特集 2016年1月6日

東京ドーム型計量カップでドーム○杯分の飯を食う

そーれ、1杯目~。
そーれ、1杯目~。
さあ年も明けた。2016年の始まりだ。
どうせなら、年初からでかいことをやってみよう。

東京ドーム○杯分の飯を平らげるのだ。
1970年群馬県生まれ。工作をしがちなため、各種素材や工具や作品で家が手狭になってきた。一生手狭なんだろう。出したものを片付けないからでもある。性格も雑だ。もう一生こうなんだろう。(動画インタビュー)

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ドームを頭に叩き込め

大きさや容量のイメージをわかりやすくするため、よく「東京ドーム○個分・○杯分」などと言い表す。

驚いたことに、Wikipediaにも「東京ドーム」自体の項目とは別に「東京ドーム(単位)」という項目があり、大きさや容量の単位として公然のものとなっている。ちなみに容量でいえば、東京ドーム1杯分は124万㎥だそうだ(ドーム部分の単純な体積)。

でもそう表現されると「なるほどー、この建造物は東京ドーム換算では○杯分か、すごいなー」とうっかり納得しがちであるが、だいたい「東京ドーム」自体の容量を自分で把握できているかわからないのに、やすやすと「はあーすごいなー」などと呆けた顔で得心していてはいけない。攻めの一手あるのみだ。
というわけで、ネットで画像探して資料を出力する。
というわけで、ネットで画像探して資料を出力する。
「東京ドーム○杯分」を頭に叩き込むには、まずは「東京ドーム型計量カップ」を作ってみるべきだ。ここまでは、ご理解いただけましょうか。

ただし金属打ち出しなどの方法をいきなり出来はしないので、こつこつと粘土でそれらしく作っていくことにする。

資料の写真を引き伸ばして切り取り、それを元に、だいたいカップならこんな感じ、という大きさに作っていこう。この辺の適当さは追及しないでいただきたい。
全部を粘土だと後から大変なのでスタイロフォームを餡子にする。
全部を粘土だと後から大変なのでスタイロフォームを餡子にする。
粘土が食いつくようにびっしり穴をあけて、石粉粘土を盛っていく。
粘土が食いつくようにびっしり穴をあけて、石粉粘土を盛っていく。
下絵に沿って、ドームのあんな感じの丸みになるように盛っていく。
下絵に沿って、ドームのあんな感じの丸みになるように盛っていく。
最初は、あの「白くてぷわぷわした屋根」さえ再現すればいいかな、と思っていたが、よくよく観察したら東京ドームって大きく2層に分かれていてしかも下層が斜めになった複雑な構造なのね、あらまー!

少なくともこの2層分くらいは再現しよう。あわてて下層も作り始める。
乾いたら、なめらかにするためのヤスリがけ地獄だ。
乾いたら、なめらかにするためのヤスリがけ地獄だ。
上層と下層、ぴったり合わさるような面に整えてないが、ボンドで一気に繋ぎ合わせる。雑。
上層と下層、ぴったり合わさるような面に整えてないが、ボンドで一気に繋ぎ合わせる。雑。
中身のスタイロフォームを毟り取っていく。中まで粘土にしなくて、本当に良かった!
中身のスタイロフォームを毟り取っていく。中まで粘土にしなくて、本当に良かった!
いきなり繋ぎ合わせたため、継ぎ目がガタガタ。粘土で補修していく。
いきなり繋ぎ合わせたため、継ぎ目がガタガタ。粘土で補修していく。
実はこの作品、昨年11月のイベントに間に合わせるために制作したものだが、今、写真を見返してみてその行き当たりばったりぶりには我ながらあきれる。

じっくりプランを練って、設計図を吟味して、工程を精査してから取り掛かる、という「理想の私」はあるんだが…なぜか毎回「早く次が見たい!早く完成品が見たい!」と焦って、かえって遠回りになる。もう変わらんねこれは。2016年もノープランでがんばります。

