2008年の衝撃
もう8年も前だ。職場の下にあった某コンビニチェーンで、お昼ご飯にサンドイッチを買った。確かあのチェーンである。今は亡き『午前午後』。
これを食べて午後も頑張るぞーって思ったのに、なんか食べ応えがない。サンドイッチっていうか、ただの食パン?
一切れ食べて変だと思ったので開いて見たらこの有様だった。
スッカスカ。思わず写真を撮ってしまった。
三切れ入って220円。値段を考えれば仕方ないのかも知れないが、さすがにこれはいかがなものだろう。
あの時の衝撃は忘れられず、具が無いサンドイッチを『悲惨ドイッチ』と名付けて写真を撮るようになった。
次の写真はスタ、ゲフンゲフン、某コーヒーショップのサンドイッチだ。
グレインブレッドチキンサラダ400円。名前シールがやけにデカイのがポイントである。
400円でこの悲惨ドイッチぶり。
二切れ入っていて、こっちもなかなかすごい。
そして同じコーヒーショップで買った別のサンドイッチ。これも二切れで400円くらい。
これはまだマシな方だと思う。ハムは尻尾まで入ってるし。チーズとレタスはしょぼいけど。
スカスカ部分の面積が大きい。充填率は40%程度か。
大体400円くらいするやつの片割れ。
どうも、コーヒーチェーンのサンドイッチは総じて悲惨ドッチである。一見おいしそうに見えるのだが、開いて見るとスッカスカなのだ。値段は高いのに。
Tの悲惨ドイッチ。どういうつもりなのか問い詰めたい。
次の写真はまた別のコーヒーチェーンのやつ。お店で調理するサンドイッチはおいしいんだけど、パックになってるサンドイッチはなかなかひどかった。
Dのやつ。このやる気の無さはどうだ。
サンドイッチが嫌いになりそうである。
これらを踏まえて、今回はコンビで売られているサンドイッチを開いて中身を改めたいと思う。
開いてやる!
コンビニの食べ物について書くのが新鮮
以前、某雑誌に食べ比べの連載を書いていた頃、コンビニの食べ物についてはアンタッチャブルだった。雑誌の販路としてコンビニは非常に重要で、機嫌を損ねて扱ってもらえなくなると大変だからだ。
しかしここはインターネット。気兼ねなく好き勝手書かせていただきたい。
すごくおいしそう。
セブンイレブンから始めようか
コンビニ業界最大手、セブンイレブンのサンドイッチを適当に買って来た。まず、どれもフェイス(断面を正面から見たところ)が美しい。色鮮やかで食欲をそそる。
でも、どうせ開いたらスッカスカに違いないのだ。
たまごサンドからいこうか。こだわりって言いつつ198円だ。前ページの悲惨ドイッチが220円なのでこっちの方が安い。
断面はみっちり詰っているように見えるが、開いたらどうだろう。
ご開帳
そしてついに中身が晒される。どうだ、これがコンビニサンドイッチの真実だ!
かなりしっかり入ってた。
お尻(直角の部分)までは詰まってないけど、かなり多めのたまごサラダがしっかり詰まっていた。十分なボリュームがあり食べ応えもある。
なかなかやるじゃん。じゃ、次。
ザク切りキャベツのサラダサンド。要はコールスローが入ったハムサンドである。
またこいつのフェイスが良い。ハムがうねうねと波打ち、中世貴婦人のスカートを思わせる。
でもどうせ見た目だけだろ、このうねうね野郎!
ハムのたたみ方なんて、もはや芸術である。
3つ目はミックスサンド。税込み250円である。前のページの最強悲惨ドイッチが220円なので値段は同じくらい。
このボリュームでこの価格。期待できない。どうせ悲惨ドイッチだろう?
