時間はここから15分ほど遡る。
まずはケガをつくろう
止血の前にまずは流血!という訳で、ここは在庫処分も兼ねて、フタにこびりついた部分もカッピカピになった、賞味期限切れのケチャップを持ってきた。
私 「本当にいい?」
友人「はい」
私 「ケチャップだよ?」
友人「いいですよ!」
私 「では…失礼します!」
なんだこの背徳感。
頼んでおきながら俺ビビってる、この背徳感に俺超ビビってる。これまでも、そしてこれからも、女の子のヒザにケチャップを落とすという機会は二度と訪れないだろう。快諾してくれた友人にありがとうと言いたい、いや別に行為そのものはありがたくないけど。
それらしいのできた。
ふぉっ!
まったく破れない
ぐぎぎぎぎ…
うぬぬぬぅ…
はぁ~
せいっ!!
ひゅ~
あーっ!!
本当に、まったく破れない。
私 「ちょ、見てないで手伝って!」
もうひとりじゃ無理だから!
破った袖で止血する、この一連の動作で男らしさが採点されるとすれば、「手伝って」というセリフを吐いた時点でもう0点だろう。我ながら、止血する女の子に袖を破らせるなんて聞いたことがない。
でも、無理なものは無理だもの。シャツが意外に頑丈なのだ。そうだ、しまった!ベトナムは裁縫大国だということを忘れていた!伊達にユニクロの製品をつくっていない!
二人「うぐぐぐぐ!!」
二人の休日は過ぎてゆく。
もう無理だね、もう無理だ。
これだけは使いたくなかったが、友人と二人がかりで破ろうとした時点でメンツなんてものは崩壊している。
ハサミ、使います。
キレイな穴ができました。
せーのっ…
せいっ!
うぬぬぬぬ…!
バリッ!
全員「あっ」
ベリベリーッ!
バリバリッッ!
ビーーーーッ!
袖包帯、できた…!!
からの、冒頭の写真です。
これで、いかに情けない顛末だったかお分かりいただけたかと思います。
酒で消毒をしろとのことで…
今回の企画で「破った袖で止血したいです!」と伝えると、編集・古賀さんから「止血の前にブーッて口から酒吹きかけてください!」というリクエストがあった。分かるような、分からないような、そう言うならまぁ…ということでやったら、吐いてる人と怪我人みたいになりました。