これは……玉ねぎの甘みがすごい……なんだか、鶏肉の味がしませんか?
なぜかシュウマイ激戦区、築地
築地の市場は、卸売業者の店舗などがある「場内」と、一般人も気軽に買い物できる「場外」があるが、その場内、場外にそれぞれうまいシュウマイを売る店がふたつづつ、計4店舗ある。
たった4店舗で激戦区とか名乗るんじゃねえみたいなご意見もあるかもしれない。
しかし、築地という限られたエリアでそれぞれ個性的なシュウマイが4種類あると考えると、激戦と呼んでもさしつかえないのではないだろうか。
今回はその4店舗のシュウマイをそれぞれ購入し、勝手に弁当に詰めて築地のシュウマイ弁当をつくりたい。
たった4店舗で激戦区とか名乗るんじゃねえみたいなご意見もあるかもしれない。
しかし、築地という限られたエリアでそれぞれ個性的なシュウマイが4種類あると考えると、激戦と呼んでもさしつかえないのではないだろうか。
今回はその4店舗のシュウマイをそれぞれ購入し、勝手に弁当に詰めて築地のシュウマイ弁当をつくりたい。
築地市場とシュウマイ
築地場内でシュウマイ一人前はなぜか4個
築地にやってきました
まずは、場内の二店舗に向かう。
「ふぢの」
最初にやってきたのは「ふぢの」。
「ふぢの」は、店で食べる時は、チャーハンにシュウマイ。という組み合わせが最高にうまいのだが、今回はおみやげでシュウマイを持ち帰る。
「ふぢの」は、店で食べる時は、チャーハンにシュウマイ。という組み合わせが最高にうまいのだが、今回はおみやげでシュウマイを持ち帰る。
チャーシューとシュウマイはおみやげでもって帰ることが可能
チャーシューに心奪われる(デイリーポータルZ編集部古賀さん)
シュウマイを買った(ライター西村)
「ふぢの」のシュウマイは2個で300円。
ちなみに、次に行く「やじ満」もそうだが、築地場内では、シュウマイ1人前はなぜか4個ということになっている。したがって、2個は「半分」とか「半人前」という。
普通に一人前を頼むと、4個(600円)でてくるが、1個がけっこうデカイので半分で十分である。
なお「ふぢの」のシュウマイは、数年前までエビがのっていたのだが、いまは乗っていないようだ。
ちなみに、次に行く「やじ満」もそうだが、築地場内では、シュウマイ1人前はなぜか4個ということになっている。したがって、2個は「半分」とか「半人前」という。
普通に一人前を頼むと、4個(600円)でてくるが、1個がけっこうデカイので半分で十分である。
なお「ふぢの」のシュウマイは、数年前までエビがのっていたのだが、いまは乗っていないようだ。
サービスでキャベツを付けてくれる。
忘れていた名店
さて、次に訪れたのは同じ場内にある「やじ満(やじま)」。
「やじ満」こちらです。
「やじ満」も、場内の中華料理店としては「ふぢの」と人気を二分するとぼくが勝手に思っている名店である。というか、場内の中華料理屋はこの二軒しかない。(はず)
こちらでもシュウマイは持ち帰りできる。
こちらでもシュウマイは持ち帰りできる。
一人前600円、半個300円。食事の場合は1個(150円)から注文できる。
「これを食せねばやじ満は語れネェー」と、張り紙にいわしめるほどの名物である。
しかしながら、ぼくは「ふぢの」に行くまですっかり「やじ満」のシュウマイのことを失念してしまっていた。
「ふぢの」を出るときに「あれ、ここじゃないところでもシュウマイ食ったような気が……」と、胸騒ぎを覚えたので、検索して思い出した。危ないところであった。ありがとう食べログ。
しかしながら、ぼくは「ふぢの」に行くまですっかり「やじ満」のシュウマイのことを失念してしまっていた。
「ふぢの」を出るときに「あれ、ここじゃないところでもシュウマイ食ったような気が……」と、胸騒ぎを覚えたので、検索して思い出した。危ないところであった。ありがとう食べログ。
みずみずしいシュウマイ!
