ギネス持ってる人に話が聞きたい
僕たちはいま1分間のハイタッチ数のギネス世界記録に挑戦しようとしている。
やりますよ!
いまある1分間の最多ハイタッチ記録を塗り替えるには(すでに記録があること自体ギネスのすごいところだ)260人以上の人の参加が必要なのだ。現在募集中なのだけれど、正直まだ足りていないので、みなさんぜひご協力お願いします(
詳しくはこちら)!
参加してくれる人を集めるだけでもこんなに大変なのに、それを一人で成し遂げたという人がいた。
ギネスホルダー酒部さん。
尻で歩いてギネスを取った人
酒部さんは100mを最も速く尻で歩いた人、というジャンルでギネス世界記録に認定されている。2009年に成し遂げたこの記録は、いまだ破られていない。
記録に挑戦した時の写真がこれだ。
確かに尻で歩いている。暗いのは「夕方しか競技場が借りられなかったから」らしい。
--ギネスに認定されるの、たいへんでしたか?
「そうですね。僕が尻歩きで申請をしたころは、まだギネスに日本法人がなかったのでイギリス本部とやりとりをしていたんです。英語がわからないのでネットで翻訳したりしながら、それはもうたいへんでしたね。」
わかる。
僕たちも今まさにギネスに申請しようと、ギネス・ワールド・レコーズ社の日本支社からガイドブックを取り寄せたり、認定員の人と打ち合わせをしたりと、いろいろ動いているのだけれど、これがイギリス本国とのやりとりとなると、その苦労は今の比ではないだろう。
--挑戦当日はどうでしたか?やっぱりたいへんでした?
「尻で100m歩くには12分くらいかかるんですが、そうすると現場に来てくれた先輩とかも途中で(これまだけっこうかかるな)って感じになってしまうんです。あの空気はけっこうつらかったですね。」
リアルな感想である。
そこまでして酒部さんを尻で歩かせたものはなんだったのか。
尻で歩くというジャンルを作った
--そもそも酒部さんはどうして尻で歩こうと思ったんですか。
「いきなり尻で歩いてギネスを取ろうとしたわけではないんです。他にもいくつか世界記録を取れそうなものを考えて申請していたんですが、たまたま申請が通ったのが尻歩きだったというわけです。」
そうだったのか。
「ほら、尻歩き以外にも」と酒部さんが申請を出したリストを見せてくれた。
ギネス世界記録を狙うには2種類の方法がある。
・すでに登録されている記録を塗り替える
・新しいジャンルを打ち立てる
酒部さんはまさに後者、新しいジャンルを自分で打ちたてようとしたわけだ。この場合、ルール作りからやらないといけないので既存の記録に挑戦するよりも申請時のハードルは高い。ただ当時は新規の記録は申請が通って実施できたらほぼ認定されていたのだとか(今は新規の記録にも最低ラインが設定されます)。
--他にはどんな記録を狙っていたんですか?
酒部さんが新しく申請を出したものいちらん。「逆さづりの状態でもっとも早くビッグマックセットを食べる」「最も遠くまでバナナの皮の上を滑る」など。
酒部さんは新しい記録を立ち上げるべく、次々と競技を考えてはギネスに申請を出したのだという。そして次々と却下された。
「基本的にルールとして標準化できないものは却下されてしまいます。あと他に似たようなジャンルがあればそちらを勧められたりもします。たとえば目隠しをして100m先にあるスイカをいかに早く割るか、という記録で挑戦できないかと申請したところ、それなら似たような記録があるからそっちで挑戦してくれと言われまして。」
--挑戦したんですか。
「いえ。勧められたのは頭突きでスイカをいくつ割れるか、という記録だったのでやめました。それは違うし痛いだろうな、と。」
--結果的に尻歩きが新しいジャンルとして認められ、酒部さんはギネス認定をとることができたわけですが、ギネスを取ってみてどうでした?景色が変わりました?
「それがですね」
酒部さんの表情が曇った
それがですね。
「職場の先輩とかも僕がギネス取ったことを知っていますから、飲み会とかに行ったら『こいつギネス持ってるんだぜ!』みたいにいじってもらえるかと思ったんです。でも、そんなこともなかったですね。」
そうなのか。
「はい。モテようと思ったのですが。」
モテたくて尻で歩いてギネスまで取ったのに、特にそういうことはなかったのだという。尻がかわいそうである。
「ただ、やっぱり達成感はすごくありますよ。ハイタッチもきっと当日の盛り上がりはすごいと思います。」
最後に酒部さんがギネスの認定証を見せてくれた。これが僕たちがほしいやつである。
それは立派な額に入っていた。
--これは額に入った状態で送られてくるんですか?
「いえ、紙が送られてくるだけです。額はアマゾンで買いました。」
これですね。
まぶしい。
目の前に現れたギネス認定書は言ってしまえば一枚の紙なのだけれど、挑戦する身としては、そしてこれを取るためのエピソードを聞いたあとでは、そこから発せられるソリッドな重みを感じずにはいられなかった。アマゾンで買った額もよかった。僕たちも取れたら同じの買おうと思う。
もう取るしかない
酒部さんはギネスを取った後、地域振興や被災地の復興支援に自分の経験を役立てようと、公務員を辞めて事業をたちあげたという。尻歩きが、いやギネスが、彼の人生を変えたのだ。
酒部さんの話を聞いてギネスの厳しさがすごくよくわかった。同時に挑戦することのおもしろさもすごくよくわかった。これは僕らが挑戦する当日が楽しみである。
ハイタッチマラソン当日の注意事項を追加しました。来られる方は読んでおいてください。
注意事項
・種目は10キロのハイタッチマラソンとギネス世界記録への挑戦会です。
・10キロマラソンに参加する人は10時までに会場に集合してください(11時スタート)。
・ギネス世界記録挑戦会だけに参加する人は13時までに会場に集合してください(15時ごろ終了予定)。
・当日はもみじ饅頭、スポーツドリンク等は十分に用意しますが、昼食は各自でご用意ください。
・参加費は無料ですが、参加人数を把握したいため事前にかならずこちらからご応募ください。
・グループでの参加の場合も全員おひとりずつ登録をおねがいします。
・とくに年齢制限はありませんが、走りながら安全にハイタッチをするため、あまり小さなお子さんには応援にまわっていただくことがあるかもしれません。
・参加者には撮影用のオリジナルTシャツを配布します(そのまま持って帰ってかまいません)。
・当日のギネス挑戦の様子は特設サイトにて中継します。
・少雨決行です。大雨の場合は当日7時までにサイト上に中止の連絡を掲載します。
・駐車場は会場に100台分あります。車で来られる方は応募の際にその旨、明記してください。
・当日使用できるのは9時から21時まで、競技場トラック部分とメインスタンドです。9時よりも前は閉まっていますのでご注意ください。
・10キロマラソン、ギネス世界記録挑戦会、実施中は会場内に喫煙場はありません。
・服装に制限はありませんが、屋外の競技場ですので、防寒対策をお願いします。