セブンイレブンのサンドイッチは、どれもフェイスが美しい。
肝心の中身であるが、これが結構詰まっていた。お尻は若干空いているが、値段とボリュームを考えたら妥当以上だろう。
ハムに注目すると確かに断面対応はされているが、レタスやツナなどの具はたっぷり。十分だろう。
そして最近流行のフルーツサンド。苺の断面が可愛らしい。でも中身はスッカスカにちがいない。
たっぷりカスタードのいちごサンド。298円。
溢れるイチゴ
これまでのサンドイッチは自立出来たが、これはクリームとかイチゴが出てきちゃって無理だった。
つまり、詰まっているのだ。中身が。
ほとばしるイチゴ。
開いたら、カスタードクリームとホイップクリームと、イチゴがもう半分入ってた。こいつぁすげぇ。
二切れのサンドイッチで、イチゴを4個使っていることになり、すごい。
残念ながら、セブンイレブンのサンドイッチに悲惨ドイッチはなかった。
悔しいので、ローソン、ファミリーマート、ミニストップ、サンクスについても調査しました(勝手に)。
ローソン
まだ写真が50枚以上残っている。ここからはガンガン飛ばしていこう。
ローソンからはこの3種類をエントリー。
ポテトサラダ。220円。
大きめのジャガイモがゴロゴロ入っている。
しっかり入ってた。マージンはあるが、たっぷりのポテサラを広げればけっこうな充填率になろう。
ボリュームミックス。268円。
レタス、ハム、ポテサラ、ゆで玉子、たまご、ハムカツという充実ぶり。これは小さなブッフェだ。
しかもハムやハムカツ、たまごが尻尾まで几帳面に詰まっている。すごい。
サラダハム。220円。1ページ目の悲惨ドイッチと同額である。消費税を考えたらむしろ安い。
真ん中のハムたまごを挟む両脇のハムサラダサンド。
ハムサラダとたまごは詰まっていたが、ハムについては薄めで断面対応だった。ただ、値段を考えたら十分及第点。
見た目も味も食べ応えも価格も、どれを取っても悪くない。
ハムサラダはカラシマヨ入りで大人な味。夏の午後に冷えた白ワインを飲みながら食べるといいんじゃないでしょうか。
最近見つけた安旨ワイン。チリのPuda(プダ)。赤も白も総じておいしい。イオンで買えます。734円。
ローソンストア100
最近やけに多い100円ローソン。入ってみたらサンドイッチがあったので買ってみた。
トンカツが108円、たまごツナが162円だった。カツサンド108円ってマジかよ。
たまごサンドとツナサンド。162円は十分すぎるほど安い。
フェイスはいい。爽やか系である。
最初から期待してなかったが、意外にたまごが詰まっていた。ツナは材料原価が高いから仕方ないだろう。断面対応だが、それでも良心的な量だと思う。
トンカツサンドが108円って驚異的だ。
トンカツが意外に厚い。
『トンカツ』の断面をよく見ると、1枚肉って感じではない。メンチカツっぽいというかミルカツ的というか。原材料名を見ると『トンカツ』って書かれていて、かなり謎な存在である。
たまごが断面対応で少なめ。値段やトンカツを考えると仕方ない。悲惨ドイッチにはまだまだ届かない。
『トンカツ』については、食べるほどに謎だった。1枚肉ではないので見た目はトンカツらしくないが、食べると脳が『トンカツ』って判断するのだ。目を瞑って食べればそれなりにカツサンドだ。
面白いし安いのでみなさん買って食べてみてください。ローソンストア100のサンドイッチは、値段を考えたら十分頑張っていると思います。
ファミリーマート
結論から書いてしまうと、『サンドイッチお尻選手権』なんてのがあったとしたら、ファミマの『ローストチキンとベーコン』が優勝である。
ファミマからは3選手をエントリー。
基本っぽいハムチーズたまご選手。220円。
フェイスを見るとハムの積層がチラ見えしておいしそうだ。
開くと、積層ハムが断面対応だとバレてしまった。
でも220円である。このハムが一口目の満足感を高めるし、全体のバランスはむしろいい。全部こんなハムだらけだと疲れる。
真打ち『ローストチキンとベーコン』280円の登場だ。
