特集 2016年5月30日

60円の稲庭うどんはペペロンチーノ味だった

これが60円の稲庭うどんだ!まさかのペペロンチーノ味!
これが60円の稲庭うどんだ!まさかのペペロンチーノ味!
地方在住の友人から、「東京の小金井市に60円の稲庭うどんがあるらしいから確認してきて~」というメールをもらった。

稲庭うどんといえば、秋田が誇る高級手延べうどん。600円でも安いくらいなのに60円とはどういうことだと食べにいったら、まさかのペペロンチーノ味だった。
趣味は食材採取とそれを使った冒険スペクタクル料理。週に一度はなにかを捕まえて食べるようにしている。最近は製麺機を使った麺作りが趣味。

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小金井市の駄菓子屋「こまち」にあるらしい

60円の稲庭うどんが食べられるのは、東京都小金井市にある『こまち』という駄菓子屋さん。

路線検索で小金井駅を目的地にセットして、あやうく栃木県へと向かいそうになった。こまちの最寄駅は武蔵小金井が正解だ。

同行いただいたのは、『足立区に40円のラーメンを食べにいく』で案内をしてくれた友人のスズキナオさん。今度は私が60円の稲庭うどんを教える番だ。
このために大阪からやってきたといっても過言ではないと言い張るスズキナオさん。
このために大阪からやってきたといっても過言ではないと言い張るスズキナオさん。
武蔵小金井駅の北口を出て、FC東京のフラッグが続く道をゆっくり歩いて約10分。お目当てのこまちへと到着。

駄菓子屋のノボリが出ているけれど、稲庭うどん屋っぽさのほうが強く出ている。駄菓子屋という事前情報だが、だがしかしである(駄菓子だけに)。

本当にここで60円のうどんは食べられるのだろうか。
「今日は僕におごりますから!」と先を行くスズキナオさん。
「今日は僕におごりますから!」と先を行くスズキナオさん。
やっぱり600円の間違いだったのではという疑惑が浮上する店構え。
やっぱり600円の間違いだったのではという疑惑が浮上する店構え。
駄菓子屋っていっても、バター餅とか煎餅とかのことだろうか。
駄菓子屋っていっても、バター餅とか煎餅とかのことだろうか。

稲庭うどんは冬季限定メニューだった!

首をひねりながら店に入ると、店内はなるほど確かに駄菓子屋さんだった。子供の頃によく買ったガムやチョコが、あの頃とほぼ変わらない値段で売られている。

だがしかし(二度目)、肝心の稲庭うどんが売られていない。乾麺の状態ではあるのだが、イートインのメニューがない。やはりガセ情報だったのか。
真ん中のテーブルはイートインスペースなのだろうが、ここで食べるべき稲庭うどんが売られていない。
真ん中のテーブルはイートインスペースなのだろうが、ここで食べるべき稲庭うどんが売られていない。
どうしたもんかと店主の中山薫治郎さんに話を伺ったところ、60円の稲庭うどんは確かにあるのだが、冬季限定メニューなので今はやっていないという答えが返ってきた。ガーン。

どうやら近日スタートする夏季限定のカキ氷との狭間のタイミングに来てしまったようだ。

60円の稲庭うどん、実在するけれど今は食べられないという、なぞなぞみたいな結論である。
先週までは確かにやっていたんだけどと語る店主の中山薫治郎さん。
先週までは確かにやっていたんだけどと語る店主の中山薫治郎さん。
まあせっかくここまで来たんだからと駄菓子を食べながらちょっと雑談など。記事後半の伏線なので読んでおいていただけると幸いです。

現在も都内に残っている駄菓子屋といえば、おじいさんやおばあさんが昔からの持ち家で、趣味みたいな感じでやっているイメージだが、このこまちという店は2009年にオープンしたばかりの新規参入組。賃貸なので毎月の家賃を払って、この駄菓子屋を経営をしている。
駄菓子屋での買い物は子供にとってお金を大切に使う訓練。電子マネーで会計できるようにしてくれという要望は、「そんなのに慣れたら大人になってからカード破産するよ!」と断ったそうだ。
駄菓子屋での買い物は子供にとってお金を大切に使う訓練。電子マネーで会計できるようにしてくれという要望は、「そんなのに慣れたら大人になってからカード破産するよ!」と断ったそうだ。
秋田県横手市出身の中山さんは中学校を卒業後、集団就職で上京し、ケーキに乗せる砂糖菓子を作るメーカーに勤め、その後に独立、廃業、アルバイト生活など、なんやかんやあってこの地に駄菓子屋をオープン。

「人と違うことをやらなければいけない」という強い信念の元、閉店していく駄菓子屋が多い中で、あえての新規参入である。

駄菓子屋なんて儲からないでしょとたくさんの人から言われているそうだが、実際に儲かる商売ではないらしい。そりゃ客単価が100円とかの世界で家賃を払おうとしたら大変だろう。
Jリーグガムかと思ったら、リーグリーグガムという衝撃。
Jリーグガムかと思ったら、リーグリーグガムという衝撃。
本当に儲ける気があるのだろうか。
本当に儲ける気があるのだろうか。
子供達はここでお金の使い方、他校生との付き合い、ギャンブルにおける確率計算などを学んでいく。ちなみにこれは中に切手が入っていて、そのおまけとしてクジが付いているらしい。
子供達はここでお金の使い方、他校生との付き合い、ギャンブルにおける確率計算などを学んでいく。ちなみにこれは中に切手が入っていて、そのおまけとしてクジが付いているらしい。
駄菓子以外にも郷土である秋田県の名産品や野菜なの販売もしていて、駄菓子目当ての子供を連れた保護者達が、単価の高いこれらの商品を買いリピーターになることで、何とかやっていけているのだとか。

午前中は近所の年寄りがお茶を飲みにきて、夕方になれば子供が駄菓子を買いに来る。この駄菓子屋は、地域社会の活性化、住民同士の交流促進の場であり、郷土である横手市との懸け橋になるのだと中山さんは熱く語る。詳しくは中山さんが理事長を務めるNPO法人ハーモニー協会のサイトにて。
秋田県のお菓子や漬物なども販売中。マツコ・デラックスさんがテレビで紹介したことで、バター餅がよく売れているそうです。
秋田県のお菓子や漬物なども販売中。マツコ・デラックスさんがテレビで紹介したことで、バター餅がよく売れているそうです。
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