特集 2015年7月23日

街で見かける形をストローでつくる

手で支えてるのはストローです
手で支えてるのはストローです
ストローとクリップで模型をつくる方法があるらしい。

「ストローハウス」と呼ばれるその方法で、街で見かけるものの形を作ってみました。
1976年茨城県生まれ。地図好き。好きな川跡は藍染川です。(動画インタビュー)

前の記事:エスカレーターは何階までならエレベーターより速いか

> 個人サイト ツイッター(@mitsuchi)

ストローとクリップで形を作る

まずはこれを見てください。
ストローで作りました
ストローで作りました
ストローとクリップだけを使って、接着剤とかは使わずにこういう構造を作ることができる。

面白いですよね。ストローハウスと呼ばれているんだそうです。

組み方はこう。
まずストローが一本あります
まずストローが一本あります
これにクリップを差し込む
これにクリップを差し込む
そこにもう1つクリップを絡めて
そこにもう1つクリップを絡めて
ストローを挿す
ストローを挿す
これが基本形。あとはこれを繰り返すと、たとえば三角形ができる。
三角形になった
三角形になった
もちろん四角形もできる。
はい四角形
はい四角形
立方体にすれば自分で立つ。筋交いは必要だけど。
立方体にすれば自分で立つ。筋交いは必要だけど。
こんなふうに、ストローとクリップだけで形を作ることができる。なので、外に出て街で見かけるものの形を再現したいと思った。

たまに、外でキャンバスを置いて風景を描いてる人がいるでしょう。あんな感じで、ものの形をスケッチするように作りたいのだ。
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外にやってきました

はい、外です。
じゃーん
じゃーん
河川敷にやってきた。そして、河川敷でよく見かけるものといえばなにか。
どーん
どーん
そう、鉄橋です。
これが橋かー
これが橋かー
橋は骨組みがもろに見えてるので、最初の対象としてはいいんじゃないかと思う。

橋をよくみると、三角形を組み合わせた形になっているのが分かる。
ここが三角
ここが三角
三角形を基本にした構造はとても大事で、トラスと呼ばれている。なんで大事かっていうと、三角形はとてもじょうぶだからだ。
たとえば四角形はふにゃふにゃ
たとえば四角形はふにゃふにゃ
でも三角形は力を加えても形が変わらない
でも三角形は力を加えても形が変わらない
トラス構造で作られた橋はトラス橋と呼ばれる。この橋はその中でもワーレンさんという人が考えた形をしているのでワーレントラスという形だ。

この橋の形を、ストローで作ってみよう。
木陰によいしょと座る
木陰によいしょと座る
まず、橋の側面の形だ。
こんな形をしている
こんな形をしている
これは、三角形を横に組み合わせていけばできそうだ。
こんなふうですね
こんなふうですね
あとは、反対側の側面も作って、側面どうしを連結すればいい。

じゃあ、側面どうしはどうやってつながってるんだろう? つまり、上側はどんな形をしてるんだろう。
見てみると、三角だ。
見てみると、三角だ。
なるほど、上から見ても三角なのか。

ということで、三角で組んだ側面を、三角で組んだ上面と下面で結びつけてみる。
ちまちまと編む。
ちまちまと編む。
こんなふうになった。
こんなふうになった。
うむ、鉄橋ぽいのではないか。
地面に置いて、のぞき込んでみる
地面に置いて、のぞき込んでみる
間違いなく鉄橋!
トラス橋のダイナミックな感じが出るかと思ったら、
トラス橋のダイナミックな感じが出るかと思ったら、
急にかわいらしくなった。
急にかわいらしくなった。
急にかわいらしくなった。
覗きこんでみる
覗きこんでみる
最後のは家の中で改めて作り、プラレールという鉄道のおもちゃを置いてみた。なんかそれっぽい。

本物と違い、上下の面もぜんぶ正三角形で組んだので、細かいことをいうと側面どうしが半個分ずれている。でもそのおかげで、横から見ると X の形をした「ダブルワーレントラス」に似た感じになった。
参考:北恵那鉄道 木曾川橋梁のダブルワーレントラス。側面が X の形。「轍のあった道」より許可を得て掲載。
参考:北恵那鉄道 木曾川橋梁のダブルワーレントラス。側面が X の形。「轍のあった道」より許可を得て掲載。
本物のダブルワーレンはこんな感じです。ぼくのプラレール橋と違い、それぞれの側面が X の形をしている。かっこいい。
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別の場所に来た

次はこんな所にやってきた。
茨城県の水戸市です
茨城県の水戸市です
この街には、茨城県民ならみんなが知ってる有名な形のものがある。
これです
これです
ずいぶんくねくねしてるでしょう。水戸芸術館のシンボルで、「螺旋の塔」という。