二切れで280円なので、一つ140円の計算。
フェイスを見ると肉のボリュームがすごい。だが、こんなんで何度も騙されてきたのだ。開けてみるまで判らない。
ちゃんと詰まってた。
特筆すべきはお尻に詰まったマヨソースだ。単なるマヨネーズではなく、爽やかな酸味で、肉の重さを中和してくれる。牛丼に対する紅ショウガみたいな存在だ。
お尻にこんな清涼剤を仕込んでくるのは発明だと思う。
ファミマの発明なのかは知らんが、このマヨソースがいい。
『ファミマプレミアムサンド』を冠するたまごとハム。320円。
ローストチキンとベーコンと比べて地味なフェイスである。
開けてみても地味だった。ハムの枚数とたたみ方はすごいが、ローストチキンとベーコンより高いんだからもうちょい頑張って欲しい。
パンが柔らかくて耳までおいしいと書かれているが、そこまでの差は感じなかったし、耳はやっぱり邪魔だった。
ファミマ部門(え?)では『ローストチキンとベーコン』を優勝としたいと思います。あのマヨソースは素晴らしい。
ミニストップとサンクス、あとオマケは次のページへ続く。
お腹いっぱいなので2種類にしました。
ツナとたまごサンド。198円。
オーソドックスなフェイス。
真面目です。
ここまでしっかりお尻まで詰められるもんなんだなぁ、という印象である。やるじゃん、ミニストップ。
もりもりサンド ハムチーズ。298円。割と高い。
チーズ、ハム、チーズ、ハム、チーズ。チェダーチーズがやけにうまい。
まぁまぁこんなもんかって中身。
ツナたまごはしっかりお尻まで入っていてエライしおいしい。ハムチーズは、見た目はパッとしないがハムもチーズもいいものを使ってるっぽく、特にチーズがおいしかった。
サンクス
最後はサンクス。最近近所のサンクスが軒並みローソンに変わっちゃって、探すの苦労しました。
この2種類をエントリー。どちらも安い気がする。
ミックスサンド、258円。
ゆでたまごがミチミチすぎてヤバイ。
ツナやたまごは他のコンビニ同様しっかり詰まっているが、ハムをよく見ると断面対応である。
みごとに細切りのハムが断面に沿って配置されている。でもチーズはそこそこ頑張っている。
確かにハムは断面対応の小ささだが、大きなゆでたまごとかチーズとかを考えると仕方ないとも思える。値段も安いし。
どのコンビニも『ツナ』と書いているが、サンクスだけは『シーチキン』と書いてある。はごろもフーズのシーチキンを使っているという事だ。
安心感のある、具が厚いフェイスだ。長年連れ添った夫婦のような安定感。
すごい。『具材充填選手権』があったら優勝候補だ。
サンクスの『シーチキンとたまごサンド』は具材の量がすごくて値段も安めなので、今後普通に食べたい。ミックスサンドはもう一息。
それでも悲惨ドイッチと呼ぶにはリッチすぎた。
悲惨ドイッチが無いから作る
結果として、現在のコンビニのサンドイッチに悲惨ドイッチはなかった。今時は悲惨ドイッチなんて売ろうものならSNSでバカにされるからだろうか。
無いものは仕方ないので、自分で作る事にした。
切ったときに見栄えが良くなるようにトマトとレタスを並べます。
対角線に具を並べてサンド。切ります。
ほら、いいフェイスでしょう。
これをラップで覆い、フェイスを下にしてトントンと揃えると、具がきれいに並ぶ。
400円くらい取れそうだろう。まさかこれが悲惨ドイッチとはね!
悪意を感じるスカスカ具合。
ところで
撮影後、食べきれなかったサンドイッチは持ち帰ってホットサンドにして食べました。
コンビニのサンドイッチでホットサンドをするととてもおいしい。
おすすめです!
最近のコンビニのサンドイッチがすごい
2010年前後に何度も悲惨ドイッチを食べたせいで、外でサンドイッチを食べるのが嫌になってしまい、すっかり食べなくなっていた。
だが、こうしてコンビニサンドイッチを調べてみると、どれもおいしくてボリューミー。悪くない。小学生のころの自分に食べさせてあげたい。
そんなサンドイッチを気軽にどこでも買える今の子供が羨ましい。いいなぁ!今の子供!!