特集 2016年7月15日

一戸から九戸まで「へ」を全て巡る

一戸から九戸を巡ります!
一戸から九戸を巡ります!
岩手県と青森県に1から9までの「へ」が存在する。漢字で書くと「戸」である。一戸、二戸、三戸、五戸、六戸、七戸、八戸、九戸という地名があるのだ。ちなみに四戸はない。

そんな「戸」には何か違いがあるのだろうか。あるいは「戸」に住む人は、違う「戸」にライバル意識があるのだろうか。ということで、実際に一戸から九戸までを巡ってみようと思う。
1985年福岡生まれ。思い立ったが吉日で行動しています。地味なファッションと言われることが多いので、派手なメガネを買おうと思っています。(動画インタビュー)

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へのある街

たとえば午前1時と午前9時では、明るさや街の活気などが異なる。1歳と9歳もやはり成長具合が全然違う。数字が違うと全く違う印象を受けるのだ。数字により様々な変化があるのだ。
3歳と30歳も全然違う
3歳と30歳も全然違う
では、街はどうなのだろう。一の街と九の街では違うのだろうか。そんなことを思っていたら丁度良いものが存在した。一戸から九戸だ。岩手と青森あたりに存在する地域で、一から九までが存在する。ぜひ回って、数字による街の違いを観察しようと思う。
ということで、全てを巡ります!

パンの街「一戸」

まずは一戸を訪れた。一戸は岩手県にある。厳密に書くと「岩手県二戸郡一戸町」。二戸郡に一戸があるのだ。桜がバラ科みたいなことだと思う。ただ一戸に二戸の風は感じなかった。一戸という表記がいっぱいだからだ。
一戸町役場
一戸町役場
町章
町章
町のキャッチコピーは「白と緑のエッセイ」。オシャレである。青山辺りの本屋で売っていそうなエッセイだ。いわて銀河鉄道が走っており「一戸駅」もある。現在は工事中だったけれど、駅にはコンビニもあった。
一戸駅
一戸駅
駅前の通り
駅前の通り
一戸名物の「かりんとう」
一戸名物の「かりんとう」
一戸は「一野辺製パン」の本社工場もある。パンの街と言ってもいいかもしれない。一野辺製パンは一戸だけではなく、青森や岩手のスーパーに行けば普通に売っているパンだ。一戸には本社工場もあるので直売場もある。イナリとかも売っていてパンだけじゃないと知った。
直売所
直売所
いろんなパンもあるけど、
いろんなパンもあるけど、
パン以外もあった
パン以外もあった

九戸城があるぞ「「二戸」

一戸を後にして二戸に向かった。二戸も岩手県だ。一戸と違い二戸は「市」。二戸市なのだ。街に出るとお店も多く、人も多かった。二戸駅は新幹線が停まる駅だ。大きいのだ。一より二の方が大きいように二戸もまたそうなのだ。
二戸市役所!
二戸市役所!
市章
市章
駅も大きい
駅も大きい
二戸には城跡もある。「九戸城跡」。ちょっと待って、となる。ごちゃごちゃで吐いちゃいそうだ。一戸は二戸郡にあり、九戸城跡は二戸にあるのだ。数字がごちゃごちゃである。でも、あるのだから仕方がない。
二戸にある九戸城跡
二戸にある九戸城跡
広い!
広い!
九戸城については次のページでおそらく謎が解ける。また二戸は短角牛の生産も盛んだ。牛なのだ。美味しいやつだ。街を歩けば短角牛の文字が躍っていた。一戸はかりんとうとパン、二戸は牛。それぞれに名物があるのだ。値段も異なるのだ。
短角牛!
短角牛!
お金がなかったので食べずに、次に行きます!
お金がなかったので食べずに、次に行きます!

