのおしゃぶりとして誕生した絵のないコケシなんていうのもあるのか!
赤ちゃんのおしゃぶりとして誕生した絵のないコケシなんていうのもあるのか!
こけしというものにたくさんの作家(工人)がいて、作品に個性があって、そこにファンがいるという関係性を初めて知ることができた。

こけしがどれほど多様なのかは、今年のコンクールで受賞したこけし達を見比べてみると、よくわかってもらえると思う。
これらのコンテスト受賞作品を以下にまとめました。
これらのコンテスト受賞作品を以下にまとめました。
全部違って、全部いい。
全部違って、全部いい。
こけしは温泉、工人さん、お客さんとの繋がりの象徴でもあるため、現地にいって工人さんと話をしながらお気に入りの一本を買うのが理想なのだろう。

同じ工人さんから毎年1本買って、作風の変化を愛でながら一緒に歳をとるなんていう楽しみ方もあるそうだ。
こけしの絵付け体験をすると、その難しさがよくわかりますよ。
こけしの絵付け体験をすると、その難しさがよくわかりますよ。
ものすごく頑張ってこのレベル。右利きだと左側へ流れる部分が特に描けないんですよ。
ものすごく頑張ってこのレベル。右利きだと左側へ流れる部分が特に描けないんですよ。
私みたいにこけしにまったく興味のなかった男でさえも、「これは土湯系の〇〇さんの作品だね」とか、「〇〇さんが90年代に××の影響を受けたこけしだよね」とか、言えるようになりたくなっている。

とりあえずこけし祭りの限定Tシャツは買っておいた。
鳴子のゆるキャラ、なる子ちゃん。これは現代版の張りぼてこけしと言えるかもしれない。
鳴子のゆるキャラ、なる子ちゃん。これは現代版の張りぼてこけしと言えるかもしれない。
鳴子消防署のかっこいい消防車。
鳴子消防署のかっこいい消防車。
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こけしオークションにチャレンジ!

こけしへの興味が強くなり、そろそろマイこけしを買ってみたくなったところで、体育館からはちょっと離れたところにある日本こけし館でおこなわれている中古こけしオークションへとやってきた。

これは全国こけし祭りの一環として行われるイベントで、参加者が欲しいこけしに値段をつけて提出すると、最高値の人が購入できるという入札方式のオークションだ。
こけしをもっと知りたいタイミングでいったこともあり、ものすごく見ごたえの展示内容でした。
こけしをもっと知りたいタイミングでいったこともあり、ものすごく見ごたえの展示内容でした。
オークションの参加費を払うと手袋が渡されるので、あとは窃盗犯の押収品みたいにズラッと並んだこけしを、自分の目で鑑定していく。

これが骨董市の宝探しみたいでおもしろかった。
手汗で汚れないように、手袋をしてこけしをチェックしていきます。
手汗で汚れないように、手袋をしてこけしをチェックしていきます。
ここに並んだこけしが全部オークションの対象となっている。その数2千本以上!
ここに並んだこけしが全部オークションの対象となっている。その数2千本以上!
作品の情報は一切用意されていないので、こけしを見てその価値を判断していくしかない。ものによっては何万円もの値がつくこともあるとか。
作品の情報は一切用意されていないので、こけしを見てその価値を判断していくしかない。ものによっては何万円もの値がつくこともあるとか。
こけしの裏や背面にある工人のサインが最大のヒント。ただし古いものは何も書かれてない場合がある。それでもこけしマニアなら、ぱっと見ただけで年代や系統、作者名などを判断できるらしいよ。
こけしの裏や背面にある工人のサインが最大のヒント。ただし古いものは何も書かれてない場合がある。それでもこけしマニアなら、ぱっと見ただけで年代や系統、作者名などを判断できるらしいよ。
入札金額は100円から。相場観がまったくわからないぞ。
入札金額は100円から。相場観がまったくわからないぞ。
これとかすごい欲しいなー。いくらなのかなー。
これとかすごい欲しいなー。いくらなのかなー。
こけしが作られた年ではなく、作者の年齢が書かれている場合もある。
こけしが作られた年ではなく、作者の年齢が書かれている場合もある。
これなんて新しいのか古いのか、まったくわからないなー。
これなんて新しいのか古いのか、まったくわからないなー。
昭和33年ということは、60年近くも前の作品なのか!
昭和33年ということは、60年近くも前の作品なのか!
こけしにハマっている人はここだけで何時間でも時間がつぶせそうだ。こけしオークション、やばいね。

