え?なにこの規模!?
こんな巨大な城跡だったの?!
カーナビに従って到着して、そのスケールのでかさに
「なんだこれは!?」
と唸った。
城跡鑑賞は、マニアックなものになると見た目は完全にただの山だったりして、その中から谷っぽいところを見ては空堀を想像したりする。そういうレベルの城を勝手にイメージして来ただけに、このギャップにまず驚いてしまった。
馬場跡
大手門跡
併設されている博物館がこれまた巨大。
城の全体図を再現したジオラマがある。
この名護屋城、一体なにものなのか?
・場所は佐賀県北部、唐津市は鎮西町
・総面積17万平方メートル
・天下統一を果たした豊臣秀吉が、朝鮮出兵の拠点として築いた城
・7年間、秀吉がここに住んだ
・全国から集まった160家の戦国大名の陣城も同時に作られた
・国の特別史跡
・日本の城100選
と、めちゃめちゃ由緒正しい城。
しかしそれにしてはあまりメジャーではないのは、朝鮮出兵という負の歴史遺産的側面が少なからず影響しているようだ。
亀甲船!
博物館の展示はかなり韓国に配慮した内容で、友好・交流を全面に打ち出している感じだった。
韓国版モアイ・済州島の石像「トルハルバン」があったり。
一方、東郷平八郎がそのむかし本丸跡地に建てた石碑には遠慮が微塵もなく、時代性を感じた。
城のPRを考える現代の武士(もののふ)
さて今回、肥前名護屋城・歴史ツーリズム協議会の田中秀樹さんに城内を案内して頂いた。
肥前名護屋城・歴史ツーリズム協議会の田中秀樹さん
田中さんとは実はだいぶ前から知り合いで、何度も一緒に飲んだりボードゲームしたりしている。で、今は城を活用するプロジェクトに取り組んでいるという話を聞き、今回訪れた。
田中さんは戦国グッズの自主ブランド「
もののふ」の運営を2004年からされていて、仲間内からは「もののふさん」と呼ばれている。今は通販のみだがかつては新宿に店舗を持ってバリバリ売っていたそうだ。
が、昨今ではアイドルグループ・ももクロのファンのことを「もののふ」と呼ぶようになり、自己紹介すると
「誰推しですか?」
と聞かれるのがここ最近の悩みとのこと。
あのへんの木が邪魔で石垣が見渡せない。
田中さん達の活動は、諸々の理由でいまいち知られてない名護屋城をPRし、地域の活性化につなげようというもの。
そのために日々いろいろ策を練ってるところで、そのうちのひとつが上の写真。赤丸で囲った部分の木を伐採して広大な石垣が見渡せるようにしてはどうかというプラン。
このあたりをバッサリ切ってはどうかと。(城跡は放っておくと草木が生い茂って野山となってしまう)
人為的に壊された石垣。
こちらの石垣は人為的に壊されている。
これは島原の乱で廃城だった原城が一揆軍に使われたことを受け、同様のことを防ぐために壊したとのこと。
すべてを完全に壊すのではなく、ところどころ崩してあるのが興味深い。
崩した石がそのままになって放置されている。
石切り場。石を割ろうとした痕跡が残る「割れない石」。これを恋人達が別れない縁起ものにしようなんてプランも。
謎の多い城
名護屋城は現存する資料が少なく、謎の多い城だという。
本丸跡地の地面に、石垣が埋まっている。
こちらは一部を掘り起こしたところ。
本丸および天守台跡地。端の方に立つと飛ばされそうなほど風が強い。
あちこちにいろんな石碑がある。
そして見晴らしがいい。
周辺には朝鮮出兵のために集まった大名陣跡がおよそ130箇所もある。
そのうちのひとつ、前田利家陣跡。
他にも秀吉の住まいだった山里丸、台所丸(文字通り台所だったのだろう)など、いろいろ見どころがあったが、似たような写真が続くので最後に個人的に感銘を受けたものを
ここに泊まった。
イカがうまい
名護屋城の近くにある国民宿舎・呼子ロッジというところに泊まった。5800円というビジネスホテルなどと比べても安い値段(平日限定)だったのだが、2食付きでしかも夕食にはイカの活き造りがでてきた!
イカの活造り。(ここまでバラバラにされてるのにまだ動いてた)
ゲソの天ぷら。激ウマ。
呼子で食べるイカの活き造りはだいたいどこも2700円前後らしく、それが付いてさらに風呂も大浴場で、普段出張で泊まるビジネスホテルと比べてすごいお得感があった。なによりイカがうまいのがとても良かった。
昼間からけっこうな賑わいぶり。
翌日はこれまた名護屋城の近くにある波戸岬に行き、こんな感じのところでサザエのツボ焼きと牡蠣焼きを食べた。
いい雰囲気だな~。
このソースが抜群だった。
カキ専用ソースが置いてあり、さすが専用だけあってこのソースが抜群の美味しさだった。
まとめ
・イカがうまい!
・カキ専用ソース欲しい。
と、食べ物に持って行かれそうな勢いだが、城もでかくてよかったです。