特集 2015年11月27日

30年前のガイドブックに載っている喫茶店に行く

昭和58年出版のガイドブックで喫茶店を巡ります!
昭和58年出版のガイドブックで喫茶店を巡ります!
スターバックスや、ブルーボトルコーヒーなどの登場で、コーヒーと言えば、「カフェ」というイメージが強くなった。以前は、カフェではなく、「喫茶店」だったと思う。

そんな喫茶店を紹介した32年前のガイドブックを手に入れた。昭和58年に出版された大阪の喫茶店を紹介した本だ。そのガイドブックに載っている喫茶店に行ってみたいと思う。
1985年福岡生まれ。思い立ったが吉日で行動しています。地味なファッションと言われることが多いので、派手なメガネを買おうと思っています。(動画インタビュー)

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> 個人サイト Web独り者 彼女がいる風の地主恵亮

32年前のガイドブック

毎年いろいろなガイドブックが出版されている。新しいお店が次々に登場するからだ。最新の情報を求める我々にとっては、最新版のガイドブックこそが正義と言える。しかし、そうなのだろうか。
32年前のガイドブックを手に入れました!
32年前のガイドブックを手に入れました!
しかし、古いガイドブックに載っているお店が、今も残っていればそれは必ず美味しいお店なのではないだろうか。そこで昭和58(1983)年に出版されたガイドブックを手に入れた。大阪の喫茶店が紹介されているガイドブックだ。
昭和58年に出版されました!
昭和58年に出版されました!
昭和58年といえば、「アクエリアス」や「G-SHOCK」が発売された年であり、東京ディズニーランドが開園した年でもある。アクエリアスもG-SHOCKもディズニーランドも、今でも大人気だ。そんな年のガイドブックにはどんな喫茶店が紹介されているのだろうか。
ということで、大阪にきました!
ということで、大阪にきました!

モカ珈琲

このガイドブックは浪花のモーツァルトと呼ばれている「キダ・タロー」氏が執筆している。そのためなのか、驚くことに珈琲の味などについては書いておらず、喫茶店に行こうと思ったけれど道に迷った話、などが紹介として書かれている。
最初はこのお店
最初はこのお店
難波にある「モカ珈琲」にまずは行こうと思う。キダ・タロー氏の紹介文を読むと、白いコーヒーカップが目にチカチカするらしく、ただその白いコーヒーカップがギャルに人気だとわかる。ヤング思考のお店だそうだ。
駅の近くにある
駅の近くにある
地図を見ると駅の近くにあるのが分かる。難波に詳しくはないのだけれど、お店の入れ替わりが激しいのは街を歩くと理解できた。最近どこでも見かけるようなチェーンのお店が多いからだ。ヤング思考の「モカ珈琲」は残っているのだろうか。
32年前のモカ珈琲
32年前のモカ珈琲
現在のモカ珈琲
現在のモカ珈琲
モカ珈琲は無くなっていた。地図が曖昧なので、厳密にここなのかはわからないけれど、モカ珈琲がないのは確かだ。ヤング思考が行き過ぎたのか、王将になっていた。モカ珈琲はキダ・タロー氏が20歳の頃から通っていたお店だったそうだ。
32年前のバンビー(ダブルピースしてる!)
32年前のバンビー(ダブルピースしてる!)
地図を見ると、モカ珈琲の隣に「バンビー」という喫茶店もあるようだ。バンビーはジャズ喫茶で、レコードが7000枚もあるそうだ。最近はあまり聞かない「ジャズ喫茶」。残っているのだろうか。
現在のバンビー
現在のバンビー
駐輪場になっていた。ガイドブックでは外観がわからないのだけれど、女性が写り、当時の流行りの格好がわかる。本文を読むと、これがギャルなのだそうだ。喫茶店の状況も変わりつつあるが、ギャルも変わりつつある。
バンビーは駐輪場でした
バンビーは駐輪場でした

道頓堀が見えるマヅルカ

次は道頓堀を望める喫茶店「マヅルカ」に行こうと思う。ちなみに行くお店は基本的にお店の外観が載っているものを選んでいる。内観だと万が一残っていないと今との違いがわからないからだ。あと内観写真には高確率でキダ・タロー氏が写り込んでいる。
ということで、「マヅルカ」です!
ということで、「マヅルカ」です!
ここにあります!
ここにあります!
地図を見ると道頓堀沿いにあるのが分かる。グリコの看板で有名な橋の近くである。観光地としても有名な場所だ。この喫茶店がある道はいつも観光客で賑わっている。私が訪れた日も例外なく賑わっていた。
すごい賑わい
すごい賑わい
中国人の観光客が多い気がした。最近の大阪は中国からの観光客が多いらしく、手頃な値段のホテルが軒並み抑えられていて、予約が取れない。いま大阪が熱いようだ。そんな熱い大阪でマヅルカは残っているのだろうか。
32年前のマヅルカ
32年前のマヅルカ
現在のマヅルカ
現在のマヅルカ
マヅルカは中国料理のお店になっていた。隣のお店が写真同様に残っているので、場所は間違いない。あとで聞いた話では15年ほど前に無くなってしまったそうだ。32年という時間の流れを感じる。
マヅルカの痕跡がない!
マヅルカの痕跡がない!
ちなみに梅田にも「マヅルカ」という喫茶店はある。マヅルカは一族経営で本に紹介されている「マヅルカ」以外に梅田にもあって、こちらはいまも変わらず営業している。歴史を感じる喫茶店で、行ったのが日曜日だったので、お客さんと店主で競馬の予想をずっとしていた。
梅田のマヅルカ
梅田のマヅルカ
いったん広告です

