特集 2014年11月27日

パワースポットはどこにあるか

いわゆるパワースポットの場所の傾向をさぐりました
いわゆるパワースポットの場所の傾向をさぐりました
パワースポット、という言葉をふつうに聞くようになった。

古い神社とか井戸なんかがよくパワースポットとされるけど、スカイツリーみたいな最近の建築物もそう呼ばれたりするらしい。

いったいどんなところがパワースポットたりえるのか?調べてみました。
1976年茨城県生まれ。地図好き。好きな川跡は藍染川です。(動画インタビュー)

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どんな場所がパワースポットと呼ばれるのか

そもそもパワースポットとは何か?という問題があるんだけど、それについては深く考えないことにする。

古い神社とかを訪れたとき、人によってはなんらかのパワーを受けると感じることがあり、そういう場所がパワースポットと呼ばれている。
典型的には神社とか
典型的には神社とか
他にも古い井戸や樹齢の長い木なんかがそのように呼ばれることがある、というイメージだったんだけど、それだけじゃなくて東京スカイツリーとかパークハイアット東京みたいな、とくに由緒のないところもパワースポットであると言われるらしい。

いったいどういう場所がパワースポットたりえるのか? それを調べるため、東京都内のパワースポットと呼ばれる場所を約400カ所リストアップしてみた。
こういう地道な作業たまにやります
こういう地道な作業たまにやります
パワースポットごとに、それが神社なのか、公園なのか、像なのかみたいなことをまとめてグラフにしたのが次の図だ。
だいたい神社と寺だ
だいたい神社と寺だ
人は見た目が9割というが、パワースポットは神社と寺が7割である。でもまあ、それはうすうす分かっていた。

面白いのは、グラフの右側にある凡例の部分だ。井戸、岩、山、木、地蔵、となんとなく関連のありそうな、それっぽいラインナップになっている。

パワースポットたりえる場所とはどんなところか、典型的なものと意外な場所をいくつか巡ってみた。
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典型的な場所トップ10を紹介

東京都内でパワースポットとされる場所のトップ10は次のとおりだ。
パワースポット上位10傑
パワースポット上位10傑
神社と寺と公園と木で約8割、あとはどんぐりのせいくらべだ。

それでも、公園-木-池-井戸-滝-山の「畏るべき自然」グループ(上の表で緑色)と、神社-寺-地蔵の「畏るべき神仏」グループ(同じく青色)の2つがあるのが見える。
自然と
自然と
神仏
神仏
若干異端なのは建物で、具体的には
・目黒雅叙園
・歌舞伎座
・東京ドーム
・パークハイアット東京
などを含んでいる。

パークハイアット東京は高級ホテルであり、金運がアップするパワースポットだとして紹介されることもある。もしかすると、高級ホテルに泊まるような「畏るべきお金持ち」のパワーを感じるということなのかもしれない。

パワースポットに行ってみる

実際に、非常に有名な明治神宮の「清正の井」というところに行ってみた。

「清正の井」というのは井戸なんだけど、あまりによく話を聞くのでもはや行ったことがあるような気がしていた。でも、聞くと見るとでは大違いだった。
ぜんぜん辿り着かない
ぜんぜん辿り着かない
まず入口からすごい遠くて迷路のようだった。入口でももらえる地図がなかったら迷ってたと思う。

そして景色は秘境のようだった。
森ですね
森ですね
もう着いたかな?と思うのを2回ほど繰り返してようやく井戸のもとに到着。
この奥が井戸
この奥が井戸
むちゃくちゃ澄んだ水が湧いてる
むちゃくちゃ澄んだ水が湧いてる
ぼくにとっては何かパワーを感じるというよりも、とにかく落ち着く場所だった。ひんやりしてるし、静か。

はいはいパワースポットねと思ってる人でも、行ってみたらたぶん気に入ると思う。
見返すと、向こうに川が続いている
見返すと、向こうに川が続いている
ここから湧いた水の流れは、原宿駅をくぐって竹下通りの脇を通り抜け、渋谷を経て海まで続いている。

原宿駅を出て竹下通りの入口ってすごく窪んでるでしょ?あれはこの流れが削ったのだ。

みたいな浮世離れしたことを森の中で考えるのってすごくいいです。
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バリエーション豊富なパワースポットたち

次に、11位以下の場所を見てみよう。
パワースポット、11位以下の場所
パワースポット、11位以下の場所
こうなるとバリエーションが見えてくる。

さっきと同じように、教会-稲荷-大仏といった「神仏系」を青に、岩-洞窟-沼といった「自然系」を緑に、橋-塔といった「人智系」を赤に塗っている。

塔に含まれるのは東京タワーと東京スカイツリーなどだが、このうち東京タワーは内部にタワー大神宮という神社がさらにあり、二重のパワースポットとなっているのが面白い。

交差点は東京タワーの近くにある「飯倉交差点」だ。交差点にパワーを感じるというのは、背景に風水の考え方があるとはいえ魅力的なことだ。この調子で高架、ダム、水門などの方面にもパワースポットが広がっていくようなら面白いと思う。

というわけで、飯倉交差点にやってきた。
ちょっと面白い地形
ちょっと面白い地形
ここは確かにただの交差点じゃない。

写真だと左右に通ってる外苑東通りは、この交差点が最低地点になっている。手前から奥に向かう桜田通りにとっては、この交差点が最高地点だ。

こういう場所は鞍点という。山の峠と同じ構造だ。
峠道の最高地点と、稜線の最低地点の交わるところが峠。
峠道の最高地点と、稜線の最低地点の交わるところが峠。
こういう、峠を実感する場所って街中だとあんまりないので、たしかになにかありそうな気はする。

風水的に本気な人にとっては色々理屈があるようなんだけど、ぼくとしては地形に興奮できるいい場所だった。
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地図で見てみる

最後に、パワースポットの分布を地図でみてみよう。
都内のパワースポットを東京地形地図とGoogle Earth上で重ねて表示させたもの
都内のパワースポットを東京地形地図とGoogle Earth上で重ねて表示させたもの
これは、都内のパワースポットのうち50個を地図に載せたものをさらに都心にズームしたもの。

色の濃いところが標高が高く、薄いところが低い。こうやってみると、台地の際、崖に近いようなところに多いのが分かる。

最初に見たとおりパワースポットは寺と神社が7割なんだけど、寺と神社はたいてい丘の上や台地の際にあるので、パワースポットも自然とそうなっているということだ。

低地のほうを見ると、日比谷公園や水天宮、富岡八幡宮などがパワースポットになっている。面白いことにこれらは江戸時代の海岸線の際にあった場所で、つまりパワースポットがかつての海岸線を描いてる。

もしかするとそれはむしろ逆で、かつての人々も海岸に突き出たような場所や崖の際に突き出たような場所に何らかのパワーを感じたからこそ、そこに神社なりを作ったんじゃないだろうか。

もしそうだとすると、昔も今も、人は場所に何かの力を感じ取ってしまいがちということなのかもしれない。

パワーを感じやすいものリストができた

パワースポットがほとんど神社というのはうすうす分かっていたことではあったけど、それ以外の交差点、塔、橋などは収穫だった。

最近思うのは、Ingressという位置情報ゲームのポータルとよばれる拠点が、パワースポットっぽいということだ。今回と同様に調べて、なにか共通点が分かったりしないかなと思います。
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