11ぴきのねこ「三戸」

三戸にやってきた。三戸からは青森県となる。青森県三戸郡三戸町。分かりやすい。三戸郡で三戸町だ。数学が苦手だったので、二戸郡一戸町とか、二戸市に九戸城となると戸惑うけれど、三戸郡三戸町は実にわかりやすい。
三戸町役場
三戸町役場
町章
町章
役場が綺麗だ。これが岩手と青森の違いなのだろうか。三戸は絵本「11ぴきのねこ」の著者「馬場のぼる」さんの生まれた場所で、11ぴきのねこで街作りをしているようだ。街のあちこちに11ぴきのねこの銅像があるのだ。
こういうのがたくさんある!
こういうのがたくさんある!
街並みは古く、昔は城下町だったんだろうな、と感じる。それは正解で三戸城跡も存在する。やっぱり分かりやすい。三戸に三戸城があるのだ。安心感がある。また三戸は「串もち」が名物らしい。おそらくビーフンと同じレベルの日常の食べ物だと思われる。
串もちがビーフンと同じ並びにあった
串もちがビーフンと同じ並びにあった
三戸駅もある(青い森鉄道の駅)
三戸駅もある(青い森鉄道の駅)

南部鉄道があったぞ「五戸」

順番的には次は「四戸」ということになる。ただこれがないのだ。歴史的には「あった」という説が有力だけれど、今はなく、またどこにあったのかも定かではない。ただ一戸から順番に回っている私としては、ラッキーだった。夕暮れが迫っているのだ。
ということで、五戸町役場です!
ということで、五戸町役場です!
町章
町章
青森は分かりやすいと思っていたけれど、ここに来てややこしさが戻ってきた。五戸は「青森県三戸郡五戸町」なのだ。もっとも三戸駅も三戸郡にはあるけれど、三戸町ではなく、南部町にある。数学で「x」の存在が出てきた時、こんな気持ちだった。
そして、五戸駅は、
そして、五戸駅は、
バス停です!
バス停です!
五戸には「五戸駅前」というバス停が存在するけれど、鉄道の駅はない。かつて五戸には八戸まで「南部鉄道」が走っていた。ただ1969年に廃止となり、現在は南部鉄道は南部バスとして、バス専業の会社となっている。
かつては駅があった
かつては駅があった
街自体も大きく、イメージ的には祖母の家ではなく、実家のある街に近い感じの規模だった。スーパーではマグロの解体ショーをしていた。海のない五戸で。そこは青森の血なのかもしれない。大間があるから。そのマグロは境港のマグロだったけれど。
マグロの解体ショーをしていた
マグロの解体ショーをしていた

十和田観光電鉄線があったぞ「六戸」

五戸を巡っている時に、日が落ちたので、次の日に「六戸」に向かった。六戸もまた青森県だ。青森県上北郡六戸町。数字が途中に入っていないのでわかりやすい。ニンニクの生産が盛んな街だ。
六戸町役場
六戸町役場
町章
町章
もちろん季節的なこともあるけれど、緑の濃い街に感じた。ニンニク畑の横を通れば、丁度収穫時期だったので作業をしており、ニンニクの匂いが立ち込めていた。そして、六戸にもかつては鉄道が走っていた。
七百駅
七百駅
2012年に廃線となった「十和田観光電鉄線」。六戸駅こそないが、六戸町には5つの駅が存在した。上記の写真はその一つである「七百駅」だ。今ではロープが張られ、立ち入り禁止となっているが、一部は今も線路が残っている。
まだ線路が残る場所もある
まだ線路が残る場所もある
全ての街で「同じ戸として他の戸には負けたくないぞ、みたいなのありますか?」と聞いているのだけれど、全員が「ない」と答えている。ライバル意識はないのかもしれない。数字は実は関係ないのかもしれない。
にんにくが有名なのでアイスにもなっている
にんにくが有名なのでアイスにもなっている

南部縦貫鉄道線があったぞ「七戸」

次は「七戸」である。青森県上北郡七戸町。六戸町と同じく上北郡にある街だ。ここはかつて日本ダービーを制した競走馬を出した「盛田牧場」があった場所だ。「戸」は牧野という意味もあるらしく、大きく見れば、馬産に関係することなのだ。
七戸町役場に来ました!
七戸町役場に来ました!
町章
町章
七戸にもかつては「七戸駅」が存在した。南部縦貫鉄道線が走っていたのだ。ただ2002年に廃止となっている。五戸、六戸、七戸と連続で駅がなくなっている。ただ七戸駅はまだ残っており、見学できるようだった。
七戸駅
七戸駅
雰囲気がいいですね!
雰囲気がいいですね!
新しい駅もあるけどね!
新しい駅もあるけどね!
七戸駅はないけれど、2010年に「七戸十和田駅」が誕生している。七戸駅と比べると、近代化を存分に感じることができる。七戸駅を見てから七戸十和田駅を見ると、未来に来たな! という感じがするのだ。
七戸もまた、緑豊か(旧盛田牧場)
七戸もまた、緑豊か(旧盛田牧場)

