デコトラ=ロボットレストラン説
今まで知らなかったけど、群馬の利根川河川敷で毎年、デコトラの愛好家団体が主催する年越しデコトラ大集会イベントが開催されているんだそうです。
オレの実家の近くで毎年、そんなことやってたなんて知らなかった!
しかも今年(2014年)は、先日亡くなった菅原文太さんの追悼イベントも兼ねて行うため、例年以上に大規模なものになるんだとか。
菅原文太さんといえば……そう、映画『トラック野郎』シリーズ! その『トラック野郎』で文太さんが乗っていたデコトラ「一番星」の展示もあるらしいですよ。コレは見に行かなくちゃ!
『仁義なき戦い』よりも朝日ソーラー!
しかしこのイベント会場が、サイトなどを見てもかなり漠然と「○○橋の辺りの河川敷」なんて告知されているだけで、具体的な場所がイマイチ分からない。
こんな告知の仕方でみんなたどり着けるのかな……なんて不安になりつつ、真っ暗な道をほとほと歩いて、会場近辺と思われる土手を上ってみると……。あ、分かった!
群馬にもこんな夜景が……? と思いきや(思ってないけど)
うわーい、無数のデコトラ軍団だーッ!
もう、のっけから腰を抜かすほどのデコトラの数&スゴイ明るさ! これだけ大規模&ド派手なら、そりゃあ詳細な場所なんて告知しなくてもみんな集まってこれるってもんです。
そして普通、夜に開催される展示イベントだったら、照明だなんだが絶対に必要になってくるところですけど、デコトラ集会の場合は必要ナシ! だって展示物(デコトラ)が自ら発光してるんだもん。
おうおう、光っておる光っておる
写真で見ててもまぶしい! コレが対向車線から近づいて来たらビビるよなぁ……
どこまでが1台のトラックなのか分からないレベルのビカビカっぷり
いやあ、右を向いても左を向いてもビカビカ!
実際に実物を見てみても、やっぱり「オレは一生こういう車に乗ることはないだろうな」という感じの完全異文化なんだけど、とりあえず見ている分にはメチャクチャ楽しい。
フォトジェニックな被写体って、写真を撮ってるだけでテンションがグイグイ上がってきますよね。
それにしても、なーんか既視感あるなぁ~……と思ったら
ああ、ロボットレストラン
生デコトラを見るのなんて間違いなくはじめてなのに、どこかで同じようなものを見た記憶が……と思ったら、ロボットレストランだ!
おそらく、このデコトラ軍団がロボットレストランにボガーンと突っ込んでもまったく違和感がないことでしょう。
MEGUMIファンはここにいた!
最近は LEDの普及のおかげか(ノーベル賞おめでとう!)デコトラ業界もふんだんにLEDを取り入れて、複雑にビカビカ発光する電飾が花盛り……という感じなんですが、やっぱりデコトラといえば電飾だけじゃなく、ペイント……いわゆる般若や龍の絵がボディに描かれているイメージがありますよね。
夜のイベントなので、どうしても電飾系のデコトラに比べると目立ってなかったものの、ペイント系のデコトラもいっぱいありました。
ああ、こういう感じ、こういう感じ
ちょっと前までのデコトラのイメージってこんな感じですよね
マリア様……!? どうしてこの手の人たちって、特に信心深くはなさそうなのに、宗教モチーフが好きなんですかね?
そして、お姉ちゃん系のペイントもありました。……MEGUMI!?
久々に見たなぁ……MEGUMI(たぶん)。
かつてはトラック運ちゃんが愛好するアイドルといえば工藤静香がド定番でしたが、それが今はMEGUMIなんですかねぇ? し……渋い。
ここでAKB48とかももクロに行かないあたりが非常に「らしい」です。
そして(浜崎)あゆマークもいっぱい見かけました。やっぱりこの層が支えているんだ!
デコトラ以外の「デコ○○」
さてさて、デコトラといえばやっぱり巨大なトラックをド派手にデコレーションしたもの……というイメージですけど、「それ以外の車のデコレーションしたっていいじゃん!」とばかりにデコレーションした「デコ○○」が色々とありました。
デコ軽トラ。コレで農作業とかに行ってたら衝撃的です
デコバス(ネコバスっぽい響きだけど似て非なるもの)
デコセンチュリー(トヨタの)
この車、焼きいも屋さんらしいです
そして、デコ消防車……いいのか!?