この旅を通じてようやくこけしに興味を持ち始めた私が、こけし様に値段をつけるなんて恐縮でしかないのだが、せっかくだからとインスピレーションで10体ほど入札。

全部落札しちゃったらどうしようとおびえていたのだが、結果としては101円で入札した1体だけが落札となった。うん、ちょうどいい。

ようやく張りぼてこけしに入ります

このように全国こけし祭りをたっぷりと堪能したところで、ようやく本来の目的である張りぼてこけしでのパレードの時間がやってきた。

集合場所となった会議室にズラッと並んだ張りぼてのこけしの存在感がすごい。

このこけしに入るために、全国からこけしファンが毎年集まっているのだ。
写真中央の超大型こけしには、地元のベテランメンバーが入るそうです。
写真中央の超大型こけしには、地元のベテランメンバーが入るそうです。
鳴子名物の栗だんごをいただく。見た目はおでんの玉子風だが、たっぷりの温かいみたらしあんと栗の入った団子という、まったく食べたことのない組み合わせの食べ物だった。
鳴子名物の栗だんごをいただく。見た目はおでんの玉子風だが、たっぷりの温かいみたらしあんと栗の入った団子という、まったく食べたことのない組み合わせの食べ物だった。
張りぼてとはいえ、本職の工人さん達が手間暇をかけてつくったこけしであり、その表情はどれも個性的。、ひとつひとつに魂がこもっているように感じる。

どのこけしに入るかは早い者勝ちということで、控えめなサイズの張りぼてを選択。これがなに系統のこけしがモチーフなのかがわからない自分が悔しい。
どのこけしに入るべきか迷うという貴重な経験をさせていただいた。
どのこけしに入るべきか迷うという貴重な経験をさせていただいた。
このすべてを見透かすような目つきに惚れました!
このすべてを見透かすような目つきに惚れました!
張りぼてなので軽々と移動が可能。
張りぼてなので軽々と移動が可能。
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張りぼてこけしのパレード、最高だ!

フェスティバルパレードでは、勇壮なお神輿やこけしの浴衣を着た婦人会に続いて、張りぼてこけしが街を練り歩くという段取りとなっている。

実行委員会の方からは怪我のないように、そして写真撮影にはできるだけ応じるようにとの注意があった。

こけしに入った瞬間から私という個は消えて、全国こけし祭りを盛り上げる張りぼてこけしのひとつとなる訳だ。
スタート地点でパレードの順番を待つ張りぼてこけし参加者達。
スタート地点でパレードの順番を待つ張りぼてこけし参加者達。
これは張りぼてこけしじゃなくて電話ボックス。
これは張りぼてこけしじゃなくて電話ボックス。
こけしに入ってしまうと視野が極端に狭くなるため、先導役となる人と二人一組での参加が必須。この日が初対面となる友人の友人のこけし好きさんに私の命を預かっていただく。
こけしに入ってしまうと視野が極端に狭くなるため、先導役となる人と二人一組での参加が必須。この日が初対面となる友人の友人のこけし好きさんに私の命を預かっていただく。
視界はこんな感じです。全然みえねー!
視界はこんな感じです。全然みえねー!
神輿を先頭にしてパレードがスタート。
神輿を先頭にしてパレードがスタート。
こけしの浴衣を着た婦人会のお姉さん達がかっこいいんですよ。
こけしの浴衣を着た婦人会のお姉さん達がかっこいいんですよ。
選ばれしものだけが入れる大型張りぼてこけしを先頭に、一般公募で集まったこけしマニアの張りぼてがゆっくりと進んでいく。
選ばれしものだけが入れる大型張りぼてこけしを先頭に、一般公募で集まったこけしマニアの張りぼてがゆっくりと進んでいく。
張りぼてこけしの後ろからは、こけしに仮装した地元の子供がついてくる。
張りぼてこけしの後ろからは、こけしに仮装した地元の子供がついてくる。
手が出るタイプと出ないタイプがあり、出るタイプだと手をどのように構えるのが正しいのだろうかと、カエルになりかけのオタマジャクシみたいな悩みが生まれる。
手が出るタイプと出ないタイプがあり、出るタイプだと手をどのように構えるのが正しいのだろうかと、カエルになりかけのオタマジャクシみたいな悩みが生まれる。