やじ満は、持ち帰り用として、冷蔵のシュウマイもあるが、すぐ食べるので、温かい方でおみやげをだしてもらう。
ちなみに、「ふぢの」も「やじ満」も「シュウマイ持ち帰りで2個」というよりも「シュウマイおみやげで2個」と言ったほうが、通りがいいようだ。
なお「やじ満」は、シュウマイだけではなく、もやしラーメンなんかもうまいのだが、こんかいはぐっとこらえて、次のシュウマイ屋に向かう。
ちなみに、「ふぢの」も「やじ満」も「シュウマイ持ち帰りで2個」というよりも「シュウマイおみやげで2個」と言ったほうが、通りがいいようだ。
なお「やじ満」は、シュウマイだけではなく、もやしラーメンなんかもうまいのだが、こんかいはぐっとこらえて、次のシュウマイ屋に向かう。
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場外のシュウマイ2店舗
場内のシュウマイは以上である。続いては場外のシュウマイをそろえたい。まずやってきたのは「幸軒」。
ジャンボすぎる幸軒のシュウマイ
幸軒は、シュウマイを路面で販売しているが、本体の店が向かいの路地を奥に入ったところにある。
こちらの路地の奥にあるのが本体の店舗
もちろん、店舗でシュウマイを食べることもできるが、シュウマイの人気が高く、最近は食べ歩きをする人用にシュウマイだけ表で販売するというスタイルになっている。
1個150円。でかい。
幸軒のシュウマイは、築地出身のテリー伊藤が、子供の頃から食べていたというシュウマイである。
とにかくデカイ。おそらく、児童の握りこぶしぐらいはある。
とにかくデカイ。おそらく、児童の握りこぶしぐらいはある。
こちらでも、すぐ食べられる、温かいシュウマイのほか、持ち帰り用の冷蔵もある
弁当につめる目的で買いにきているので、もちろん温かいシュウマイを2個注文する。(1個150円)
崎陽軒のシュウマイ3個分ぐらいはあるのでは?
あの「菅商店」のシュウマイ
そして最後に訪れたのは「菅商店」。
まだ本格稼働前
「あの」菅商店である。
「あの」というのは、現在、もっともチケットがとれない落語家といわれる、立川談春が修行時代に働いていた店である。
立川談春の自伝的小説『赤めだか』に登場したため、落語ファン、特に立川流ファンの中ではおなじみなのだ。
菅商店のシュウマイは、ジャンボシュウマイ、ポークシュウマイ、鶏シュウマイの三種類ある。しかし、訪れた時間帯が、朝早かったため、ポークシュウマイと鶏シュウマイはまだ準備中であった。
そのため、持ち帰り用のジャンボシュウマイ8個入り(680円(税別))を購入。
「あの」というのは、現在、もっともチケットがとれない落語家といわれる、立川談春が修行時代に働いていた店である。
立川談春の自伝的小説『赤めだか』に登場したため、落語ファン、特に立川流ファンの中ではおなじみなのだ。
菅商店のシュウマイは、ジャンボシュウマイ、ポークシュウマイ、鶏シュウマイの三種類ある。しかし、訪れた時間帯が、朝早かったため、ポークシュウマイと鶏シュウマイはまだ準備中であった。
そのため、持ち帰り用のジャンボシュウマイ8個入り(680円(税別))を購入。
菅商店のおやじさんだ
築地で知らないものはいないといわれている菅商店のおやじさんが自ら接客してくださった。
菅商店のおやじさんは、日本橋から築地に魚河岸が移ってくる前から築地に住んでいたという伝説的なひとでもある。
したがって、かるく90は越えていると思われるが、かくしゃくとしており「これ、ドラマ(※昨年末『赤めだか』がドラマ化された)でひっくりかえしたシュウマイだよー」なんて教えてくれた。
菅商店のおやじさんは、日本橋から築地に魚河岸が移ってくる前から築地に住んでいたという伝説的なひとでもある。
したがって、かるく90は越えていると思われるが、かくしゃくとしており「これ、ドラマ(※昨年末『赤めだか』がドラマ化された)でひっくりかえしたシュウマイだよー」なんて教えてくれた。
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弁当にシュウマイをつめます
さて、築地のシュウマイ4種類がそろった。
それぞれ形や色が違う
これを家から持参したご飯をつめた弁当箱に盛っていきたい。
鼻歌まじりにシュウマイを弁当につめる
うぉー、完成だ!
