漬け物の味がする
今回取り寄せたサボテンはこちらの品。
ウチワサボテンの塩水漬け缶。800g入り。アマゾンや楽天で買えます。
ウチワサボテンの塩水漬けの缶詰。メキシコ産です。アマゾンや楽天で買えるので簡単に入手できました。ただ、内容量800gと業務用サイズです。
細長く切られたサボテンがみっちり。
缶を開けると、細長く切られたサボテンが塩水に漬かった状態で沢山はいっています。見た目はサボテンというよりも、昆布の茎の部分や山菜的な物に見えます。
香りはそれほど無いが、味はどうなの?
皿に出して匂いを嗅いでみましたが、刺激の強い香りなどは特にありません。野菜類の水煮缶を開けた時と大体同じです。缶から出してそのまま食べられるとのことなので、とにかく食べてみます。
かなりすっぱいそうですが、大丈夫なのか?
うん?
こりゃうまいね。漬け物風で、これなら日本人の口にも合う!
サボテンの缶詰、かなりおいしいです。シャキシャキとして最後に少し粘りがあります。確かに酸味はありますが、古漬けの漬物を食べた時のような酸味です。漬け物と言ってだされたら、そうなのかと思って普通に食べるレベル。ゼンマイの水煮を漬け物にして少し柔らかくしたらこんな感じになるでしょうか。美味しいです。
サボテンはCAM型光合成といって、夜間にCO2を取り込んで主にリンゴ酸を作り、昼にそれを用いてデンプンや糖を作りだしています。当サイトでも
伊豆シャボテン公園でサボテンを食べる記事内で、朝のサボテンが一番すっぱいと説明されています。
この缶詰のサボテンが夕方採取の物なのか、処理により酸味が少ないのか正確な所はわかりませんが、缶詰のサボテンはそれほど酸っぱくなく、漬物のような味でうまいです。
キンピラにしてもうまい
さて、サボテンをそのまま食べて美味しいことがわかったので、これをキンピラにしてみます。
どの程度塩抜きしたらいいか分からず適当に10分程水につける。
まずはサボテンの塩抜き。塩水漬けなので、そのまま味付けして調理すると塩辛くなってしまう可能性があり、水に漬けて塩抜きをします。
あとは普通にキンピラを作るのと同じです。
サボテンの水気を切ったら炒めていきます。彩りに人参も加えることにしました。味付けは醤油、みりん、砂糖、一味唐辛子。普通にキンピラを作る時と同じです。
ニンジン、サボテンの順に炒めて、火が通ってきたら調味料を適量。唐辛子を入れて更に炒めて出来上がり。簡単です。
本来、キンピラと言うと「キンピラごぼう」の事をさしますが、今は醤油や唐辛子を使ってキンピラ同様に調理したものもキンピラといわれます。ということで、これも「キンピラサボテン」となります。
ということで出来た物がこちら。
白ゴマもふってみました。
キンピラサボテンはシャキシャキとして、最後に少し粘りを感じます。そのまま食べた時は最後に漬物的な酸味を感じたが、それはあまり感じません。
キンピラとして全く違和感はなく、独特の食感と相まってかなりおいしいキンピラです。
サボテンをキンピラにすると美味しい。確かにそうでした。
サボテンうまいな。これならご飯でも酒でも合うぞ!
他の和食にも合うのか?
サボテンをキンピラにすると美味しいことは分かりました。サボテンは和食の味付けによく合うようです。
ならばこんな料理ならどうでしょうか。
いか人参。福島の郷土料理ですが、松前漬け用の細切りイカと昆布を使って簡単に作っています。
「いか人参」を松前漬け風に作ったものです。いか人参は福島の郷土料理で、細切りにしたイカと人参に醤油、みりん、日本酒などを合わせたタレをかけて和えたものです。
醤油の味に加え、日本人の慣れ親しむ魚介の味にサボテンは合うのか。この人参部分をサボテンに変えてみます。
この細く切られたイカと昆布を使うと簡単に作れる。
本来のいか人参はいかと人参だけで作るそうです。今回は松前漬け風ということで、北海道の松前漬け用の細く切られたいかと昆布を使います。通常いか人参には粘りはないそうですが、これを使うと独特のトロみが出ます。
サボテン自体に粘りが少しあるので、このトロみと合うのではと考えやってみました。
彩りで人参も少し足した。松前漬けだと更に数の子など入るようです(無い場合もあり)。
作り方はサボテンと松前漬け用の細切りイカと昆布、彩りで細切りの人参を少し。ここに、水大さじ5、日本酒大さじ3、醤油大さじ2、みりん大さじ2ぐらいで混ぜ合わせたタレをかけて和えます。
あとは1時間ほど冷蔵庫に入れておけば出来上がり。こちらです。
これ絶対酒に合うやつだ。
名づけるならば「いかサボテン」でしょうか。食べてみると、いかや昆布の旨味がサボテンの味によく合っています。醤油味の後に漬物的な酸味が現れ、旨味が後に続いていきます。
食感もよく、いかや昆布のコリコリとした感じと共に、サボテンのシャキシャキとした歯ごたえ。最後に少し粘り、昆布のトロみが続きます。瓜か何かの漬物が入った松前漬けといった感じです。
これはうまい。
うまいね。サボテンがこんなに和の味付けに合うとはね。
この味ならば、ご飯でも酒の肴でもどちらにも合いそうです。サボテンは和食に使えます。しかも美味しい。
いかサボテンは日本酒にも当然合いました。
いずれはポピュラーな食材になるだろうか
サボテンが和食の味付けにこれほどよく合うとは意外でした。粘りや酸味など変わった点はありますが、似たような食感の野菜や漬物が有るので、違和感なく馴染むのでしょう。
既に、日本でも食用のウチワサボテンを栽培、販売しているところはあるようです。いずれはズッキーニなどのように、日本でも多く栽培され日本の食卓に普通に登場するようになるかもしれません。
とりあえず、現状は輸入物の缶詰がネットで簡単に買えるので、それで試せます。ただ、まだマニアックな食材の為か売られているもののほとんどが業務用サイズなので、しばらくサボテンを食べる事になります。各種工夫調理して消費してください。
サボテンをトマトやチーズやハラペーニョと共にタコスに入れて食べてもみました。メキシコの味がする。うまい。大体食べてしまったのでもう1缶買おうかな。