「へ」シリーズの最大の「八戸」

続いては「八戸」である。「へ」シリーズでは誰もが聞いたことがあるのが、「八戸」なのではないだろうか。青森を代表する都市だ。2017年からは大都市制度の一つである「中核市」。つまり大きいのだ。
八戸市役所
八戸市役所
市章
市章
市章もグーグルマップみたいだもの。市役所も大きい。もうなんでもあるで間違いない。イオンもあるし、商店街もあるし、海もある。駅も八戸駅と本八戸駅がある。八戸駅は大きくやっぱり近未来的だ。
八戸駅
八戸駅
また「せんべい汁」という名物もある。街も大きく、駅も大きく、人口も多く、さらに名物まであるのだ。「へ」シリーズでは八戸が頭ひとつ抜けているように思える。生活するには便利だろう。八という末広がりな感じがいいのかもしれない。
せんべい汁が有名ですよ!
せんべい汁が有名ですよ!

全ての「へ」がライバルだ「九戸」

いよいよ「へ」シリーズのラスト「九戸」である。ここでまた岩手県に戻る。岩手県九戸郡九戸村。一戸、二戸、九戸が岩手県にあり、その他の「戸」は青森県にあるのだ。そして、九戸は「へ」シリーズ、唯一の「村」である。
九戸村役場
九戸村役場
村章
村章
この九戸こそ戦国武将「九戸政実」の生まれた場所だ。この人が二戸に九戸城を作ったのだ。つまり九戸村で生まれた九戸氏が二戸市に九戸城を築城したわけだ。より分かりにくく書くと、九戸の九戸が二戸に九戸城を作ったということになる。
九戸政実の誕生の地です!
九戸政実の誕生の地です!
九戸の人に聞いた。「ほかの戸にライバル意識とかありますか?」と。今までの「戸」の人は口を揃えてそんなのはない、と言っていた。ただ九戸は違った。「一戸、二戸は同じ岩手として負けられない。八戸のせんべい汁も、もともと岩手だからね」と。全力じゃないか。ライバル意識が強いようだ。
九戸は「あま茶」が有名です!
九戸は「あま茶」が有名です!
また「へ」シリーズで唯一、鉄道が走ったことがないのが九戸だ。廃線とかではなく、地主調べだけれど、そもそもないのだ。そんな九戸がライバル心を持っていることが嬉しい。九戸政実は無念に散ったけれど、今こそ立ち上がるべきなのだ。
おもしろ館もあったけれど、大人向けだった
おもしろ館もあったけれど、大人向けだった

まとめます!

一戸から九戸までを全て回った。へとへとである。隣り合っているけれど、全部回ると遠いのだ。街の規模としては八戸が大きかったけれど、九戸の志も好きだった。ただ一番好きだったのは三戸である。
理由は三戸大神宮
理由は三戸大神宮
三戸に「三戸大神宮」というものがあって、ここに青森県公認のパワースポット「思案の石」が隅っこにぽつんと存在する。これに座ると願いが叶うと言われていると説明書きにあった。
思案の石
思案の石
別にこれはどうでもいい。パワースポットに興味がないから。ただ座り方の例みたいな写真があって、ここに写っている女性が大変私の好みでして、三戸が一番いい、ということになりました。
好み!
好み!

「へ」シリーズ

一戸から九戸までを巡ったけれど、どこもそれぞれに魅力があった気がするし、被っているだろ、というのもあった。青森の「へ」はにんにくが名産というのが多かったのだ。ただ九戸を除き、数字はあまり気にしていないようだった。数字なんてどうでもいいのだ。
数字を押し出してはいるんだけどね!
数字を押し出してはいるんだけどね!
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