NHK水戸放送局のすぐ隣にあるので、茨城県で地震があるたびに中継され、あのくねくねしたやつは倒れないのかとハラハラさせてくれることで茨城県人には有名である。
真下にやってきた
真下にやってきた
こんどはこの形を作ってみよう。

あらためて見てみると、くねくねの一個ずつは正三角形になっていることが分かる。
ここが三角
ここが三角
そして、立体的には正四面体を組み合わせた形であることが想像できる。
こころの目で見ると正四面体が見えてくる
こころの目で見ると正四面体が見えてくる
さっきの鉄橋は骨組みがもろに見えていたけれど、これは内部の骨組みを想像しながら作る必要がある。

人の体のスケッチでも骨を意識して描くことが重要というけど、この構造スケッチもそんな感じだ。
というわけで正四面体をひたすら連結していく
というわけで正四面体をひたすら連結していく
ためしにこの3個分を実物と比較する
ためしにこの3個分を実物と比較する
実物と比較してみると、なんとなく同じ骨組みが作れてるような気がする。
  実物だとここの部分
実物だとここの部分
螺旋の塔という名前だけあって、この塔はよく見るとくるくると回っているように見える。
くるくる
くるくる
このくるくるを再現するのは大変かなと思っていたんだけど、あまり何も考えず、正四面体をひたすらまっすぐつなげると自然にこうなるらしいことが分かってきた。
だんだんくねくねしてきた
だんだんくねくねしてきた
基本的には同じ構造と、同じ手順の繰り返しだ。ストローにクリップを入れて、そこにクリップを絡め、ストローを挿す。感覚としては編み物に近い。

そういえば、セーターとかもよく見ると三角形の形が基本になってたりするから、あれもトラス構造だなあ、トラスセーターだなあ、というようなことをぼんやりと考える。
近くに子どもの気配を感じる
近くに子どもの気配を感じる
作業するようすを子どもがちらちら見ていたりする。「何してるんですか?」と聞かれたりもする。

ぼくはいま、手打ちうどんの手打ちスペースにいる職人さんに似ている。観察されている。そんなことを思ったりしながら、ひたすら編む。

そして、1時間ほどたったころ、ついにできた。
できた!
できた!
ぼくがスマホを見てるのは、まさにこの写真を撮るための操作をしてるからです。

比較してみよう。
右が本物。左がストロー。
右が本物。左がストロー。
うん、たぶん、だいたい合ってる。

実はこの塔の内部には入れるようになっている。模型を持って中に入ったら、美術館の人が「よく作りましたね!」と驚いてくれた。

一階には建設中の写真やビデオ、模型などの資料があり、エレベーターで登ると上からの景色が展望できる。

建設中の骨組みだけの写真を見ると、まさにストロー模型のようだった。掲載できないのが残念だけど、設計した磯崎新さんが建設中の塔に登っている様子のビデオなんかもあったりするので、内部は必見です。
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東京ドームシティにやってきた

東京ドームの横にある遊園地にやってきた。
東京ドーム
東京ドーム
そしてその横には、こんな形の観覧車がある。
「ビッグ・オー」という名前の観覧車
「ビッグ・オー」という名前の観覧車
この観覧車、面白いことに中心軸がない。ふつうは自転車の車輪みたいに中心からスポークが伸びたみたいな構造になっているでしょう。

なので、その形から「ビッグ・オー」と呼ばれている。中心軸のない世界初の観覧車だそうだ。この形をストローで編んでみよう。
編み編み
編み編み
構造をよく見ると、やっぱり三角形が基本になっていることが分かる。
こことか
こことか
そして繰り返しの基本となる単位は、ここの白く描いた形のようだ。
これが基本単位
これが基本単位
四面体を長方形で横につなぐ感じ。長い辺は他の辺の約1.5倍ある。そしてこの単位が20個繰り返されている。
これで5個分くらい
これで5個分くらい
こんなことってふつう観察しない。観覧車に乗ろうと思うときに、「三角形が単位になってるな」とか「外周の辺のほうが1.5倍長いな」とか思わない。

だから、たまにこういうことをするのもいいのかもしれないと思う。
だいぶ出来てきた
だいぶ出来てきた
最初の5個を編むのに1分くらいかかり、ほんとに終わるのかなと思ったけど、残りはだんだんペースが上がってきて結局2時間くらいでなんとかできた。
やっとできたけど、持ち上げるとずんぐりむっくり
やっとできたけど、持ち上げるとずんぐりむっくり
「ビッグ・オー」というより、「ビッグ・ロ」みたいになった。地面に置いてみるとどうか。
まだましか
まだましか
観覧車を立たせるのはまだぼくには早かったようだ。でも、まあ「ビッグ・ロ」を作ったと思って納得することにしよう。

子どもの工作遊びにおすすめです

このストロー工作、なんといってもストローとクリップだけでできるので簡単です。

斜めに入れる筋交いは大事みたいなことが、実感として分かるようになりました。
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