特集 2014年12月19日

コーラにいちばん合うじゃがいも料理を探す

コーラ片手ですがまじめに語りました
コーラ片手ですがまじめに語りました
コーラが好きである。

でもビールやワインや日本酒と違って、コーラが好きと言うと子供っぽいと思われがちだ。

ビールやワインや日本酒と違って、コーラに合う食べ物が真剣に語られることもない。

コーラ好きとして、この状況をなんとかしたい。そこで、コーラに合う料理を真剣に探してみた。
1974年東京生まれ。最近、史上初と思う「ダムライター」を名乗りはじめましたが特になにも変化はありません。著書に写真集「ダム」「車両基地」など。
(動画インタビュー)

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コーラの地位向上を!

たとえばビールやワインや日本酒が好きな人が家で飲むとき、食べ物にはそれなりにこだわるだろう。コンビニには酒飲みのためにいろんな種類のおつまみが売られているし、とっておきのチーズを出してきたり、フライパンを振って軽く1品作ってしまう人だっている。

それがコーラだとどうだ。フライドポテトやチキンなど、油っぽくてしょっぱいものをテキトーに合わせとけ、みたいな扱いではないだろうか。アルコールとソフトドリンクの間にはスクールカーストならぬドリンクカーストが存在すると思う。
「コーラなんてこのへん食べてればいいでしょ」いや確かに合うんだけど
「コーラなんてこのへん食べてればいいでしょ」いや確かに合うんだけど
コーラ好きもビールやワインや日本酒好きみたいに、コレとの相性最高なんだよー、などと語ってみたい。イケてるグループに入りたいのだ。経験上、コーラにはポテトチップスやフライドポテトといったじゃがいも料理が合うと思う。
そこで今回は、世界中のじゃがいも料理の中からコーラにいちばん合う食べ物を探すことにした。どうだオシャレな企画だろう。

困ったときの義弟頼み

しかし、もちろん僕には世界中のじゃがいも料理を作る技術などないので、過去にごはんに合うフレンチを作ってもらったり、リッツでフルコースを作ってもらうなど、めんどくさい頼みを引き受けてもらっている義弟で料理人の早川くんにお願いした。場所も彼がシェフを務めるお店の空き時間を使わせてもらった。何から何まですみません。
いつもすいません早川シェフ
いつもすいません早川シェフ
早川くんの店。普段はイタリアンバルだそうです
早川くんの店。普段はイタリアンバルだそうです

集まったコーラといも好き

コーラに合うかどうかの判定は、僕ひとりだと「なんでも合う!」とか言うのが目に見えているので、当サイトライターに声をかけたところコーラ好きとじゃがいも好きを自認する3人が集まってくれた。
左から編集部の藤原くんと石川さん、最近は製麺ライターの玉置さん、そして筆者
左から編集部の藤原くんと石川さん、最近は製麺ライターの玉置さん、そして筆者
当サイトをいつもご覧いただいている方はお分かりと思うが、ライター陣の中でもわざわざ選んだかと思うほど寡黙なメンバーが揃いも揃ったりである。これはひょっとしてコーラのドリンクカーストを如実に表してはいないか(注:僕以外の皆さんは普段お酒も飲みます)。

したがって、コーラに合う、合わないの判定も、まるで将棋の感想戦のように落ち着いた雰囲気の中で静かに行われていくことになった。

ちなみに、今回のメニューは基本的に早川シェフにお任せして、世界のじゃがいも料理の中からコーラに合いそうなものを6品、バランス良く作ってもらった。
気軽に頼んじゃったけど忙しそうだ
気軽に頼んじゃったけど忙しそうだ
それでは1品目ができたようなので、さっそく試食開始。
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1品目・フライドポテト

まず最初はド定番、フライドポテト。今回判定するじゃがいも料理の基準として、今のところコーラにいちばん合うんじゃないかと思うものを最初に出してもらった。味つけはシンプルに塩だけである。
これコーラがあればいくらでも食べられるだろう
これコーラがあればいくらでも食べられるだろう
黙々と食べては飲み、を繰り返す面々
黙々と食べては飲み、を繰り返す面々
萩原「...安心の味」
藤原「...合いますね」
石川「...これは進みますね」
玉置「...甘いのとしょっぱいのが交互にくるのがいい」