張りぼてこけしの一般募集は16組だったのだが、年々その人気が高まって、今年は数分で枠が埋まったというのも納得できる異次元っぽさ。

観客として見物するのも楽しいだろうが、パレードに参加するからこそ見える景色というものが確実にあった。実際の視界はほとんどゼロだけど。
わざわざパレードに参加するくらいなので、気合の入ったこけしファンが多かった。
わざわざパレードに参加するくらいなので、気合の入ったこけしファンが多かった。

浮かれる張りぼてこけし

当たり前だがパレードを見に来ているお客さんは私を張りぼてこけしとして、今風に言えばゆるキャラとしてみているので、バンバンと写真を撮ってくれるし、握手だって求められる。正直いって楽しい。

ハロウィンの仮装や、コミケでコスプレをする人の気持ちがよくわかった。この張りぼてこけしでハロウィンのパレードに出たいくらいだ。
中に入っているのは私。鳴子音頭のメロディにあわせて、ヨイヨイと踊りながらパレードを楽しんだ。あとで友人から「あんた浮かれ過ぎやで!」とヤジられるほどに。
中に入っているのは私。鳴子音頭のメロディにあわせて、ヨイヨイと踊りながらパレードを楽しんだ。あとで友人から「あんた浮かれ過ぎやで!」とヤジられるほどに。
この中の人も私と同じくらい浮かれている気がする。だって楽しいもんね!
この中の人も私と同じくらい浮かれている気がする。だって楽しいもんね!
写真撮影には猫ひろし風のポーズで応じてみたニャー。ねこけしひろし。
写真撮影には猫ひろし風のポーズで応じてみたニャー。ねこけしひろし。
実行委員の方に聞いたの話によると、長い歴史を誇る張りぼてこけしのパレードも、一時期中断していた時期があったそうだ。

昔はパレードの前日に行われる供養祭で張りぼてこけしを古くなったものから燃やしていたのだが、供養祭とパレードを担当する人が別なので、燃やしていることなんて知らなかったために毎年張りぼての数が減っていき、気が付けばパレードができなくなっていたそうだ。

そのまま張りぼてこけしがなくならなくて、本当によかった。
調子に乗ってポーズを決める張りぼてこけし。
調子に乗ってポーズを決める張りぼてこけし。
隣のこけしとぶつかりそうになって軌道修正されるこけし。
隣のこけしとぶつかりそうになって軌道修正されるこけし。
体育館で会った二人組がオリジナルのこけしコスプレで参加していた。
体育館で会った二人組がオリジナルのこけしコスプレで参加していた。
我が人生で一番写真を撮られた日かもしれない。
我が人生で一番写真を撮られた日かもしれない。
そんなこんなでパレードは終了。軽い張りぼてとはいえ、突きだした二の腕部分で支えながら歩くスタイルなのでけっこう疲れた。でも多幸感がすごい。

ちなみに手が出ないタイプの張りぼては、肩の上あたりに支える棒があり、それを握って一人神輿みたいに歩くらしいよ。
まだ脱ぎたくないなー。
まだ脱ぎたくないなー。
だいぶ前に潰れてしまったストリップ劇場前にて。某工人さんの話だと、室内に大きなプールがあって、水中ショーなどをしていたそうです。
だいぶ前に潰れてしまったストリップ劇場前にて。某工人さんの話だと、室内に大きなプールがあって、水中ショーなどをしていたそうです。
ゴジラの第二形態みたいな生き物がすくわれていた。
ゴジラの第二形態みたいな生き物がすくわれていた。
1時間があっという間に感じられたパレードを終え、張りぼてを脱いで人間の姿に戻った。

でもまだ心はどこかこけしのままで、すれ違う観光客に手を振りそうになってしまった。

それくらい楽しかったのだ。
みんな~、こけしの中身だよ~。
みんな~、こけしの中身だよ~。
実行委員会から送っていただいた集合写真。ありがとうございました!
実行委員会から送っていただいた集合写真。ありがとうございました!

張りぼてのこけしに入ってパレードをするなんて、そりゃ楽しいだろうよと気楽な気持ちで参加させてもらったのだが、予想以上にスペクタルな体験だった。

もし来年も参加できるのであれば、張りぼてこけしに入ったことのある男として、こけしの系統とその特徴くらいは覚えてから向かいたいと思う。
4つの源泉がある宿に泊まったんですが、ここが最高だったんですよ!
4つの源泉がある宿に泊まったんですが、ここが最高だったんですよ!
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