ついに、夢の、築地のシュウマイ詰め合わせ弁当が完成した。
全体的に白っぽくて彩りが少ないので、見た目ではあまり食欲がそそられないが、シュウマイとご飯という組み合わせである。確実に勝利が約束されている弁当だ。
この4つのシュウマイ。いったいどんな違いがあるのか、ひとつづつ試食していってみたい。
全体的に白っぽくて彩りが少ないので、見た目ではあまり食欲がそそられないが、シュウマイとご飯という組み合わせである。確実に勝利が約束されている弁当だ。
この4つのシュウマイ。いったいどんな違いがあるのか、ひとつづつ試食していってみたい。
「菅商店」のシュウマイ
鶏肉の味がする!
え、鶏肉ですか? ……あーするかな。
原材料、見てみたら鶏肉が入ってますよ。
す、するどい。ぼんやり食べてました。よくみるとパン粉とか入ってますね。
ホクホク感あったんですが、パン粉が入ってるからかなー。
材料見ると、豚肉と鶏肉の合い挽きでパン粉が入ってる。ハンバーグに近い感じですね。おいしいです。ビール欲しいなー。
ビールほしいですね。でも、昼間っからいいんですか?
さすがに昼間からビールはね。仕事ですし。
あーあ
うめー
「菅商店」のシュウマイ
・鶏肉が入っているので、すこしあっさりしている。
・パン粉のおかげか、すこしホクホク感がある。
・ビールが欲しくなった。
・うまい。
・鶏肉が入っているので、すこしあっさりしている。
・パン粉のおかげか、すこしホクホク感がある。
・ビールが欲しくなった。
・うまい。
「幸軒」のシュウマイ
でかい
幸軒、とにかくでかいんですが、それよりも、その形の自由奔放さがすごいですね。
これ、さっき観察してておもったんですが、完全に皮をあきらめてますよね。かたまりとしてのシュウマイ。
キュビズムですね。
幸軒のシュウマイ、口に入れると脂と肉がしっかりしてますね、さっきの菅商店にくらべるとガツンとしてます。シュウマイの味をシュウマイたらしめているものなんなんだろう? 中華だしとか入ってるのかな?
どうでしょう……ただ、甘みもすごくないですか?
甘いですね……砂糖はいってるのかな? シュウマイのレシピって一般的に砂糖入れるのかな? (スマホで調べる)入れることもあるのか。
幸軒の原材料はちょっとわからないのでなんともいえませんけれども。甘みはしっかりしてますね。
ガツンとした味だから、ビールがあうな
「幸軒」のシュウマイ
・皮をあきらめている。形がキュビズム。
・肉の存在感がある。甘みがすこし強め。
・脂の旨味もしっかりある。ガツンとくる味。
・ビールにあう。
・うまい
・皮をあきらめている。形がキュビズム。
・肉の存在感がある。甘みがすこし強め。
・脂の旨味もしっかりある。ガツンとくる味。
・ビールにあう。
・うまい
「やじ満」のシュウマイ
赤みがつよくてみるからにうまそう
やじ満。割ってみると、まじりっけ無く肉って感じしますね。
やじ満は、豚肉と玉ねぎ以外は使ってないってうたってましたから、そうなんでしょうね。
食べてみましょう……ん! これは、ジューシーだぞ! 甘くない、しょっぱい。う、うめー。これは、うまいものだ。
わー、ほんとにうまい。ちゃんとしょっぱくてうまみが濃い。うっかり忘れてましたが、やじ満のシュウマイ、うまいなあ。
幸軒と菅商店はおやつ的なうまさがありましたけど、やじ満のシュウマイはもう、ただうまいものだ。同じシュウマイでもこんなに味が違うのか……。
食べ比べて、はじめてわかるシュウマイの味……。やじ満のシュウマイ、あとからコクがきますね。
コクきたね、コクきた。ここにきてジューシーですし、うめー。
これ、もう、ただ、ただ、うまいですね……。
これ、もう、ただ、ただ、うまいですね……。
やじ満のシュウマイは、ただただ「うまいもの」だ!