当たり前だけど、おしなべて高評価である。全員、やっぱりこれ以上はないんじゃないかという気がうっすらしていると思う。企画が根底から崩れるので口には出さないけど。

石川「ちょっとビール飲みたくなってきましたね」
萩原「いきなりですか!」
玉置「コーラにウイスキー入れたり」
萩原「これだから酒飲みは!」

石川さんは「コーラは1~2ヶ月飲んでいなかった」と言うように、コーラよりいも好きと宣言しているので、さっそく脱線しかかるもののコーラ以外は禁止。玉置さんも最初は「今日のために1週間コーラ断ちしてきた」などと言っていたにも関わらずアルコールに走りそうになる。アルコールの怖さを垣間見た瞬間である。
「ビール飲みたいなあ」
「ビール飲みたいなあ」
石川「ピザとか、手が汚れる感じがコーラっぽい気がします」

やはり完全にコーラを下に見ている、酒飲みの目線である。

萩原「相性を5段階で評価するとどのくらいでしょう?」

石川:★★★★
玉置:★★★★
藤原:★★★★
萩原:★★★★★(みんな5つじゃないんだ...)

抜群の反応だった割に、僕以外コーラとの相性は星4つ。やはり最初だけあって、これ以上の相性のものが出てくる期待のあらわれなのだろうか。

2品目・ジャーマンポテト

続いては、下ゆでしてからカットしたじゃがいもとカリカリに焼いたベーコンを塩コショウで炒め、仕上げにバターを絡めたジャーマンポテト。

そう言えばこれまで積極的にコーラと合わせたことがない一品だ。
フライドポテトより強い「じゃがいも感」がどう出るか
フライドポテトより強い「じゃがいも感」がどう出るか
噛んで飲み込むのに時間がかかるので蟹食べてるみたいに口数が減る
噛んで飲み込むのに時間がかかるので蟹食べてるみたいに口数が減る
玉置「ポテトチップスで言えばのりしお的ポジションですね」
石川「じゃがいもがもそもそするのでそれを洗い流す意味でいいんですけど(コーラを飲む)」
石川「...でもどっちかと言えばビールだよなあ」
玉置「ジャーマンですしね」
萩原「ビール飲めないけど、これはビールというのは分かる気がします」

早川シェフに聞くと、ジャーマンポテトには「インカのめざめ」という糖度の高い品種のじゃがいもを使っているという。じゃがいもの甘さが強いせいか、甘いコーラよりビールのようなさっぱりする飲み物の方が合うのかも知れない。
などと言いつつ、ここで早くも1本目のコーラが空に
などと言いつつ、ここで早くも1本目のコーラが空に
石川「ベーコンだけ食べるとコーラに合います」
玉置「それじゃがいも関係ないし」
萩原「つまりベーコンに対するコーラの役割を既にじゃがいもが担ってるということか」
石川「...(躊躇いつつ)もっと知能指数低そうな食べ物の方がコーラに合いそう」
萩原「すべてのコーラ好きを敵に回しましたね」
石川「基準として星4つかなと思ったけど、フライドポテト星5つでいい気がしてきた」
萩原「いますべてのフライドポテト好きも敵に回しました」

ジャーマンポテトとコーラの相性評価は以下のとおり。

石川:★★
玉置:★★★
藤原:★★★
萩原:★★★

評価がそれほど高くないのはあくまでコーラとの相性であって、ジャーマンポテト自体はたいへん美味しかった、というフォローはしておきます。
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3品目・サモサ

3品目はインドのじゃがいも料理、サモサ。今回は、茹でて潰したじゃがいもに市販のミートソースを煮詰めたもの、カレーパウダー、塩とハチミツを混ぜ、春巻きの皮で三角形に包んで揚げてある。
食べたことないものが出てきていよいよ世界のじゃがいも料理に突入という感じ
食べたことないものが出てきていよいよ世界のじゃがいも料理に突入という感じ
あまり馴染みがないので全員食べて飲んで味の確認に余念がない
あまり馴染みがないので全員食べて飲んで味の確認に余念がない
石川「これは意外と合うかも」
玉置「コーラの後も香辛料が口に残るのが今までにないですね」
玉置「アジア系の安いビールで流し込みたい」
萩原「やっぱりビールですか」
藤原「氷の溶けたコーラでも」
石川「ただ、1個で終わるのがコーラっぽくない。何個もダラダラ食べたい」
萩原「まさにフライドポテトだ」
玉置「でもこれ、お互いを引き立ててます。これ食べてコーラ飲むと完成度が増す」
藤原「マリアージュだ」
萩原「確かに喉ごしの『スカッと爽やか』の度合いが違う」
これはコーラがすすんだ
これはコーラがすすんだ
たぶん初めて食べたサモサ、外皮がパリッとしたカレーコロッケ、というような感じなのだけど、何だか妙にコーラとの相性が良かった。完全に今まで体験したことのない組み合わせなんだけど。

