どうやってやるのか
実は同じような企画を編集部の安藤さんがやっている。
特殊なフィルターを使って撮影するという方法だ。でも、1分間ほどシャッターを開けて撮影する必要があり、人ごみの中で1人静止していないといけないのだ。
……そんなの無理だろう。小心者の僕にはとても出来そうにない。
それなら、誰にでも出来そうな方法を見つければいい。誰もいない時間帯に撮影すればいいのだ。
朝は意外と人がいる
誰もいない時間帯といったら、始発前だろう。
普段は人でごった返すような場所に、カメラと三脚を背負い自転車で向かうことにした。
4時過ぎの新宿西口はこんな感じである。
普段は人がたくさんいる小田急百貨店前。ガラガラだ。
ご覧の通り、誰もいない。……と思っていたのだが、意外とちらほら人がいる。
よく見ると結構いる!
このまま撮ると人が写り込んでちょっと目立ってしまう。
写り込まないように試行錯誤した結果、このような写真が撮れた。先に結果を見ていただこう。
いろいろな場所でひとりぼっちだ。
いかがだろうか。結構面白い写真が撮れたのと、撮影自体も面白い体験だったので、ここからは色んな場所で撮影して得たノウハウを皆さんに共有していきたい。
始発のあとは意外と人が減る
最初の舞台は池袋のサンシャイン通りだ。始発が動く前の4時にやってきたのだが、やはりぽつぽつと人がいた。
困ったなと思っていたら、ここで発見があった。始発の時間を過ぎると意外と人が減るのだ。みんな始発に乗って帰るのだろう。僕だって終電を逃したら始発で帰りたい。
というわけで、人がいなくなるまでしばらく待った結果、こういう写真が撮れた。
サンシャイン通りでぽつんとひとりぼっち。
明るくなってきたものの、まだ日が昇る前なので影がない。そのため雑な合成写真のような写真が撮れた。学生のときにこういうコラ画像をたくさん作ったのを思い出した。
駅では人を隠せ
駅前での撮影もしたい。ただ、大きい駅では人がちらほらいる。
こういうときは、自分の姿で人を隠せばいいのである。
池袋駅東口のところに人がいるので、
こう。
ちょっと強引だが、どうにも人がいる場合は仕方がない。
ただし駅によってはどうにもダメな場合がある。新宿駅は南口が人が少なかったが、それでもぽつぽつと人が写ってしまった。
目を凝らすと右の方に人がいます。
新宿駅の難易度は本当に高い。皆さんも注意してほしい。
何しろ歌舞伎町は4時でもこの人の量なのだ。飲み屋があると人類はいつまでもそこにいるらしい。
まさに眠らない街だ。
飲み屋の少ない場所を探せ
それなら、飲み屋が少ない場所ならいいのかもしれない。
というわけでやってきたのは銀座だ。いや銀座は飲み屋が多いような気はするのだが、僕が銀座っぽいと思っている三越や松屋銀座の辺りは意外と飲み屋がなかったのだ。
道を一本入ると誰もいない。
飲み屋があると始発の時間はゴミ収集車が活動しているのだが、それがない。これだけで格段に撮りやすくなるのだ。
そういうわけでこんな写真が撮れた。
いつも歩行者天国で人がいっぱいの松屋銀座前がこんなことに。
銀座を独り占め!という気分を味わうことが出来てかなり楽しい。
コンビニが少ないのも撮影中に気がついた。コンビニの周りには常に人がいるので、これがないのもいい方向に働いている。
そういえば昼間に歩くとコンビニが見当たらなくて困ったことがあったが、こういうときは便利だ。銀座は人類がいなくなるシミュレーションをするのに向いている街だ。
また、人が歩いていると撮るのは難しいが、車しか通っていないと撮るのは簡単だったりする。
10分くらい粘ると信号の巡り合わせで車がいなくなるタイミングがあるのだ。これはかなり発見で、すごい!と思ったんですが、これ伝わりますでしょうか。皆さん付いてこれてますか。
車通りが多い歌舞伎座もこのように。
若者の街をねらえ
原宿・竹下通りはいつも中高生であふれている。ゴールデンウィークの昼間に撮った写真を見てもらいたい。
これ撮るときに捕まったりしないか不安になりました。
ものすごい人出だ。これが早朝になるとどうなるんだろう。
こうなります。
誰もいない。竹下通りは飲み過ぎて朝帰りするような中高生はいないのだ(というか飲み屋がない)。
見通しがいいので、人がいないのが良くわかる。ここを一気に走り抜けたらさぞ気持ちがいいだろう。今回の撮影スポットでは一番ぴったりなところだった。普段はまったく行く用事がないのだけど。
駅まで誰もいない。
駅前にもいない。
クレープ屋にもいない(閉まってるからだけど)。
東京は結構眠っていなかった
今回ひとりぼっちで撮影するためのノウハウが結構身についたのでまとめてみよう。
・ 始発のあとは意外と人が減る
・ 駅では人を隠せ
・ 飲み屋の少ない場所を探せ
・ 若者の街をねらえ
これらのノウハウを意識して、ぜひ皆さんも体験してほしい。実際に現地に行ってみると、まるで別世界に来たような感じがとても新鮮に感じるのだ。
ただ撮影している脇でゴミ収集車がゴミを集めていたり、タクシーが走っていたりするのがどんどん視界に入ってくるので、気にしないようにしないと別世界から一気に現実世界に引き戻されるので気を付けないといけない。文明社会は容赦がない。
思っていたより東京は24時間働いているんだなぁ・・・と思いつつ、二度寝しに家に帰って行ったのでした。
おばあちゃんの原宿なら早朝でも散歩している人がいるのでは!と思って巣鴨のとげぬき地蔵に行ったが、普通に無人でした。