少数精鋭で企画、運営されている百貨店催事
今回百貨店の催事について色々教えていただいたのはこちらの方。
若い方ですが、かなりのやり手。物産展を仕切っています。
西武池袋本店食品部物産展係の永津さんです。
百貨店の催事と言っても様々な物があります。最初に挙げた北海道展のような地方物産展。お中元、お歳暮シーズン、バレンタインの頃に行われるギフト関係の催事。服や化粧品などビューティー、コスメ関係の催事。多岐に渡ります。
永津さんはその中でも一番集客のある食品関係の物産展の担当となります。
月単位でこのぐらい催事が開催されている。年間通すとかなりの数。
永津さんによると、催事の種類により変わるものの、1つの催事には60ほどの店舗が出店します。担当毎に数人で連携して企画、運営することもありますが、その全てを担当1人で取り仕切る事もあるそうです。思った以上に少数精鋭で催事はとり行われているのです。
交渉は出店数の2、3倍にも
次に実際に催事がどのように企画、開催されていくか聞いてみました。
永津さんの係る「
全国味の逸品会」。この記事が掲載される4月25日は開催中。28日まで。
催事では北海道展のようにレギュラー化されて開催されているものと、新規に企画されて開催されるものがあり、その企画から準備、開催までには半年から1年かかるそうです。
蓬莱551の豚まんの実演販売。大人気。
どういう方向性で、どういうお客様に、どういう物を売りたいか。池袋なら西武池袋線、東武東上線、JRなど、西武池袋本店を利用する沿線住民の客層や年齢層を考え催事の企画を組んでいきます。
その地域の店舗毎に催事の種類や雰囲気は違うものになるのです。
和歌山パン工房カワのハンバーガー。塩分控えめの紀州梅干しとタルタルソースがよく合ってうまかった。
そして企画が決まり、出店店舗を決めていくのが大変な作業となります。60店ほどの店舗が出るとして、半分の30店舗ほどは今までの催事でも人気があり連続して出店してもらえている店がはいります。
見た目ラーメンだがケーキ。
イートインコーナーでは秋葉原 紫 くろ㐂の鴨そばが出ていました。
残り30店舗は新規開拓となりますが、これは一つ一つ担当者が直接交渉をすることになります。地域情報誌、新聞、ネットなど様々な情報源からこれはという店を探していきます。実際に取り寄せる、または実際食べに行くこともあります。
凄いサイズのいもけんぴ。
これはと思う店に連絡をとっていきますが、その数は多ければ100店舗近く。門前払いの所も多く、仮にある程度話を聞いてもらえても現場での調理や輸送など様々な問題で難色をしめされます。
食べられる花の入ったババロア。お土産に良さそうだ。
それらの問題に対し、輸送の手配や特殊機材の調達、現場での調理によるテストなどを繰り返し、店側と相談を重ね実際の出店に結びつけていくのです。
酒もある。常陸野ネストビール飲み比べ。
話を聞いていて、色々な意味で永津さんの胃が痛くならないか心配になります。
とはいえ、そんな苦労の甲斐もあって、人気の店では最大300人近い行列が出来、1日3、4000個の商品が売れるような事もあるのだとか。
カミ・デ・レス・ロケスエキストラバージンオリーブオイル。飲める美味しさ。編集部古賀さんは取材中終始テンション高めだった。
永津さんに催事を回るコツを聞いてみました。
「速足でもいいのでまず会場を1周回って全体を見てください。1周目だと目移りして疲れてしまう。1度見て何が何処にあるか違いが分かり、2周目でより楽しくなる。購入するなら2周目がおススメ。チラシやネットで情報を先に見ておくのも効果的です。」
催事で勝つには状況把握と情報が大切なようです。
昭和を知る文化発信的な催事
更に永津さんにちょっと変わった催事について聞いてみました。
昭和をテーマにした催事。4月29日から5月5日まで開催。
もうすぐ開催される「
昭和が来た!! うまし、なつかし昭和ホリデー」という催事。百貨店の催事というと、今流行の、今人気のと言った物が並ぶイメージですが、こちらの催事は昭和の時代に人気のあった食べ物や飲み物を始め、ステージでの演芸なども行われる一風変わったもの。
有名老舗洋食店の料理が各種イートインで食べられるそうです。(西武池袋本店NEWS RELEASEより)
永津さんによれば、昭和ホリデー展では、年配の世代には昭和を思い出してもらい、若い世代には昭和を知ってもらう楽しむ催事。文化的な意味合いの強い催事を目指しているそうです。
こういう赤や緑のが乗っているケーキあったなー。
催事はどこの百貨店でも開催されていて、同じような名前、同じ様な内容のものが増えています。そのような状況で、より独自性を出し、他の物産展とは差別化を図っていきたいと永津さんは言います。
20歳になる頃にはもう平成だったので、トリスや角は父親世代が飲んでいたイメージか。でも、なんとなく懐かしい。
「お店の名前ではなく、誰に、何を食べて、何を買ってもらいたいかを考え、西武の物産展は面白いよねと言ってもらいたい。」そんな想いがあるそうです。
10円ゲームも体験出来る。新幹線ゲームやったなあ。姫路あたりを超えるのが難しかったか?
確かに、昭和生まれの私としては、なかなか買えない人気のお菓子も気になりますが、懐かしの昭和菓子は逆に貴重で是非もう一度食べてみたい。かなり気になります。
小松政夫のトークショーも。しらけどり音頭とか小松の親分さんとかやってくれるのだろうか。
ただ美味しいものを買うというのではなく、催事そのものを楽しむ。
昔は百貨店というと屋上に小さな遊園地があったり、大きなレストランがあったり。買い物に行くだけでなく、色々楽しみに行くような場所だった記憶があります。
そういう催事が増えると、百貨店がまたそういう場所になるのかもしれません。
情報はネットでチェック
永津さんによると、最近は百貨店もネットでの情報発信に力を入れているそうです。写真や動画など、チラシでは伝わりきらない様々な情報をネットで伝えています。
お得情報などもネットでの配信が主になっているので、営業時間や代表電話を調べるなど以外に、各種イベント情報など小まめに見ておいた方がいいでしょう。
とりあえず、ゴールデンウィークはトリスか黄桜カッパラベルで崎陽軒の復刻シウマイ弁当か。赤や緑のフルーツケーキも気になるところだ。
買った物は
屋上の空中庭園でも食べられる。梅干し入りのハンバーガーうまいな。ビールに合う。