コーラの相性はこの通り。

石川:★★★★
玉置:★★★★
藤原:★★★
萩原:★★★★

意外なところに伏兵あらわる。こういう発見があると、この企画やって良かったと思うけど、とは言えサモサとコーラを出しているお店、見つけるの大変だろうな。

4品目・ガレット

4品目に出してくれたのはフランスからガレット。皮をむいたじゃがいもをチーズおろしで細切りにし、塩コショウ、チーズ、オイルを混ぜて、オリーブオイルとバターを熱したフライパンの上に敷き詰めて両面をカリッと焼いたもの、だそうだ。

包丁ではなくチーズおろしでおろすと、デンプンがよく出るのでじゃがいも同士がくっついてモチモチに仕上がるらしい。
これは以前食べさせてもらって美味しかったのでリクエストした
これは以前食べさせてもらって美味しかったのでリクエストした
これがもう予想以上に合ったのだ
これがもう予想以上に合ったのだ
萩原「これウマくないですか!」
藤原「チーズの割合が多くてそれが合う気がする、なのでじゃがいもの力ではないのでは?」
玉置「伸びしろがありますね、料理としてちゃんとしすぎてる」
石川「ひとくちサイズだったらもっと合う気がします」

一見あまり評価がよくないように見えるけど、実はこれ、ものすごくマッチしているのでうまく説明しようと迷走している結果なのだ。

ガレット、細かいじゃがいもが固まっているので、噛むとすぐバラバラになってじゃがいもの風味が口の中に広がり、中からチーズと油が出てくる。もうコーラと合う要素だらけなんだけど、フライドポテトと並べるとどうしても頭一つ抜け出すまでに至らないのだ。その惜しい感じがもどかしい。

話はここでコーラの立ち位置にまで及んだ。ビールやワインに合わせるのはおつまみと言える。でもコーラに合わせると先入観でどうしてもおやつになってしまう。そしてガレットはおやつではなく完全におつまみだ。なのにコーラに合ってしまうのでいまの固定観念だと説明がつかない。

片手にコーラ、片手にガレット(またはまだ残ってたフライドポテト)を持ちながら、だいたいそんな話だったと思う。つまりガレットのような存在が、コーラをジュースからワインのような嗜好品に格上げできるのではないか。
これは見つけてしまったかも、と喜びを隠せない
これは見つけてしまったかも、と喜びを隠せない
石川「いや、ガレットの健闘ぶりは賞賛に値しますね」

こんな物言いが不自然に感じないほど、もう全員コーラ評論家のようなモードに入っていた。コーラも飲みすぎると酔うのだ。

と言うわけで、ガレットとコーラの相性評価はこのようになった。

石川:★★★★★
玉置:★★★★
藤原:★★★★
萩原:★★★★★

ほぼ完璧と言っていいんだけど、フライドポテトと比べるとあと少し足りない。どうしたらいいんだろう。
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5品目・ニョッキ

5品目はイタリア料理からニョッキ。茹でて潰したじゃがいもに小麦粉を混ぜてこね、小さく切った生地にフォークで型をつけて茹でたものだ。今回はきのこクリームのソースで作ってもらった。
きのこクリームとコーラの相性がキモなのは言うまでもないだろう
きのこクリームとコーラの相性がキモなのは言うまでもないだろう
「このミスマッチ楽しいです」
「このミスマッチ楽しいです」
藤原「なんか新しいですね」
玉置「IKEAで売ってる甘いソースがかかった肉団子みたいな、そんな気がします」
石川「食べたことある物と飲んだことある物なのに、組み合わせると新鮮」
玉置「それが北欧」
玉置「僕、今後ニョッキ食べるときコーラにします」
萩原「そこまでですか!」
「合う合わないの判断ができません」
「合う合わないの判断ができません」
ニョッキ、というかきのこクリームソースの方だと思うけど、これがまた悪くないのだ。でもその理由を誰も説明できない。玉置さんの言う「IKEAに来た気分」も分かるようで分からない。