「金求(きんきゅう)自動車」などなど、ビミョーな小ネタが散りばめられていて、本物の消防車なのか、フェイクなのか判断に苦しむところ
ナンバーも「ど田舎」になってるし……どういうことなのだ!?
そもそも乗りやすいの?
どれもこれもオリジナリティがあふれまくっていて、見ている分には非常に面白いんですが、デコトラはただのイルミネーションじゃなくて、普段は業務に使っているトラック。
そもそもこんなにデコっちゃってるトラックって、車として乗りやすいんですかねぇ?
……というわけで聞いてみました。
外装はともかくとして
内装までこんな感じだもん……乗りやすいの!?
――こういう車って……ぶっちゃけ乗りやすいんですか?
「え、乗りやすいよ! だって長時間の運転を快適に過ごすためにこうしてるんだもん。長い時間を過ごすんだから、どうせだったらシートを快適なのにしたい、いい音で音楽を聴きたい、キレイな照明にしたい……って色々やってるウチにこうなっちゃった」
――ああー……、自分の部屋感覚ってことですかね。じゃあ内装はいいとして、外装をこんなにビカビカにする意味が分からないんですが……。
「まあ、運転してたら自分で見れるわけでもないからねぇ~……。でも、高速のサービスエリアとかで他のデコトラを見かけると『コイツには負けてられない!』とか対抗意識が出てきちゃうんだよね」
――こういうのって、設計図を書いて作っていくものなんですか?
「いやー、『こういパーツが入ったからつけてみませんか?』とかショップと相談しながら、じょじょに改造していく感じだから、最初から完成形が見えてるわけじゃないねぇ。今だって、まだ完成しているわけじゃないから!」
――はぁ~……。ちなみに、改造にはおいくらくらいかかってるんですか?
「うーん……何だかんだで今のところ1000万くらいかなぁ~」
1000マン! しかも車体の値段は別! 相当な高級外車が買えるような値段! ちょっとしたマンションだったら買えるんじゃないかという値段ですよ!
まあ、確かにトラックの運転手にとって自宅よりも、自家用車よりも遙かに長い時間を過ごすトラックにこだわって、金をつぎ込みまくるというのは正しいのかもしれませんが……。スゴイ世界だなぁ!
昭和デコトラはやっぱりカッコいい!
さて、ここまで見てきたのは、昭和感覚も取り入れつつも、基本的には現役バリバリで稼働している最新型のデコトラ。
しかし今回のイベントの目玉は、あの昭和デコトラですよ!
バーン、一番星!
えーっと、説明しなきゃ分からないかと思いますが、映画『トラック野郎』で菅原文太さんが実際に乗っていたデコトラがこの「一番星」なんですよね。
昭和テイスト……ではなく、もう昭和そのまんま!
アニメファンにとってのお台場実物大ガンダムみたいなもんですよ。これはテンション上がる!
こちらが背面。ペイントも味わい深い!
そしてなんといっても、LEDじゃなくて電球を使った電飾がたまらない!
LEDの、プログラムされた複雑なビカビカっぷりもいいですが、電球のアナログ感あふれる電飾も非常にいい味出してます!
そしてなにより、電球はあったかい! メチャクチャ寒い大晦日の夜だけに、みんな一番星を取り囲みつつ、電球に手をかざして暖をとっていたのが印象的でした……。
電球がLEDに勝てる数少ないポイントです!?
男たちのエレクトリカルパレードだ!
色々と異文化過ぎて衝撃的だったデコトラ集会。デコトラあまり興味がなくても、とにかく見ている分にはイルミネーション。エレクトリカルパレード感覚で楽しむことができました。
ディズニーランドじゃお金を取って見せているエレクトリカルパレードを、各自が自腹で(1000万近く!)トラックを改造して、無料でみんなに披露しているようなもんですからね。
このデコトラ集会は、毎年大晦日に行われているそうなんで、今年の年末はお出かけしてみてはいかがでしょうか!?
トラックの運ちゃん大集合のカウントダウンもスゴかったです(ステージはもちろんトレーラー!)