コラボ企画 2015年2月9日

住宅の最新機能を、人力で再現する

ハイテク住宅を人力で再現します。
ハイテク住宅を人力で再現します。
エコハウスやスマートハウスと呼ばれる家が人気らしい。

省エネルギーだったり安全対策だったり、いろいろなところに最新技術が使われた住宅のことである。

それ、人がやろうとするとどのくらい大変なんだろう。

同じ機能を人の手で再現してみました。


※今回はLISTとのコラボのため販売中の住宅で撮影しています。実際の住宅とは装備が異なることがあります。
1975年愛知県生まれ。行く先々で「うちの会社にはいないタイプだよね」と言われるが、本人はそんなこともないと思っている。(動画インタビュー)

前の記事:リアス式海岸はギザギザしているのか

> 個人サイト むかない安藤 Twitter

それくらい、おれたちにもできないか

いまや家も進化を遂げ、いろいろな最新機能を備えた住宅が人気だという。

たとえば電気を使わずに室温を快適に保ったり、外から家電を操作できたり、そういうことを家がやってくれるのだ。それはすごい。

しかし考えようによってはそれ、人がやってもよくないか。家ばかりがスマートだエコだとちやほやされてずるいので、ここで最新機能を人で再現して家の鼻をあかしてやりたいと思う。

エコハウスの「換気」を人力で再現する

まず見ていただきたい。これ、エコハウスのどんな機能を表しているかわかるだろうか。
おれたち、なーんだ。
おれたち、なーんだ。
なーんだ。
なーんだ。
正解は「換気」である。

最新のエコハウスには24時間熱交換換気システムが搭載されているのだ。

どういうことかというと
部屋が寒い!
部屋が寒い!
それもそのはず、室温10℃だもの。
それもそのはず、室温10℃だもの。
そんな時にも役に立つのが我々エコハウスである。
背の順に並んだエコの換気システム。全員メガネ。
背の順に並んだエコハウスの換気システム。写真左から木村、西村、安藤、地主、斎藤。全員メガネなのは普段ライターとして活動しているなごり。
エコハウスの「換気」システムは、冷たい外気を温めて部屋の中に引き込むのだという。

それを人が再現するとこうなる。
まずは自分たちの体を温めなきゃね!
まずは自分たちの体を温めなきゃね!
そうしたら冷たい外気を肺の中でいったん温めて、それから室内へと引き込むよね。
そうしたら冷たい外気を肺の中でいったん温めて、それから室内へと引き込むよね。
しばらくすると室温が0.4℃も上がった!
しばらくすると室温が0.4℃も上がった!
われわれエコハウスの努力により室温を上げることに成功した。若干室内に二酸化炭素が多めに含まれているかもしれないが、それは暖かさとのトレードである。

しかしこれ、5分もやっていると一人二人とふらふらしながら座り込んでいく。なかなかハードな機能だとわかる。

座り込むエコハウス。
座り込むエコハウス。
これを24時間体制で対応するには肺から鍛えなおす必要があるだろう。くやしいがこれが現実である。

人対家の戦いはまだまだ続く。

次に挑戦する機能は「断熱」である。どうするどうなるエコハウス。

「断熱」はどうか

次は断熱性能に迫る。せっかく換気システムによって暖められた室内も、温度をキープできなくてはまたすぐに寒くなってしまうだろう。

またすぐ寒くなったわよ!。
またすぐ寒くなったわよ!
こんな時もエコハウスの出番である。おい、みんな、また住人が寒いって言ってるぞ!
いつ休んでいいって言った。
いつ休んでいいって言った。
エコハウス役の我々に不可能はないのだ。
ぞろぞろと入ってくるエコハウス。
ぞろぞろと入ってくるエコハウス。
この照明邪魔だから出しちゃおうか(実際のエコハウスにこういう余計な機能はないです)。
この照明邪魔だから出しちゃおうか(実際のエコハウスにこういう余計な機能はないです)。
ドアも閉めますね(これも人ならでは)。
ドアも閉めますね(これも人ならでは)。
おれたち「断熱材!」 住人「快適!」
おれたち「断熱材!」 住人「快適!」
説明しよう(まさか説明なしに済ませようとは思っていません)。

ここでわれわれが再現したかったのは壁の断熱効果である。

最新のエコハウスはエネルギーを極力使わずに部屋の温度を一定に保つよう、壁の断熱性能がハンパないことになっているらしいのだ。そのハンパのなさを人で再現してみた。結果、見ての通りトラウマになるレベルの分かりやすさである。

