スッポンの初心者です
あいつ、イコール、スッポン。噛む力がものすごいという話を聞くので、そのパワーを参考にしたい!
正直なところわたしは、一般的な亀とスッポンの違いすら明確に把握ができていないスッポン初心者なので、これを機にちゃんとスッポンに対面をしておいたほうがいい気がします。
で、ひたすらスッポンのいる水槽を見つめ続けるのだけど……
スッポン氏、どうやら砂の中に潜んでいるらしく姿は見えません。
「わたしも、もう1週間以上は姿を見ていない気がします……。」と、電話で事前に問い合わせた時にスタッフの方が言っていたので心の準備はしていたものの、いや、おお、想像以上に潜ってらっしゃる。
「人目に付くことは少ない。」説明どおりだ。
対照的に、まったく物怖じする気配のない亀たち。
「あれは食べたら美味いんだ。と、おじいちゃんは孫に力強くナマズの説明をしていた。
帰り際、お土産コーナーで「これスッポン?」とおもわしきフィギュアに出会うも、「それはワニ亀ですよ」と言われる。そ、そうか……。
翌日。あきらめきれないので今度は都内を徘徊します。
液(スッポンの)。
粉(スッポンの)。
おおおお……あ、会うにはあえたけども、会えたけども……
形がない!
でも。「君、巣鴨デビューにはまだはやいよね?」と店のおじさんたちに微笑まれながら飲んだスッポンの粉にはだいぶ効き目がありましたよ。
元気になりすぎたわたしは、普段の3倍くらいの歩きたい衝動にかられ、道すがらに立ち寄った爬虫類屋さんで偶然、スッポンに出会ってしまいました。
(※売り物なので、撮影はNGでしたが)
はじめて出会ったスッポンは、こわいのに可愛いらしく、可愛いのに恐ろしくて、ずっと見つめていたいのに目をそらしたくなるし、こんな悶々とした境地ははじめてです。
その気持ちが消えないうちに勢いよくスッポンづくりに励んでみます。
できました!裏側のお腹の部分ががま口になっています。
噛みつき力の要になる口の部分には、強めの洗濯バサミをダブルで内蔵。
買ってきた生地よりもスッポンぽかったので、着古したワンピースから布を拝借しました。予想外のエコ。
「ねえねえ」って言っているみたいに見える。
愉しそうだな。
わしっ。頼もしそうな噛み付き力!
ここまでの画像だとわかりにくいのですが、このスッポンは財布としてはかなり大きめです。
「バナナが3つも入る!」という、お財布らしからぬ機能を搭載してしまった。
まあ、いいじゃないか。大は小を兼ねるよ。
さっそく持ち歩いてみたいとおもいます。
スッポンにかじられながら街を歩こう
渋谷に出てみました。
わりとよくへばりついています。
さすが洗濯バサミ(口部分)。衣服と相性がよいなー
お腹からお賽銭出しつつ、離れないでほしいと祈る。
おお。大都会の喧噪にまぎれるとあんまり違和感ない。
日常動作をしながら、「スッポンは離れないのか?財布としてちゃんと使えるのか?」を検証してみています。
おし、ここらで傘の骨でもくわえてみようか。
あっさり墜落。
ちょっと汚れた。
洗濯バサミ、傘の骨とは相性よくなかったんですね。
そして汚れが、汚れが……。
そうだ、しみ抜きを買おう。
あ、あった……。
お会計。店員さんがスッポンに微笑していた気がするのだけど、恥ずかしくてほとんど目をそらしてしまっていた。
普段、食べこぼしにはわりとおおざっぱに対応をしていて、手洗い場の水と石けんでわっしゃーっと適当にやりすごすことも多いのですが、スッポンに対してはずいぶん過敏に反応しています。
撮影者(友人)に、「スッポン、なついているみたいに見えるねー」と言われてちょっと嬉しくなる。
そうか。わたしはこのスッポンが好きなんだな。
しみ抜きを買ってから試すまでのスピード感、その手さばきの丁寧さではっとしました。
これだけ大きな愛着を抱けているうちなら、財布はもうなくさないんじゃないでしょうか。あとはその気持ちの持続力次第なのかもしれません。
さらに離れない方法もあるな
あっ………
ひいいいいいいいいいいいいーーーーー!
と、今の2つはちょっと過剰演出がはいっています。
思いついたのでちょっと試してみました。
日焼け防止用のロング手袋にアクリル絵の具を塗り
両手にするするとはめる。
ほんものの左手人差し指はいたって無事。逃がせるようにこっそり手袋に穴あけています。
遠目に見ると、「それっぽさ」が上昇!
これ、離れにくいし日焼け防止効果も期待できるからすごくいいんじゃないだろうか!
ただ、「あの人大丈夫かな……?」とおもわれる確率もそれ相応にありそうな気がしています。日常使いをするには、あともう10センチくらい勇気が必要なのかもしれません。
おもっていたよりもスッポンぽくなってくれた
「これ、お財布にしては大きめ?でも食べたらかなり食べ応えありそうだな!」
出来上がりを眺めながら、そうおもった瞬間に「わたしは亀ではなくてスッポンをつくった!」という実感がじんわりと沸いてきました。
布を扱うのが楽しくなってきたので、近いうちにぜひともミシンが欲しいです。