西鉄バスだらけの福岡の中心「天神」
地元最強クラスの助っ人に教えてもらう
西鉄バスに乗っても、停留所を見ても、快速とか急行などの停車駅案内が見つからない。
そこで九州大学鉄道研究同好会の伊藤さんと大泉さんに協力してもらうことに。強力な助っ人である。
なんでも、部員の智を総力で結集して、西鉄バス快速・急行1日体験ツアーを作ったとか。
伊藤さん(右)と大泉(左)さんと、うどんで腹ごしらえ。福岡もうどん屋が目立つ
最初にやってきたのは、福岡市の南にある「清水町」バス停。駅で言うと西鉄の高宮駅あたりにある。
清水町バス停は、速い路線バスが停車するバス停だからぜひ紹介したいとか。
待ってたら急行が次々と。
ところが停車駅ならぬ停車バス停はどこにも書かれてないようだ。伊藤さんらも「おかしいですね」としばらく頭をひねる。マニアでもわからいとはなかなかハードルが高そうだ。
伊藤さん「ここにありましたよ!」
本当だ!急行は4駅ほど通過している!
「実はここに停車駅は書いてあるんですよ」
ものすごく小さい文字で書かれていた
急行は、福岡の中心の天神を抜け、さらに路線バスなのに高速道路「都市高速」の上を走る。路線バスが高速道路を走るのも斬新だ。
「バリエーション豊かなのでオススメなんです」
なるほど!
高速道路を走る中での立ち客はなかなか見ない絵だ
マニアック種別を教えてもらう
終点の福岡タワー到着。本来はタワーの上に登るのがセオリーだが、伊藤さんと大泉さんは「一大ターミナルなのでいろんな種別が来るのです」とバス停前で来るバスをチェックし、メモをとる。
「街を大回りし、街の中心部だけ快速運転するので、普通よりも遅く、それがいい」という快速
福岡空港に移動。そこにもマニアックな種別「急行A」。AはAirportのAだそうだが…
「梅ですよ、梅!もはや文字でもない。これを見せたかった」
なんで快速があるんだろう
次に乗るのは、博多駅から天神を通って、副都心「西新」まで快速運転を行う「特別快速」。
本数は多く、福岡の地下鉄の真上を走るバスで、地下鉄VSバスとなりそうだが、赤信号で止まってしまうため、地下鉄の方が速いという。
ただ、各駅停車のバスに比べれば速い。バスの追い越しなんてなかなか体験できない。
本数はものすごくある
バス停に掲示された停車駅案内。これはわかりやすい
各駅で戻る。中央車線を特快が走り去る
なんで快速があるんだろう
「なんで快速はあるんですかね?」とそもそもの疑問をぶつけてみる。
「街の中心はバス集まりますよね。そこで団子になるよりも、一部の駅を通過する快速があるとそれが解消できるのです」
「あと左折前のバス停を通過することで、周りの車に迷惑をかけなくて済むとかいろいろ考えてますよ」
「バスの快速停車駅だと家が高かったりするんですか?」
「いやー、聞かないですねえ」
物件相場には響かないようだ
都市高(高速)と下道での急行運転のカップリング。
乗車中、マニアックなバストークを展開する両氏に感謝!
コミュ力は大事
「福岡の人はみなバスの停車駅を知ってるんですか?」と聞いてみた。
「いや、普段自身が使っている路線しかわからないですよ。しかも運転手に聞いても、把握しきれてなくてわからないんです。」
「乗る際は「どこどこに行きますか?」と地元民や運転手にきけば、行くか行かないかくらいは答えられるんです。だからまずはバスに乗るときは、声をだすこと、これが大事なんです」
複雑すぎるバスから生まれるコミュニケーション。バス路線からはじまる出会いもあるのだろうか。
東京や大阪で電車使いに慣れている人も、異文化交流として福岡でバスに乗りこなしてみるのも新鮮な経験になるだろう。