三崎港から板橋区南常盤台までマグロを直送と直走
ということでやってきたのがこちら。
三浦半島の先端です。
神奈川県三浦市の三崎港。マグロの水揚げで有名な漁港です。こちらで冷凍状態のマグロを購入。そして、東京都板橋区の店まで半分は宅配便業者に依頼し配送。同時に残り半分を走って運び、どちらが
店に早く着くかを競います。
ランニングコースはこんな感じになります。
三崎港を出て三浦海岸を経て久里浜へ。横須賀、金沢八景などを抜けて関内から横浜へ。そこから箱根駅伝と同じ第一京浜を通り平和島へ。あとは環七を北上して板橋区南常盤台まで走ります。
地図上の計測で90kmぐらい。アップダウンや左右への道の横断、実際のルートでの徒歩で行けない場所の迂回などを考慮すると、実走行距離は1、2割増ということなので、およそ100kmのランニングとなります。
マグロ4種。総重量は1.7kgぐらい。
マグロは冷凍状態のものでサクとカマ、中落ちのすき身など4種。これとは別にマグロの酒盗の瓶詰が入ります。2セット購入。二つに分けてパックしてもらいます。
三崎港産直センター「うらり」のオーシャングロウさん。意味不明な説明を元にパッキングしていただきありがとうございます。
当初計画では途中のコンビニで氷を入れ替えながら走る予定でした。しかし、走る方のマグロは20時間分ほどのドライアイスと共にしっかりパッケージしてもらえたので氷チェンジの必要はなくなりました。
依頼したのはヤマト運輸なので「宅急便」ですが、記事内では一般名称の「宅配便」としています。
購入後、一方のセットは三崎港に隣接する宅配便業者から配送を依頼します。
11月1日10時。ヤマト運輸三浦三崎センターより配送依頼完了。
朝10時頃に翌日午前着(8時から12時着)の冷凍便で発送依頼を完了。受け取りまでの制限時間はおよそ24時間。この間に残りのマグロを背負って板橋まで走ります。
冷凍だと瓶詰は良くないと思い、マグロの酒盗は2本とも荷物に入る事になった。
荷物は購入したマグロの他、緊急時の着替え、携帯などのバッテリー、撮影用の三脚、タオル、緊急用の医療品、カメラ、携帯、水などおよそ7kg。
これを担いで走ります。全て都市部を走るので食料や水の予備を持たなくてよく、やや軽めの装備で済みました。
では、スタートします。
前半はアップダウンの多い三浦半島
スタートは配送依頼後、ザック内の整理や各種ランニング準備で10時半近くとなりました。
三浦海岸沿いはサーファーやランナーが行きかう。海はいいよね。
スタートして横浜あたりまでの前半部分は所々急なアップダウンのある海沿いの道。スタートした日は天気が良く、順調に進みます。
画像では分かりづらいですが、尻をこするような急な坂道です。
そして、走り始めておよそ2時間。久里浜付近を通過する頃、スマホで確認すると宅配便の荷物追跡サービスに無事荷物が発送されたことが登録さていました。
11月1日9時53分。三浦三崎センターより発送。
こうして途中食事休憩など挟みつつ走り続ける事7時間。磯子付近に到着。
ここから関内、桜木町と抜けて横浜に出ます。横浜で距離は半分を少し超えたあたり。マグロは順調に運ばれていきます。
ここでちょっとランニングフォームについて解説
ところで、こういう長い距離を走っていると時々聞かれるのですが、普段どれぐらい走っているのですか?ということ。
実は、私は普段ほとんど走りません。多ければ1ヵ月に1度。間が空くと半年に1度程度。気が向いた時に2、30km走るぐらいです。それでも長い距離を走れるのにはランニングフォームに秘密があります。そのフォームがこちら。横から見た状態。
膝を少し曲げて腰を落し、背筋を伸ばして足の裏全体で着地する感じで歩くように走ります。手はあまり降らず、頭がほとんど上下しません。後ろから見るとこんな感じです。
