カキの何がダメなんですか? 人生損してますよ
築地でカキ
人には好き嫌いがある。しかし、たとえば「お金」が嫌いだとする。ただそれでは生きて行くのは難しいだろう。そういうことなのだ。カキが嫌いもそういうこと。カキとはお金は同じと覚えておいてほしい。
カキ!
カキを嫌いという人に教えてあげたいのだ。カキがこの世で一番美味しい食べ物なのだよ、と優しく、それでいて的確で、尊敬されるように。ということで、カキが苦手な、当サイト編集部・安藤さんにカキの尊さを味わって欲しいと思う。
カキが苦手な安藤さん
カキが苦手な人にカキの美味しさを教えるには、美味しいカキを食べてもらうことが一番だろう。となると、やはり「築地」ということになる。カキの産地に行くのもいいが、手軽さを考えれば、世界最大の規模を持つ築地となる。私は意気揚々と安藤さんを築地に呼び出したのだ。
休みだよね
カキのなにがダメなの
築地市場は休みだった。カキがどこかに走って逃げていった気がした。しかし、築地市場には場外市場がある。こちらも基本的には市場が休みの日は閉まっているお店が多いけれど、空いているお店もある。そこでカキを食べればいいのだ。
場外市場に来ました
とはいえ、私は築地に詳しくないので、築地の達人であるライターの西村さんを呼んだ。西村さんが来るまでに、安藤さんにカキの何が嫌いなのかを聞く。


見た目がね、、、肉みたいに赤い方が美味しそうじゃん

カキが赤かったらむしろ気持ち悪いじゃないですか!

やっぱり当たる恐怖もあるね

カキは当たるまでがセットで、当たって初めて一人前です。

だったら一人前にならなくていい

出世欲がない最近の若者と同じ考え方ですね

でもカキの美味しさに気づきたいとは思うよ

その考えは人生を豊かにする切符を手にいれるのに大切なことです! 素晴らしい!
話を聞けば、今までに何度か食べたことはあるが、進んで食べたわけではないそうだ。ただカキの素晴らしさに気づきたいそうだ。その夢をぜひ叶えてあげたい。
西村さんが来ました。向かって左から、安藤、西村、地主です!

西村さんはカキは好きですか?

高校生ぐらいの時は好きではなかったけど、今は好きですよ

人生が豊かなものになってよかったですね

食べた時に感じる味や食感や風味は同じだと思うけど、コッチ側でそれを「うまい」って思えるスイッチがいつのまにか入ったんだろうなと思ってる

ヌルヌルしてるのがね、、、

いま西村さんがいいことを言ったから。安藤さんも今日から、そういうスイッチが入るように頑張りましょうね、ヌルヌルでスイッチが入るように!
ということで、カキです!
カキを食べる
カキの何がダメか理解できた。正直な話をすれば、カキを嫌いという人の意見もわからなくはない。好きな私から考えれば、その嫌いと言うポイントが、好きなポイントなのだけれど、スイッチなのだ。カキスイッチをオンにするのだ。
生カキを買いました!
美味い!

これめちゃくちゃ美味しいですよね!

美味しい、肉厚で、カキの中でも濃い味がする!

これで1個600円ですからね、安い!

クリーミーで果物みたいな爽やかな風味だ!

生ガキはケチらずに高いの買って食った方がいいですね! 大きいし!

俺、小さいのでいいよ

いやいや、耳をすましてください! 幸せの音がしますから!

しないよ

音はしないね
仲間だと思っていた西村さんからも突き放された。カキが美味しすぎて私のテンションが上がっているのだ。カキは生が一番と思っているけれど、カキが苦手な人にはハードルが高いのかもしれない。
苦手な安藤さんも食べる

どうですか?

生カキって噛んでいいのか、丸呑みするのか、聞いておけばよかった

自由でいいですけど、結局どうしたんですか?

迷って、ちょっとだけ噛んですぐ飲んだ

噛んだ方が味がより感じられていいですよね!

震えるよね、震える

美味しくて?

カキスイッチは入らなかったね

表情からわかりました

ホタテ食べたい
口の中でカキをどう処理するかで悩むのは想定外だった。苦手な人にはあのクリーミーな感じがダメなのだろう。ただホタテを食べたいと言っていたので、貝類がダメというわけではないようだ。
次に行きます!
生からのガンガン
一度の失敗で諦めるのはよくない。トライアンドエラー、これを四月から新社会人になる方々には覚えておいて欲しい。カキも一緒なのだ。次も生カキなのだ。私は本当にカキが美味しいと思っているのだ。
違うお店で生カキを買いました!
美味しいです!

美味しいですね!

カキと言っても産地で味が違うね、このカキもさっきのとは違うけど、やっぱり美味しい!

カキとひとくくりにするのはよくないですね、通は産地にもこだわる。ただ共通するのは、美味しいってことなんですよ!

ここのカキは「やわらかい海」を食べているみたい!

そうですよね、幸せの音も聞こえますよね!

音はしないね

ホタテ食べたい
やわらかい海、という表現はよく分かる。まさに海そのものの味なのだ。ただ幸せの音はしないらしい。幸せの音と言っている私の横で安藤さんは「ホタテ食べたい」と言っている。幸せの音はホタテ食べたい、という声なのだろうか。
安藤さんも食べる

どうですか?

一緒だよね、産地が違っても一緒だよね

カキ味がする?

そうだね、ヌルヌルがね、、、

ガンガン焼きを食べてみましょう!
産地がどうの、という問題ではないらしい。カキ好きの私からすれば、このままカキを食べ続けていたいけれど、そうでもないらしい。とりあえず、西村さん提案のガンガン焼きを食べてみようと思う。
これがガンガン焼きの
カキです!
ガンガン焼きとは蒸しカキのこと。生カキは無理でも、火を通せば食べられるかもしれない。カキは生はもちろん、火を通しても美味しいのだ。この美味しさを知って欲しいのだ。
カキ好き二人はやっぱり美味しい! という感想

火を通しても美味しいですね!

くさみや苦味がほどよく、ちゃんとうまみが自己主張してて美味しい!

火を通すと少し小さくなるのが惜しいです!

ただ身が小さくなったぶん旨味が凝縮されているじゃないかな!

小さくなるのはいいね!
西村さんが言うように、小さくなっても旨味はそのままに、凝縮した感じがする。また、臭みや、ヌルヌルも消えた。これならカキが苦手という人でも食べられるのではないだろうか。
安藤さんも食べる
いい顔してるね!

これは美味しかったんじゃないですか!

蒸しカキが美味しいね!

そうでしょ!

火を通すと美味いのわかってるのに生で食べるやつバカだ!

いやいや、それぞれ美味しいですから!

蒸しカキ、本当に美味しいよね!

ホタテ食べたい!
ガンガン焼きという蒸しカキは上々の評価で、カキが苦手と言っていた安藤さんも食べることができた。美味しいと言っている。私は生も蒸しをそれぞれの良さがあり、美味しいと思った。とはいえ、カキが苦手な人にもカキのよさが伝わってよかった。
ホタテが一番美味しかったらしい!
カキ食おうぜ!
カキが苦手な人にカキのよさに気づいてもらおうと築地に出かけた。カキ好きとしては、カキのよさに気づいてもらえて嬉しい。生はダメでも、蒸しカキなら食感的な問題は解決するし、美味しさも味わえる。カキ入門編としては、蒸しカキがいいのかもしれない。

上級者は生ガキ!


