山口県周防大島の名物鍋
みかん鍋は山口県の周防大島の名物鍋です。周防大島は山口県産のみかんの約8割を生産しているみかんの島。この特産のみかんを使って作られる鍋が今回食べてみた「周防大島みかん鍋」です。
山口まで食べに行くのはなかなか大変なので、お試しセットをお取り寄せです。
お取り寄せしました。
取り寄せたみかん鍋のセットには、みかん鍋用に焼印が押されたみかん、みかんが練りこまれた地魚つみれ、みかん白玉、フグや鶏肉、みかん鍋用濃縮ダシ、みかん胡椒などが入っていました。
冷凍パック。これで4人前。ネギなどの野菜は自分で用意。
セットに入っていたパンフレットによると周防大島みかん鍋には以下の3つの定義があります。
焼きみかん、みかん香る地魚つみれ、みかん胡椒の三点セット。
焼きみかんが入っていること。みかんの皮を練りこんだ地魚のつみれが入っていること。みかんの皮と青唐辛子を使って作る、みかん胡椒で食べること。
鍋奉行御用達。焼印されたみかん鍋用みかん。皮ごと食べられる。
実際にこの定義に基づき届いた材料で作ってみると、ほんのりとみかんの爽やかな香りが鍋から立ち上がります。
食べてみると、コクのあるダシの効いたスープからは爽やかなみかんの香り。みかん胡椒は柚子胡椒よりも香りが甘く爽やかで、辛さはややマイルド。みかんの味が上手い具合に肉や魚の味と調和しています。
見た目の違和感は凄いですが、味はとても調和しています。
鍋というと、ゆずやスダチなどを使ったポン酢をつけて食べることがありますが、同じかんきつ類でもみかんの風味は甘すぎてあまり合わないのではないかと思っていました。
しかし、やってみたらとてもよく合う。意外でした。
ただし、みかんは同時に食べない方がいいかもしれない。
ちなみに、鍋に入れたみかんは皮が薄く柔らかく皮ごと食べられます。ただ、皮ごと食べられるものの、かなり甘くスープの味とは若干違和感がありました。
好みはあると思いますが、箸休めや最後のデザートとして別に食べた方が良さそうです。とても美味しいみかんでした。流石は鍋用のみかん。鍋に入れた後でも美味しく食べられます。
他にも変わったかんきつ類鍋はある
みかん鍋は予想に反してかなり美味しいものでした。調べてみると、みかんだけでなく、あまり鍋に入れることのないかんきつ類を使った鍋がありました。レモン鍋です。
無農薬栽培の国産レモンを入手。通販で3kg。残りは果実酒でも作るか。
無農薬栽培のみかんも取り寄せてみた。5kg。見た目はやや悪いが味はいい。
恐らく、このレモン鍋もこれだけ話題になってレシピも多数出ているので美味しい鍋なのでしょう。ゆずやスダチなどに限らず、鍋を美味しくするかんきつ類はかなり幅広いようです。
ゆずも丸ごといけるように有機栽培の物を用意。
ではこの際だから、みかんも、レモンも。その他の各種かんきつ類をいっぺんに鍋に入れたらどうなるでしょうか?かなり美味しい鍋になるのか?
きんかんも入手。通常は甘く煮て皮ごと食べるが、今回は鍋へ。
かんきつ類山盛り鍋をやってみる
とにかくやってみることにしました。用意したのは、みかん、レモン、ゆず、きんかん。
鶏肉と牡蠣。ふぐの代わりに白身の魚で鱈を使用。
具材はみかん鍋やレモン鍋のレシピを参考に、鱈、牡蠣、鶏もも肉。野菜類は白菜、ネギ、シメジ、エノキ、水菜を使います。ダシは鰹ダシ。味付けは醤油ベースです。
この時点で食べても十分うまい鍋。
作り方は、ダシをはった鍋に野菜や肉、魚などを入れて煮て、醤油、酒、ミリンなどで味付けます。普通の寄せ鍋と同じです。
かんきつ類4種。皮つきを丸ごと投入。
ここから一気にかんきつ類を大量に投入していきます。まず皮付きを丸ごと1個ずつ入れます。
もはや肉や魚や野菜が見えない。
より香りを出す為、輪切りの物を周りに入れます。この状態でひと煮立ちさせ、最後に水菜を入れてフタをしてサッと煮たら出来上がり。
かんきつ類と水菜の鍋にしか見えませんが、下に具材がちゃんと入っています。
フタを開けると、温かいダシの香りと共に、香りの強いゆずを中心にレモンやみかんの爽快な香りが一気に広がります。では、食べてみましょう。
旨味があって臭みがなく、驚く爽やかさ!これはうまいな!
かんきつ類山盛り鍋は予想を超える香りと味でした。フタを開けた時の香りだけでなく、汁もフレッシュで爽やかなかんきつ類の香りと酸味に溢れています。
それだけでなく、魚や肉の臭みは綺麗にとれて、スッキリとした食材の旨味が十分に味わえます。輪切りの物を入れているだけあって、何も足していないのに、果汁を絞り入れたばかりの濃厚なポン酢を大量投入して食べているようです。なかなかうまい。
では、中に入れた各種かんきつ類の味はどうでしょうか?
これは駄目だねえ。
果実の部分は妙に甘かったり、酸っぱかったり。皮を食べても安心な物を選びましたが、鍋用という訳でもないので硬くて苦みがあってイマイチです。
鍋自体も、時間が経ってくるとこの皮の苦みが移ってくるので、香りや酸味がついたら早めに鍋から出すのがいいようです。
入れたかんきつ類を食べなければ爽やか風味の美味しい鍋です。
とはいえ、鍋全体としては美味しいものなので、一度やってみる価値はあると思います。気になる方は材料を入手してやってみてください。
果汁を絞り入れるだけでもいいかもしれない
今回、物は試しと沢山のかんきつ類を入れた鍋をやってみました。味自体は悪くはないです。旨味を味わいながら爽やかな風味も楽しめて変わり種の鍋としてはいいです。
ただ、丸ごと入れる必要はないかもしれません。皮をおろし金で少し削り入れ、果汁を適量絞り入れれば十分かと思います。皮つき丸ごとは、見た目のインパクトはあるものの、食べづらく、早くしないと苦みも出てきてイマイチな点があります。
鍋はインパクトに走らず、ほどほどが良いようです。
鍋から引き上げたレモン、みかん、ゆず、きんかん。一応、普通に食べられます。まあ、味の方はちょっとね。