さて制作も佳境に入ってきたようである。最大の難所、あのメロンパンのような網目模様だ。さあどうする。めんどくさいぞ。
まあ、やれるところからやっていかないといかんでしょうな。14本ずつ縦横に、数ミリおきに線を引く。
まあ、やれるところからやっていかないといかんでしょうな。14本ずつ縦横に、数ミリおきに線を引く。
その線に沿って、彫刻刀で線彫り。気が遠くなってきた。
その線に沿って、彫刻刀で線彫り。気が遠くなってきた。
彫った溝のカドを丸めるため、細くヤスリがけ。クラクラしてきた。
彫った溝のカドを丸めるため、細くヤスリがけ。クラクラしてきた。
そういえば、脇に出っ張った建造物も、今頃追加。
そういえば、脇に出っ張った建造物も、今頃追加。
だがこれが、後に持ち手となるわけね。
だがこれが、後に持ち手となるわけね。
それなりに東京ドームに見える要素を満たしてきたと思われるので、次は楽しい彩色だ。ドームを金属化するのだ。
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概念だけ計測しよう

ピントぶれぶれだが、下地の塗料を吹き付けたところ。ちなみに下層の格子状の彫り込みでも、1回精魂使い果たした。
ピントぶれぶれだが、下地の塗料を吹き付けたところ。ちなみに下層の格子状の彫り込みでも、1回精魂使い果たした。
最初にも書いたが、アルミ板などでカップを作れたら良かったんだが今回はこの粘土造型をこのままカップ風にしていきたい。つまり金属風に塗っていくことにする。
メタルカラーという塗料がいいらしい。普通のシルバー塗料より金属っぽい仕上がりになるとのこと。
メタルカラーという塗料がいいらしい。普通のシルバー塗料より金属っぽい仕上がりになるとのこと。
塗ったあとに布などで磨くといいらしい。キュキュキュ…
塗ったあとに布などで磨くといいらしい。キュキュキュ…
けっこうメタルな感じのドームになった。東京メタルドームだ。メタルバンド専用ドームだ。
けっこうメタルな感じのドームになった。東京メタルドームだ。メタルバンド専用ドームだ。
一見、金属塊から削り出したかのように見えないこともない。
一見、金属塊から削り出したかのように見えないこともない。
目盛りなどこっそり入れてみたが…これはいまいちだわ。
目盛りなどこっそり入れてみたが…これはいまいちだわ。
これが「東京ドーム型計量カップ」だ。誰でも手軽に「ドーム○杯分」を計れるぞ!何だかどっかおかしい気もするが、計れるぞ。

実際、これが何mlか調べてみる。
ドームとキッチンが時空を超えて繋がった瞬間!
ドームとキッチンが時空を超えて繋がった瞬間!
170mlだった。ドーム1杯は170mlだ。
170mlだった。ドーム1杯は170mlだ。
いや、ここで本当の数字に換算し出したら、ややこしくなって自分の首を絞めることになる。計らなかったことにしよう。

さあ、豪快にご飯を盛ろう!
ただし塗料が着かないようラップをしてだ。
ただし塗料が着かないようラップをしてだ。
はい、ドーム1杯~。
はい、ドーム1杯~。
水もドーム2杯分入れた。
水もドーム2杯分入れた。
ご飯、東京ドーム2杯分のカレーだ!どうせなら5杯くらい盛れば良かったが普通の食事を優先してしまったよ!
ご飯、東京ドーム2杯分のカレーだ!どうせなら5杯くらい盛れば良かったが普通の食事を優先してしまったよ!
これがやりたかっただけだ。何も難しい式など考えず、「東京ドーム○杯分を平らげてやった!」と思いながら食べるカレーは、格別のものだった、気がする。ぜひ皆様にも召し上がっていただきたいと存じます。
ドーム2杯分、いっただっきまーす(顔が浮腫んでるのはドームのせいじゃなくて二日酔いのせいだ)。
ドーム2杯分、いっただっきまーす(顔が浮腫んでるのはドームのせいじゃなくて二日酔いのせいだ)。
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