もっともくだらない動画を決めるプカデミー賞
毎日1分くらいのくだらない動画を公開しているプープーテレビでは毎年もっともくだらなかった動画を365本(※)のなかから決めている。前年度のプカデミー賞はこれだ。どうでもいい絵描き歌シリーズである。
※実際はもうちょい少ない
前年度プカデミー賞を獲得した『どうでもいい絵描き歌』シリーズ。再生リストになっているので適当なところで切り上げてもらいたい
どうでもいい絵描き歌。これがなにかと思ったら…
広告のプレゼンなどで出てきそうな人の欲望の図……だれが歌で覚えたいのだろうか
前年度プカデミーは『どうでもいい絵描き歌』シリーズを作った藤原浩一に輝いた。豪華ゲストは東京No.1ソウルセットのBIKKEさん。そして今年のゲストは……
小説家の道尾秀介さん。なんと道尾さんは「毎朝プープーテレビを見てます」という。そして登場してすぐむかない安藤にピスタチオをむかずに食べさせられる悲運
今年も豪華ゲストが…
なぜか毎年大物がゲストに来てしまうプカデミー賞である。前年はソウルセットのBikkeさんが来てくれたが今年は作家の道尾秀介さんが来た。
なんと道尾さんは毎朝プープーテレビを見ているそうなのだ! 4年先まで小説のスケジュールが決まっているらしいのに……見なかったらもう1、2作早まって出たことだろう。
プープーテレビのむかない安藤は道尾作品のファンなので「むかずにピスタチオ食ってもらって今本当に感動してます」という。およそ人類が到達したことのない感情である
制作者ごとにもっともくだらなかったもので競う
プカデミーではまず制作者ごとに候補作を決める。もっとも人気のあったもの(YouTubeの好評価数と再生数できめた)を順番に見ていこう。
まずはバンド左右の花池とトリプルファイヤー吉田のともだち探そうシリーズ。なんとなく知り合ったやたらおもしろい二人のバンドマンに連載をはじめてもらった。しかしシリーズもので長いので受賞候補外に。(第一回からの再生リストになっている)
ポンコツ界の巨匠二人がバーベキュー場などで新たな仲間をさがすシリーズ。究極のダウナーなロケ。
花池と吉田はプカデミー賞当日ステージ上でドミノ倒しに挑戦した。動線(人の動き)をよく考えて出演者に倒されないようにステージ上にドミノを立てていく。残念ながら出しもののたびに倒れていた
つづいてプープーテレビの平和の象徴べつやくれい制作のアニメから。『オニニュース 列島だより』
『オニニュース 列島だより』ではとつぜん桃太郎出生のひみつが明かされる
プカデミー賞当日はべつやくさんによる人形劇ライブも
「オチの人形は、え~と……」袋からオチを探すべつやく先生。こんなだんどりのわるい人形劇は初めてである
関西の人気番組ヨーロッパ企画の暗い旅はその1分版をずっとプープーテレビに連載してくれている。その中から名作『破壊神が乗り移った旅』が生まれた
「破壊神にのりうつられてこわしてしもた」と石田が言い出して……ゲストの道尾氏も絶賛のバカ作『破壊神が乗り移った旅』より
地主恵亮作品からはアホな実験『あぶらとり紙でフライドポテトの油をとる』がノミネート
数十枚のあぶらとり紙であぶらをとりきったポテトは「しけたじゃがりこの味」というリアルな結果
大北栄人作から『みんなの運動「自由民権運動」』
明治期の自由民権運動を体操みたいな運動としてとらえなおすこころみ『みんなの運動「自由民権運動」』より
毎週公開の大北作は人の2倍あるので2作ノミネート。「ブロコとカリフの『二人はアイドル!』(1)」
あたまがブロッコリーとカリフラワーの二人の姉妹がアイドルをめざすも途中で挫折して頭をゆでてしまう……なんだこのあらすじ「ブロコとカリフの『二人はアイドル!』(1)」より
