関西の魅力
関西に出かければ、多くの人は何をするだろうか。通天閣に登ったり、たこ焼きを食べたり、甲子園に応援に出かけたり。私はそれに否と言いたい。そんなことをしている時間はないのだ。
たこ焼きなんて食べている場合じゃない
関西を訪れた時は「珍獣」を見なければならないのだ。どこでも見ることのできる動物ならば、たこ焼きを食べてもいいだろう。しかし、関西は違うのだ。関西でしか見ることのできない動物がいるのだ。たこ焼きを食べる時間なんてないのだ。
ということで、天王寺動物園にやってきました!
日本で唯一のキーウィ
世界には鳥なのに飛べない鳥がいる。ダチョウやペンギンなどがそうだ。そして、ニュージーランド固有の鳥「キーウィ」もまたそうである。キウイフルーツのキウイはこの鳥の名前に因んだものだ。
それが天王寺動物園にいるのです!
キーウィは数が減っており、貴重な動物と言える。このキーウィを日本で唯一見ることができるのが、大阪の天王寺動物園なのだ。正直、見たいじゃない。貴重とか言われるとより見たいに決まっている。
ということで、夜行性動物舎に入り、
キーウィ!
地味だけどいい
地味である。クラスでは28番目くらいの存在感である。やはり動物園のアイドルは、ゾウやライオン、キリン。それと比べると28番目くらいになるが、日本で唯一のキーウィなのだ。
地味だけど、
かわいい!
ゾウやライオンの前には人が集まっていたけれど、キーウィの前は、片手で十分な人数が、通り過ぎて行くだけだった。羽なんて退化しすぎて近くで見ても分からない。でも、鳥。それがキーウィなのだ。
ずっと見ちゃう!
天王寺動物園が今年発表した飼育動物の選定計画で、今後キーウィの補充はしないと発表している。つまり、この個体がいなくなれば、現状では日本でキーウィを見ることが不可能になる。いま見なければならないのだ。
シロクマを見ている場合ではない!
私は高校の修学旅行で、ニュージーランドに行ってキーウィを見た。地味だな、とそこでも思ったけれど、今年で30歳。その地味のよさに気がつきつつある。大人こそキーウィを見るべきなのだ。脳裏に焼き付けるべきなのだ。
見ましょう、キーウィ!
レオポン!
珍獣は「キーウィ」だけではない。関西には日本で唯一(地主調べ)、常設で「レオポン」を見ることができる場所がある。レオポンとはライオンとヒョウの間に生まれた雑種獣のことだ。
ライオンのメスと、
ヒョウのオスの間に生まれたのが、
レオポンです!
世界にはこのような雑種獣が存在する。たとえば、「ライオン(オス)」と「トラ(メス)」の間に生まれた「ライガー」。「トラ(オス)」と「ライオン(メス)」の間に生まれた「タイゴン」などが有名だろう。
レオポンを見るために「甲子園駅」に来ました
レオポンはそれらの名前のつけ方に習い、「Leopard(ヒョウ)」の「Leop」と、「Lion(ライオン)」の「on」を組み合わせて、「Leopon」となる。レオポンは世界的に見ても大変珍しい珍獣である。
バスに乗ってレオポンを目指します
シートの模様もある意味、珍獣
日本で最初のレオポンが生まれたのは、昭和34年(1951年)のこと。甲子園阪神パークという今は亡き、遊園地で生まれた。ちなみに当時のライオンの値段は30万円ほどで、レオポンの価値は1億円と言われている。その貴重さがわかると思う。
レオポンのいる「リゾ鳴尾浜」にきました
甲子園阪神パークは2003年に閉園している。レオポンはその後、国立科学博物館と天王寺動物園、リゾ鳴尾浜に引き取られた。
ただ地主調べでは常設展示されているのは兵庫県の「リゾ鳴尾浜」だけ。ここに来なければ基本的には見られないのだ。
ちなみに阪神パーク跡は現在「ららぽーと甲子園」になっている。
ということで、これが「リゾ鳴尾浜」のレオポンです!
レオポンの魅力
残念ながら生きているレオポンは存在しない。現在見られるレオポンは剥製だけである。リゾ鳴浜に展示されているのは「ジョニー」というレオポン。生前の記録によれば、体重106キロ、優しい気性で、人懐っこく物腰が柔らかだったそうだ。
ヒョウとライオン、両方のカッコよさを持っている!
ジョニーはライオンのメス「ソノ子」とヒョウのオス「カネオ」の間に生まれた。日本のレオポン誕生計画は昭和30年頃に盛んに行われ、三島市動物園や円山動物園でも、行われたが成功せず、誕生した5匹のレオポンは全て、阪神パークのこの夫婦の子供である。
現在はリゾ鳴尾浜にひっそりいます!
レオポンが誕生した時、甲子園阪神パークには多くのお客さんが、レオポンを見ようと訪れた。誰もが珍獣を見たかったのだ。
今は剥製だけれど、一度は見たい。そう思い、私はリゾ鳴尾浜を訪れたのだ。プールや温泉がある施設なのだけれど、レオポンだけなら無料で見ることができる。
ずっと見ちゃう!
ソノ子とカネオは幼馴染で、子供の頃から一緒に育ち、やがて子をなした。一般に雑種獣は作る時は精神安定剤などを使うのだけれど、この時代はまだ薬が実用化されていないため使われていない。つまり普通に幼馴染と結婚した感じなのだ。そう考えると羨ましい。
幼馴染との子供!
レオポンの剥製は世界的に見ても貴重と言える。関西に来たら見なきゃなのだ。甲子園に行っている場合ではないのだ。キーウィを見て、レオポンを見に行かなければならないのだ。そのような「関西珍獣」を送って欲しい。
甲子園近くのローソンを見ている場合ではない!
レオポンをずっと見たくて、本を読んだりしていて、知識だけが増えていて、本物を見たら感動した。生きている時を見てみたかったと思う。そう考えるとキーウィはいま見ておくべきだろう。最近はカモノハシを見るのが夢だ。日本では見られないので、オーストラリアに行くしか方法がないけど。
ちなみに神戸市立王子動物園は日本で唯一、パンダとコアラの両方を見ることができる