というわけで初めて評価がはっきり分かれた。

石川:★★★
玉置:★★★★★
藤原:白票
萩原:★★★★

少なくともビールよりは合うのではないか。でもワインの方がもっと合う気もする。思わぬところで序列が乱れた。それが北欧、なのだろうか。

6品目・肉じゃが

世界のじゃがいも紀行、最後は日本の味、肉じゃがである。これの作り方はわざわざ書くまでもないよね。
僕にとっては違和感ない組み合わせ
僕にとっては違和感ない組み合わせ
萩原「これは星3つだな」
石川「コーラに対して評価が甘すぎます!」
藤原「うーん、これは...」
石川「やっぱり肉じゃがは甘いから...」
玉置「同じ味がします。コントラストゼロ」
玉置「GジャンにGパンをはいているような」
萩原「スギちゃんだ」

僕は実家にいるころからしばしば夕食でもコーラを飲んでいた(もちろん水やお茶の日もあるよ!)ので特に違和感ない組み合わせなんだけど、コーラはおやつの友派の人々には受け入れられないのだろう。
ひとりだけ評価が高くて恥ずかしい
ひとりだけ評価が高くて恥ずかしい
あと、アツアツというより温かい、このくらいの温度だと冷たいコーラより熱いお茶が飲みたい、という意見もあった。これは日本人なら誰もが分かるだろうと思う。

ある程度予想はできたけど、肉じゃがとコーラの相性はこうなった。

石川:★
玉置:★★
藤原:★★
萩原:★★★

これで全部出揃った。やっぱりフライドポテトには敵わないのか。

玉置「じゃがいもの表面積に対して塩の量が多い方がコーラに合うのかも」
萩原「それなら小さな球形のじゃがいもをかき揚げみたいにしたら最強では?」
玉置「それ、構造としてはガレットが近いですよ」
萩原「チーズの影響を少なくして塩気を強くしたら...」

というわけで、後片付けをしていた早川シェフに急遽リクエスト。

延長戦・ガレット(チーズ少なめ塩強め)

今日これまでの試食の経験を生かして、特別に「コーラに合う」であろうガレットを追加で作ってもらった。
これでダメならもうフライドポテト1択である
これでダメならもうフライドポテト1択である
萩原「...これだ!」
玉置「ガレット単体ではさっきの方がおいしいけど」
藤原「チーズがゼロでも満足感なさそうですよね」
萩原「フライドポテトに比べて噛んだとき口の中に広がる面積が大きいのがいい」
玉置「中に油が多くてそれも合う」
玉置「手で持ってても恥ずかしくない料理です」
藤原「でも、コーラに合わせたいからチーズ少なめにする、ってバカみたいですね」
玉置「油と炭水化物と糖分だけだし」
萩原「確かにバカみたいではある」
玉置「でも見た目が料理として成立してるので罪悪感がない」
萩原「コーラってやっぱり負い目を感じるんですね」

評価は全員文句なく★5つ。コーラに合うじゃがいも料理は決まった。しかし嗜好品としてのコーラの立場の低さ、食事のときに飲む後ろめたさまでは払拭できなかった。

今後はほかの料理でも相性を調べて、あといろいろなコーラを飲み比べて、ビールやワインや日本酒と真っ向勝負できる立場にしたいと思った。「ほら、肉じゃがには○○のコーラがベストマリアージュでしょ」みたいに言えるようになりたいのだ。

それはともかく、コーラにガレット、おすすめです。

もっとコーラを飲もう

酒好きはずるいと思っていた。いろんな種類の居酒屋があるし、おつまみも豊富だ。酒好きが集まって一緒に飲むだけで知り合いも増える。

酒が飲めないコーラ好きも同じような体験がしたい。だから今回お邪魔したワインバーのような感じの、世界中のコーラが飲めて、コーラに合う料理を出してくれるステキな店がどこかにできないかな、と思っている。そしたら毎日仕事帰りに寄って1杯ひっかけます(コーラを)。

※ご注意
今回の料理は特別に作ってもらったもので、フライドポテト以外は通常お店で出していないものです。その代わりおいしいパニーニやワインに合うメニューがたくさんあるので、お近くの方はぜひ。

撮影協力
バール イタリアーノ ダ・パオロ

住所:東京都練馬区豊玉北6-13-15藤和シティコープ103(練馬駅西口4分)
営業時間:11:50~22:30(L.O.)
定休日:木曜日
TEL:03-6914-6368
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