北区のコハク

梅田のマヅルカが本に載っていれば、と思いながら、後にして、次は曽根崎にある「KOHAKU」に行こうと思う。本に味の紹介はないのだけれど、レジの女性が可愛く独身と書いてあった。こういう情報のガイドブックは新しい気がする。32年前の本だけど。
ここに行きます!
ここに行きます!
ここにあります!
ここにあります!
地図や住所には書いていないが、写真から察するに、どうやら地下や建物に中にある喫茶店のようである。また書いてある住所の場所に行くと、「清和梅田ビル」という建物があった。新しい建物にも見えるが、この中にあるのではないだろうか。
住所の場所にあった建物
住所の場所にあった建物
外からは分からないが、建物に中にあるはずだ。まだ期待は捨ててはならない。中に入るのだ。中に入れば麗しで独身のレジの娘さんがいるのだ。私のKOHAKUはここにあるのだ。
32年前のKOHAKU
32年前のKOHAKU
現在のKOHAKU
現在のKOHAKU
KOHAKUは無くなっていた。いろいろ探したけれど、見つからない。ガイドブックの写真をよく見ると、ドアの部分におもちゃ屋らしきものが写り込んでいる。しかし、そのおもちゃ屋も見つからない。KOHAKUはないのだ。いまもレジの娘は独身なのだろうか。
軒並みなくてがっかり
軒並みなくてがっかり

アメリカン

次も曽根崎にある「アメリカン」というお店に行ってみようと思う。本を読むと「アメリカン」というお店はたくさんあるけれど、ここが最古参ではないか、と推測が書いてある。吹田に焙煎工場を持っているそうだ。
いい感じのお店です!
いい感じのお店です!
ここにあります!
ここにあります!
KOHAKUの近くにあるのがわかる。ここまでにいくつかのお店に行ったけれど、パーフェクトにいまは無くなっている。もちろんいろいろな事情があるのだろうけれど、大阪も厳しいようである。アメリカンに期待したい。
期待を胸に探し回る
期待を胸に探し回る
次こそは、と思いアメリカンを探して歩く。大阪にアメリカンはあるのだろうか。キダ・タロー氏に憧れは一切ないけれど、キダ・タロー氏の通ったお店に行ってみたくなっている。これが古いガイドブックの魅力だ。
32年前のアメリカン
32年前のアメリカン
現在のアメリカン
現在のアメリカン
お好み焼き屋になっていた。アメリカンという名前をみじんも感じない、むしろ大阪感溢れるお店だ。ただ建物の構造は微妙に残っている。入り口の前に柱があるなどは、当時のままだ。
今はお好み焼き屋さん
今はお好み焼き屋さん
近くの方に話を聞くと数十年前に火事で無くなった、と教えてくれた。アメリカンが燃えたのだ。残念だった。ただ建物の構造を見られたのは嬉しかった。こういう痕跡探しも昔のガイドブックの魅力だ。
次に行きます!
次に行きます!

珈琲館 於巣路

最後は「珈琲館 於巣路」に行こうと思う。今までに書いてきた以外の喫茶店にも行っているのだけれど、軒並み閉店しているようで、いまはなかった。最後こそはと思い、大阪だけど、於巣路(オスロ)に向かっている。
ここに行きます!
ここに行きます!
紹介文を読むと、ここのお店は従業員すべてが男性でほぼ独身だそうだ。味については一切書いてないけれど、その情報だけは書いてある。この時代のガイドブックはいくつか読んだことがあるが、これは当時でも珍しかったのではないだろうか。
ここにあります!
ここにあります!
天王寺のハイハイタウンという建物の中にあるそうだ。後で調べるとハイハイタウンは1979年に完成した建物。そして、今もある。これは期待できるのではないだろうか。
ハイハイタウンはありました!
ハイハイタウンはありました!
いろいろなお店を抜ける
いろいろなお店を抜ける
地下鉄で向かったので、地下からハイハイタウンに入り、1階に上がる。するとそこにはあるではないか、「於巣路」が。しかも、写真の当時とあまり変化がない。時間が止まっているように感じた。
32年前の於巣路
32年前の於巣路
現在の於巣路
現在の於巣路
中に入ると、女性の店員さんが空いているテーブルに誘導してくれた。外観の違いはガイドブックとなかったけれど、店員さんは変わっているようだ。男性しかいないと書いてあったけれど、いまはほぼ女性だった。
32年前の於巣路
32年前の於巣路
現在の於巣路
現在の於巣路
しかし、店内の雰囲気は変わらない。味についても違いなどを感じてみたいけれど、本に味についての記述はなく、キダ・タロー氏が何を飲んでいたかも分からない。当時の値段も分からないのだ。
コーヒーを頼んだ
コーヒーを頼んだ
コーヒーは美味しかった。私は豚肉と牛肉の違いも分からない幸せな舌を持っているが、その舌を持ってしても、美味しいとわかるコーヒー。やっと出会えたコーヒーだったので、嬉しくも感じた。この感情も古いガイドブックの魅力だろう。
美味しかった!
美味しかった!

大阪の魅力

大阪によく行くのだけれど、それはここ10年くらいの話なので、昔がどうなっているか気になっていて、ガイドブックを使い、大阪を歩いた。大きく変わっているようだ。大阪について詳しくなれた気がした。あとキダ・タロー氏にも詳しくなった。
更地になっている喫茶店もあった
更地になっている喫茶店もあった
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