こたつと復縁がしたい
さいきんのこたつ、形のバリエーション増えたな
こたつと別れて10年がたつ。その間も、何度ともなくこたつを想った。もう一度会いたい、また一緒に暮らしたいと考えながら、つい人んちのこたつに頼ってしまう夜もあった。
もう、そろそろ限界だ。どうにかしたい。でも、あの頃のままのわたしたちではきっと歴史はまた繰り返してしまう。なにかを変えたい。
悩んだ結果たどりついたのが「外で使う」こたつだった。外なら、わたしとこたつだけの世界に溺れないですむ気がするのだ。
「これはDIY案件だ!」ドイトに向かったけども選択肢の多さに心が折れ
なんとなく世界堂(画材屋)に向かう!
世界堂は、どんな時でも定価から20%引いてくれる。上京したてのわたしを、東京ではじめてやさしく包んでくれたところだ。以来「困ったときに世界堂に行くとだいたいなんとかなる」という妄信を抱いてきたのだけど、今回もだった。
これ(キャンバス)、テーブルにつかえるんじゃないだろうか
バルサ板(軽くてすごく扱いやすい)の種類が多いぞ
折りたたみできるテーブルの足が欲しかったんだけど、よく見たら目の前にあったので自宅のを拝借する
四角に骨組みしたバルサ板にくくりつける。良いかんじだ
こたつって暖色・チェック柄のイメージが強い。むかし一緒に住んでたこたつもそうだったし
そうおもって探した布と、フリースを縫い合わせる。ミシンこわい
100均で買ったねじとドライバーであっさり結合できた。バルサ板のやわらかさに感謝したい
持ち運ぶのにはしょったほうがよさそう。ひもをくぐらす
ちなみに。この青いひもは、100均で買ったスーツケースを止める用のベルトなんだけども、あまりにぴったりすぎたので今年の価値ある買い物ランキングのベスト3くらいにはいれときたい気持ちだ。
できた!
しゃーーーーーー
普段の荷物よりはずしんとくるけど、こたつとはおもえない軽さだ
でも、テーブルの足を立たせれば、おお、ちゃんとこたつ!
あたたかさをちゃんと実装したい
ビジュアルはなかなかにこたつぶれた気がする。
近くで輪投げをしていたおばあちゃんたちが「これはなあに?」とは聞かずに、これがこたつであることを前提に話しかけてきてくれてた。
だけどな。「あらあら寒そうねぇ」って、言われちゃったな。
地べたの上に置くと、やっぱり「寒そう」って印象が先立つみたいだ。
あたたかさもちゃんと装備してこそのこたつだとおもうし、そこはどうにかクリアをしていきたい。いくつか準備もある。
100均で買ってきた湯たんぽ。ちいさいけど、ちゃんと湯たんぽしてる
3つまとめて足の上にぼん。じんわり
あと。先日、会社のとなりの席のおばさんから「こんにゃくをあっためると、湯たんぽ並にあたたかいらしい」という生活の知恵を聞いたのでこちらも試してみたい。レンジで10分弱あたためたこんにゃくを用意してみた。
家を出発してから1時間弱。うん、まだ全然あたたかいぞ。におうんだどな!
ついでに、おにぎりもあたためてきている。おにぎり、出かける前にあたためてポケットにいれておくとホッカイロのかわりになる。異論はあるかもしれないけど、わたしの生活の知恵だ。
普段よりちょっと多めにレンジでチンしといた!
こんにゃくも、おにぎりも異様なほどにあたたかさを持続させていて、足にあてると「ふわぁっ」ってなる。寒さが和らぐ。なんというか、このあたたかさはたぶん性格が良い。白と黒なら白の方で、ふわふわした従順な犬っぽくもあり、とにかく優しい。癒し系だ。
もしくは、足の上にちいさな温泉が2つ沸いたかんじだろうか
グーグルマップのズームインとアウトを繰り返しているとノートパソコンがめっちゃ熱くなる!とこのまえライター西村さんが言っていたので、そちらもぜひとも試してみたい。
おそるおそる、地図を拡大して縮小してを繰り返してみる……
熱くはなる。でも、同時進行で寒気をあびながら冷たくなる。鉄っぽいものは、寒いと冷たいほうに傾きやすいみたいだ
編集部・橋田さん 「さむい!」 座布団が欲しいですよね
寒い日の定番・あったかい缶コーヒーに手を伸ばしてみる
うそ!!なんだかぬるい。冷めるの意外と早いの?
びっくりした。「缶コーヒーはすごくあったかい」という、脳内に形成されきっていた図式の強靭さを、こんにゃくとおにぎりが越えてきてる!
ところで、一回やってみたかったやつやってみますね。こたつの虫
あたたかそうに見えますでしょうか。すごくさむいです、すごく!地面から冷気が全力でおそってくる……
ちかくでプープーテレビの撮影をしていた大北さん
そこでふと、変革が起きる。わたしが直角におじぎをしているところに人が寄ると、人のこたつになれるらしい
「立ちこたつ」というジャンル。ジャンルなのか?
これ、たぶんわたしのほうがあたたかいんじゃないだろうか。人のこたつになるという使命感から、なるべく動かないように動かないように……と筋肉に全力で力をおくっている。ゆえにあたたかいのだ。自分が!
さっきまでのことを一覧にしてみるとだいたいこうなります
まとめてみたら、すごく当たり前のことばかり書いてる気がしてきた
芝生の上・晴天のひなたで午後4時までならいける
ところで。
「野外でのこたつ活動を通して、ビジュアルとあたたかさがまったく比例しない奇跡を見た!」そんな結論でこの記事をおわろうとしていたのだけど、撮影の翌日、外が異様に晴れてたのでなんとなく外へ出てみた。ら。
あれ。あったかいんだけども
さむかったらすぐ帰るつもりが、原稿(これ)の導入文とか、考え始めちゃったし
(なお、今日もこんにゃくは持参をしております)
落ち着く! 家と野外の交差点があるとしたら、たぶんここだよここ
2時間くらい居座っていた気がする。時計が午後4時をまわったあたりで急にさむさがおしよせてきてそっとこの場をあとにしたのだけど、それまでの時間は「快適!」としかいいようがなかったし、原稿もちょっと進んだ。
暖冬だから? いや、きっとそれだけじゃない。
けっこう覆されちゃったので追加をします
あと。見慣れたせいかもしれないけど、背負っているところ、遠目に見ればそんなには違和感がない気がする。おしゃれじゃないけど
こたつとの共存の道、開けちゃったな。
ところで。当初これはこたつのスカートになる予定だった。途中までつくってみたときに、わたしのスキルだと春までに間に合わないことを悟ってこの形にした。結果的にはちゃんと冬に間に合えたのでよかったんじゃないだろうか。あきらめが世界を好転させた良い例として、自分メモリアルに刻んでおきたい。
正面から見ると、変形したはんてんを着ている人っぽいなー