西葛西の荒川が、ガンジス川を彷彿と……?
その一節にはじめて目が触れた時、わたしは思わず滑稽な叫び声を発してしまいました。
どうにも信じがたかったのです。
いつかは行きたいと思っていた、インドのあのガンジス川。
あのガンジス川と荒川が似ている。……似ていると??
ちなみに、こちらがガンジス川。(編集部・安藤さん撮影)
荒川
ガンジス川
荒川!
ガンジス川!!
うーーーん。
荒川には、釣りをするおっさんはいても沐浴をするおっさんはいないし、もしいたとしたらきっと溺れる!
ところで、西葛西は日本最大のインド人街です。
そしてその近くにあるのが荒川。
荒川がガンジス川に似ているという説の発端はどうやらそこにあるようなんですが、はたして、実際に住んでいるインド人の方々は、ほんとうにそう思っていんでしょうか?
1人目「荒川、汚い。」
と、いきなりの告白からはじまってすみません。
そう、ほんとうは苦手なのです。
「やりたい」と「得意」はそう簡単に併設されてはくれない。
当初、街頭でインタビューをするのはアリか?という大それたことを考えてなくもなかったんですが、それは非常にためらわれるのが本音です。
なので、お客としてそっとインド料理屋さんに足を運ぶことに。それでもじゅうぶん緊張する。
ちなみに、「きんちょうする」って書きすぎているその時のメモ帳がこちらです。
「似ているって聞いていたから見に行ってみたんだけど『え、ほんとなの?うそー!』って。全然ちがいますよ!むしろ……汚いですよね、荒川」
ちなみに、荒川を「汚い!」というのには彼の故郷の位置にも関係があるようです。
自身の生まれ故郷を指差してくれました。
ここ、ガンジスの中でも、だいぶ上流域の位置なんです。
西葛西付近の荒川はだいぶ下流域だから、水の透明度の違いかなりなんじゃ……というか、何もかも、ぜんっぜん、だいぶ違うのではないでしょうか。
余談ですが、手書きで加筆とおぼしき「ガンディ」の「ガ」の字だけやたらに大きかったです。
2人目「ニホンゴ、ヨクワカンナイヨ」
さて、次はインド食材・雑貨店へ向かいます。
「え、これは飲み物なのか?……いや、化粧品?薬品か?」という、商品の謎具合に目を奪われつつ、思い切って今日いちばん聞きたかった本題を投げかけてみたのですが……
ちなみに、荒川のローマ字表記は、「Ara River」ではなくて、「Arakawa River」らしいですね。
だけど、通じなかった理由はそこだけではなかろうと推測します。
3人目「インドカレーは好きですか?」
ふたたびインド料理屋さんへと向かってみます。
……触れられたくない質問だったのか。
それとも、質問があんまりにも滑稽(なぜ、突然にその2つを比較するんだ?というかんじというか)だったので言葉に窮してしまったのか。
とりあえず、彼の質問にはきちんと答えてみましたが、わたしの職業についてはイマイチ伝えきれていない気がします。
4人目「意味合いが違う!」
「ガンジス川と荒川では、『意味合い』が違いすぎる」
そもそも見た目の問題ではなかったのだ。
もっともすぎる答えを聞いてしまった気がします。
でも。荒川だって、とくに神聖な意味合いはなくとも立派な川!!!
冒頭では「汚い」とかも言われちゃっていたし(や、わたしもちょっとそう思っているんだけど)、なんだか不憫になってきたので、最後にちょっとだけ荒川を持ち上げてみました。
それにしても。途中でちょっと書いた荒川の英語訳が「Ara River」じゃないっていう件はこれを機に覚えたいんですけど、今後使う機会がなさそうな気がしてなりません。
川を、どうとらえるかでだいぶ違う
ただ、単純に「川は水!」と思えば、あの川とこの川も、どこか似ているところがあるのかもしれませんが、川を水以上の存在と思っているかぎり、似ている存在なんてそうそう見つかるはずもないんだろうな。そりゃそうか。でも、あらためてそう思いました。
ところで、本文中に書くと横道にそれそうなので書きませんでしたが、西葛西のインド料理は軒並み美味しかったです。食べ足りない。
これは、何者だかもよくわからずに雑貨屋で買ったものたち。