「やじ満」のシュウマイ
・しょっぱくてうまみがある。つまり「うまい」。
・あとからコクがくる。
・ジューシーでうまい。
・ビールがあう。
・ただただうまいものだ。
・しょっぱくてうまみがある。つまり「うまい」。
・あとからコクがくる。
・ジューシーでうまい。
・ビールがあう。
・ただただうまいものだ。
「ふぢの」のシュウマイ
ふぢののシュウマイはどんな味かなー
割ってみてみると、そのシュウマイがもつポテンシャルがわかる気がしませんか? やじ満のやつなんか中もすごいうまそうでしたもん。で、ふぢのは玉ねぎの粒が大きいね。
野菜の粒が大きいふぢののシュウマイ
ふぢの食べてみましょう。……うん、ふつうだ。
安心できるうまさですね。薬味というか玉ねぎや生姜の風味がきいてますね。
これ、つなぎ入ってるのかなぁ。今調べたら、シュウマイは片栗粉を入れることが多いらしいですね。その風味かなあ。
あじはけっこうたんぱくで、菅商店に近い感じですね。そんなに甘みはない。
これ、どんな肉使ってるんだろう。
豚肉じゃないですか?
部位、部位。部位ですよ。
あ、豚肉の部位ですね。なんだろう、豚ひき肉ってどこの肉を使うんでしょうかね。
そういえば……。なんなんでしょうね。
「ふぢの」のシュウマイ
・ホクホク感がある。菅商店のシュウマイに近い。
・生姜や玉ねぎの風味が効いている。
・安心できるうまさ。普通にうまい。
・ビールに合うぞ。
・うまい。
・ホクホク感がある。菅商店のシュウマイに近い。
・生姜や玉ねぎの風味が効いている。
・安心できるうまさ。普通にうまい。
・ビールに合うぞ。
・うまい。
安心できるうまさ
築地では、シュウマイをソース(ウスターソース)で食べる文化がある。この表で、ホクホクに近いシュウマイをソースで食べると、完全にハンバーグ味になる。ぜひ試してみて欲しい
築地のシュウマイ、フォーエバー
以上、築地のシュウマイ4つを食べ比べてみた。
世の中は、なぜかギョウザ、ギョウザとギョウザばかりをもてはやす風潮があるけれど、シュウマイも十分うまいではないか。ということを訴えたい。
とくに、築地はそれぞれ個性的な味のシュウマイを食べ比べることができる。
ちなみに、場内にある「ふぢの」「やじ満」は、もし市場が豊洲に移転した場合、店舗が豊洲に移転してしまう予定だ。
さいわいにも、市場の移転が延期されたので、4つのシュウマイを「築地」で食べ比べることができる時間もすこし伸びた。しかし、今後、豊洲への移転がどうなるかわからないので、行くならば今のうちだ。
世の中は、なぜかギョウザ、ギョウザとギョウザばかりをもてはやす風潮があるけれど、シュウマイも十分うまいではないか。ということを訴えたい。
とくに、築地はそれぞれ個性的な味のシュウマイを食べ比べることができる。
ちなみに、場内にある「ふぢの」「やじ満」は、もし市場が豊洲に移転した場合、店舗が豊洲に移転してしまう予定だ。
さいわいにも、市場の移転が延期されたので、4つのシュウマイを「築地」で食べ比べることができる時間もすこし伸びた。しかし、今後、豊洲への移転がどうなるかわからないので、行くならば今のうちだ。