でもこれ、形だけではなく、実際なんとなく部屋が暖かくなったような気がするから不思議である。単に一部屋に人がたくさん入ったから、という気がしないではないけれど。

「窓」もエコに

断熱といえばもう一つ、壁の断熱以外にも特徴的な装備がある。

それは窓である。
寒いわりに日差しがまぶしいわ!
寒いわりに日差しがまぶしいわ!
こんなときにはカーテンの出番である。いやちがう、エコハウスの出番である。
いま呼んだよね(実際のエコハウスにこういったイライラさせる感じはありません)。
いま呼んだよね(実際のエコハウスにこういったイライラさせる感じはありません)。
これはちょっとわかりにく過ぎるので先に説明しよう。

エコハウスは断熱効果をより高めるため、窓にはペアガラスと呼ばれる二重ガラスを採用している。ガラスとガラスの間にはアルゴンガスが封入されていて、さらに効果を高めているのだとか。
準備するエコハウスたち。
準備するエコハウスたち。
これが実際のペアガラス。
これが実際のペアガラス。
光の加減で少し緑がかって見えるのは有害な紫外線をカットしてくれているのだが、それを我々は緑色の風船で再現したわけだ。
ガラスとガラスの間にアルゴンガス。
ガラスとガラスの間にアルゴンガス。
遊んでいるわけではない。部屋の暖気を逃がさないようにしているのだ。
「断熱性能の高いペアガラスのおかげで紫外線もカット、しかも室内の暖気を逃がさない!」
「断熱性能の高いペアガラスのおかげで紫外線もカット、しかも室内の暖気を逃がさない!」
これもまた完璧に再現できた。

写っていないが僕の後ろでLISTの担当者が苦笑いしていて振り向くのが怖い。実はこの担当者の分のTシャツも用意してあったのだけれど言い出せずに持ち帰った。

この日は寒く、外気温5℃以下の環境で窓を開け放って撮影していたのだけれど、我々の断熱効果のおかげか室内の温度はおどろくほど保たれていた。ただ、途中でエコハウスの一人、木村さんが足をつったのでいったん休憩となった。
足をつるエコ木村。
足をつるエコ木村。
これも人には過酷だ。最新住宅に匹敵する性能を維持するには、24時間体制でシフトを組む必要があるだろう。

「換気」「断熱」は再現できた。最後は「安全」だ。

人が守ると「安全」か

環境に配慮したエコハウスに加え、スマートハウスと呼ばれる住宅では家電を遠隔操作することができるのだとか。誰もいないキッチンでポットがガタガタいったりするんだろうか。

もちろんそんなポルターガイストみたいな無駄な機能ではなく、たとえば住人が帰ってくる前に家の電気をつけておいてくれる機能など。これは一人暮らしの女性にはさぞ心強いだろう。
ちょうど一人暮らしの女性が帰ってきたぞ。
ちょうど一人暮らしの女性が帰ってきたぞ。

この「安全」機能も人で再現してみたい。つまりこういうことだろう。

帰ってきたよー。
帰ってきたよー。
スマートハウスとしての我々をあらかじめ等間隔で帰路に配置、伝言リレーで家人の帰りを伝えていく。
まずい!伝言リレーを住人が追い越しそうになる一幕も。
まずい!伝言リレーを住人が追い越しそうになる一幕も。
外からの叫び声を聞いて部屋で待機していた人がスイッチオン。
外からの叫び声を聞いて部屋で待機していた人がスイッチオン。
住人が帰る前に無事点灯。
住人が帰る前に無事点灯。
安心!
安心!

完全に安全である。

スマートハウスが提供する「安全」機能を、人力で再現しようとすると最低でも10メートルおきに5人くらいは必要だということがわかる。あと少し楽しい。やってみるものである。

しかしこれもいつ住人が帰ってくるのかわからないので、常にスタンバイしておく必要があるぞ。

なぜか進化の過程みたいな絵になった。
なぜか進化の過程みたいな絵になった。

そう考えると住人が帰る前に電気をつけておいてくれるスマートハウスの機能は確かになかなかやる。おっさん5人を丸一日拘束すると寒いだの腹減っただの言いだすが、スマートハウスならば文句言わない。

エコハウスもスマートハウスもそうだが、その場限りならば人力でなんとかできる気がするのだ。しかし住むのは一生である。そう考えるとたぶん家にお願いしたほうがいい。未来がすぐそこまで来ているのを実感しました。


最新の住宅はすごい

省エネも安全も、気にはなるけどどうしても後回しにしてしまう要素であろう。それを家が勝手にやってくれるなんて便利な時代がきたものである。

自分たちでやってみるとエコハウスやスマートハウスの偉大さが身に染みてわかりました。あとおっさん5人が一部屋にいるだけでなんとなく室内が暖かくなることも。
絶対使わなさそうな写真もいっぱい撮った。打ち合わせしているところを
絶対使わなさそうな写真もいっぱい撮った。打ち合わせしているところを
別アングルから撮影。
別アングルから撮影。

※実際の最新住宅にこの人たちはついてきません。

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