プープーテレビの名物コーナーむかない男からは『むかない安藤4K「いがぐり」』
むかない安藤に最強の敵あらわる。いがぐりをむかずに食う……!!『むかない安藤4K「いがぐり」』より
むかない安藤を再生リストで一気見する場合はこちら。あらゆるむかなさを堪能できます
前年度プスカーにかがやいた藤原浩一作からは『おぞうに剣心』がノミネート
るろうに剣心かと思ったらただのおぞうにだった……今年もどうでもよかった藤原作『おぞうに剣心』より
藤原はどうでもいい絵描き歌ライブを披露し会場を大いににぎわせた(にぎわう会場もどうかと思うが)
1分まとめシリーズをインターネット動画界にうちたてた北村ヂン作品からはなぜかこれが。幅の広すぎるあるある『人間あるある』
びっくりするくらい当たり前のことからはじまり、謎の方向に突き抜けていく……『人間あるある』より
どうでもいい日常をミュージカル仕立てでお送りする宮城剛作品から「日常ミュージカル『風邪をひいた』」ところで最近デイリーの記事に出てこない宮城さんはエアギターなどで有名なおっちゃんです
なんだこれはとしか言いようのないミュージカル「日常ミュージカル『風邪をひいた』より
林雄司作から『ペリーがユーチューバーだったら』
ヒカキンみたいにペリーが出てくるなんだこれ案件『ペリーがユーチューバーだったら』より
テレビ番組でおもしろかったものを紹介するヒロエトオル作から『マグロ番組の世界観が少女マンガ化してる!』
あんたもナナっていうんだのマグロ版ありました『マグロ番組の世界観が少女マンガ化してる!』より
ヒロエくんも当日は生でテレビ番組紹介やってくれました
今年から参加、岩沢卓作品からは岐阜のものづくりのおっちゃんにインタビューしてきた『トイレットペーパーホルダーは、まだ進化出来る』
衝撃的な発明環境だった。人間も大人になってくるとこういう動画がおもしろくてしょうがなくなる。『トイレットペーパーホルダーは、まだ進化出来る』より
そしてプスカーはだれの手に!?
そしていよいよプカデミー賞が決まる。選考過程はゲストの道尾さんに「どれがおもしろかったっすか?」ときいてきまる。再生数や会場の受けなど一切関係ない。偏った真剣勝負だ。
「やっぱり怪力の旅が好きですね」と即答した道尾さん。よし決定! プカデミーはこの怪力の一作!
決定! 本年度プカデミー賞はヨーロッパ企画の暗い旅ポータル『怪力の旅』 候補作は破壊神だったが、これが好きとの一声で決定である。
水を飲もうとするが突然怪力を発揮してびしゃびしゃになってしまう不器用な男たちの悲しみ『怪力の旅』より
最後はドミノが全部倒されサライを歌いながら終わるというなぞの平和さを見せた。すばらしいイベントだった
ごきげんなやつらが大集合!
最近見たネットの話題で「アメリカではネット上のトラフィックの6割が動画。これからも増える」というものがあった。いわば今年も「動画が来る」という状態だ。
私たちプープーテレビのサイトには「これからは動画らしいぞではじめたコーナー」と書いてある。2008年からだ。グ~!(エド・はるみ)が流行った年だぞ。毎年動画が来る来るといわれ、地道にアホな動画を作ってきたのだ。
いや、考えてみればだれも「アホな動画が来る」とは言ってなかった。そこに気付かなかった私たちも悪いかもしれない。
しかしアホの火をたやすなかれ。1分まとめなどの大ヒット作も実際にある。今年こそ動画が来るという言葉をまた過剰に信じ、地道にくだらない動画を作っていこう。
そしてそろそろ門戸も一般に広げたい。来年は全インターネット動画を対象にしてもっともくだらないものにプカデミー賞をあげよう。また来年の5月あたりに募集します。
ヨーロッパ企画の石田さんは早退したのでプスカー像は前年同様藤原浩一の手に(保管係)