上体を全くひねらず揺らさないので、ザックも左右に動きません。個人的にはホンダのロボット「アシモ」が歩いているようなフォームと呼んでいます。前から見るとこうなります。
足の筋肉によるクッションを最大限に使うことで衝撃を吸収し、膝などの故障を防ぎます。走行ペースの計画的な配分や足回りの筋トレなど他の要素もありますが、この走り方を体得すれば100kmぐらいなら直ぐに走ることが可能になります。ランナーがよくなる足や腰の故障も発生しません。詳しくはまたいずれ。
雨が迫る夜間走行
横浜を超えると辺りはすっかり暗くなり夜間の走行となります。
箱根駅伝の鶴見中継所。ここも
今まで何度も通過しています。夜間走行は普段と違う空間を走っているようでなんだか楽しい。
東京まで戻ってきた。
やがて東京に入ります。ゴールまであと35kmぐらい。
ちなみに、走行中の撮影は全て自撮りの為、動画だとこんな映像となります。
仕込み感タップリな動画ですね。そんなことをしつつ、平和島から環七に入りしばらく走った所で宅配便に託した荷物の状況を確認してみました。
まだ三崎港?
こちらはラスト20kmぐらいのところまで来ています。しかし、宅配便はシステム上全く動きなし。既にこちらに向かっているとは思いますが、配達地近くにはまだ届いていないようです。
環七、杉並区付近。ゴールはもう少し。
ほぼ勝利は見えましたが油断は出来ません。そして天気予報では早朝から雨ということで先を急ぎます。
雨の中を走る。残り6kmぐらい。野方を過ぎたあたり。
方南町を越え、ゴールまでは10kmぐらいのところでとうとう雨が降ってきました。もはや時間調整してラスト5分にサライを聞きながらゴールするなんて余裕は有りません。サッサと走り勝負をつけます。
ときわ台が見えてきた。
圧勝でした。しかし・・・
日が変わり11月2日3時14分。直走マグロ無事到着。
三崎港から板橋区南常盤台まで走って運んだマグロは2日3時14分、無事に店に届きました。走行時間およそ17時間。ドライアイスは全て無くなり、サクのマグロの端の方が溶け始めていましたが、冷凍状態はまだ良好でした。
100kmぐらいなら配達時間的には圧勝ですよ!
問題なく午前着。
宅配便に託したマグロは2日11時37分に無事到着しました。冷凍便なので中のマグロはもちろんカッチカチに凍ったまま。完璧な状態で配達されました。
システム上も11時35分配達完了に。
ということで、100kmの道のりのランニングと宅配便による配送。ランニングの圧勝となりました。100kmぐらいなら自分で走った方が早く届けられるようです。
今回の到着時間なら、私の場合150kmぐらいまでならギリギリ自分で届けた方が早そうです。
そう、時間だけなら走る方が早いでしょう。時間だけなら……。
こんな値段で運んでもらえるなんてなんてありがたい事か
今回、100kmほどの距離での勝負で、ランニングの方が時間的には圧勝となりました。しかし、単に時間だけでは済まない問題があります。
三崎港から板橋まで走る間、補給した食料や水は途中のコンビニなどで購入しています。その額およそ2500円。宅配便の送料は1200円程度だったので、約倍となります。そして、走る労力は何倍となるか。
宅配とはなんと素晴らしいものなのでしょう。あんな低価格で確実、迅速に荷物を手元まで運んでくれるなんて。宅配便に感謝です。しかし、走った後のビールは世界一うまかった。そして、自分で運んだマグロに対する想いも何物にも代えがたいものがあった。二度とやらないけどね。
届けたマグロはその日のうちにお客様と共にマグロパーティーで食い尽くす。三崎にはいいマグロが揃っていました。そして
デカい寿司もつくりました。パーティーでは大ウケです。