特集 2014年11月6日

地味な仮装のハロウィンパーティー

仮装パーティー
仮装パーティー
急にハロウィンが盛り上がり始めた。
流行りものに対してはどう折り合いをつけていいか悩む。

ゾンビのメイクして渋谷でイエー!とかやるのはどうなんだ。でもなんだかちょっと楽しそうではないか。混じりたい、恥ずかしい。

そこで自分でルールを決めたパーティを開催することにした。
1971年東京生まれ。デイリーポータルZウェブマスター。主にインターネットと世田谷区で活動。
編著書は「死ぬかと思った」(アスペクト)など。イカの沖漬けが世界一うまい食べものだと思ってる。(動画インタビュー)

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ルールはこうだ

お化けなどではなく、実在する人々の仮装をすることにしたのだ。
・通常はコスプレの対象になってないコスチュームを着てくる
・説明されてようやくわかるものでもOK(高校の現国の山本先生、とか説明されてもわからないものでもOK)
・場所はスナック
これならクリエイティビティと浮かれた気持ちを両立できる。楽しいハロウィンを早速サブカルにしてしまってすいません(&ざまあみろ)という気持ちもある。
ホストである僕は「本社から現場に来た人」というテーマ。なんの現場かはわからない。
ホストである僕は「本社から現場に来た人」というテーマ。なんの現場かはわからない。
阿佐ヶ谷にレンタルできるスナックがあったのでそこを借りた。ちょうどいい場所がなかったのでそこにしたのだが、これが後々重要になってくることになる(伏線)。
用意したフード。
用意したフード。
サブウェイ店内のポスターで見て憧れていたパーティパックを嬉々として買ってきた。これでやりたかったことの半分は達成である。あとはオールのり巻き。

来場者の服装紹介

それでは参加した人のアイデアあふれるコスチュームを紹介したい。日本でいちばん地味なコスプレパーティーになったと自負している。
区役所で戸籍出してくれる人
区役所で戸籍出してくれる人
新橋で見た人
新橋で見た人
キャバクラのチラシ配り
キャバクラのチラシ配り
無印のカタログに載ってる家族
無印のカタログに載ってる家族
美容院の客
美容院の客
つけめん屋主人
つけめん屋主人
金八先生
金八先生
セリの人(実際にやってたそうです)
セリの人(実際にやってたそうです)
左)事務の人、右)女子高専生
左)事務の人、右)女子高専生
バスケ部のコーチ
バスケ部のコーチ
藤子F不二雄先生
藤子F不二雄先生
ヤンキー
ヤンキー
まだ半分ぐらいだがおなかいっぱいである。ちなみにヤンキーは当サイトでも連載中のべつやくれいさんだが、このコスプレのために前日に眉毛をそった。
マイルドではないほうのヤンキーである。ちなみにふたりともタバコは吸わない。
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まさかのはてなかぶり

そしてこのふたりは同じテーマだった。
はてな社員
はてな社員
はてな社員
はてな社員
カメラ視点を外しているのがポイントなのだと思う。
はてなはソーシャルブックマークやブログサービスを行うネット企業である。たぶん特定の社員をイメージしているが、ネット企業の企画職にいそうな感じと思っていただければ間違いない(もしくは「はてな 山田」で検索してください)。
そのあともシンクロして飲んでいた
そのあともシンクロして飲んでいた
ここまでは分かりやすい参加者を紹介したが、ここからだんだんハイブローになってゆく。
日本好きの外国人
日本好きの外国人
友達のライブを見に来たバンドマン
友達のライブを見に来たバンドマン
実はビールが好きな酒蔵の娘
実はビールが好きな酒蔵の娘
いい犬を散歩させている人
いい犬を散歩させている人
妻の出産に立ち会う男性(衣装提供・大北栄人)
妻の出産に立ち会う男性(衣装提供・大北栄人)
地下アイドル
地下アイドル
身代金受け渡し現場で男子高校生になりすましている刑事
身代金受け渡し現場で男子高校生になりすましている刑事
よく見るとインカムをつけている
よく見るとインカムをつけている
地下アイドルは地下すぎる気もするが、カラオケを歌った瞬間にスナック勤務という設定に変わった。
歌ったフリなのにこの既視感
歌ったフリなのにこの既視感
あと、現場でなにの仮装かを聞くのを忘れてしまったのだが、同僚なのでそのまま載せておきたい。弊社の大島である。
大島さん
大島さんのコスプレかなと思ったが本人だった
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スナック写真はフラッシュ必須

スナックで撮る写真といえば写ルンですで撮ったぺったりした写真である。
勝手にフラッシュがたかれて独特の質感になる。インスタグラムでもああいう写真にする"場末"というフィルターが欲しい。
フラッシュたいて撮って日付とふちを入れてみた。2014年に撮った写真とは思えない。
フラッシュたいて撮って日付とふちを入れてみた。2014年に撮った写真とは思えない。
これはまさに僕が新入社員のころに上司に連れて行かれたスナックで見た景色である。帰りたくて仕方なかったのをこの写真を見て思い出した(そのころは酒が苦手だったのだ)。
フラッシュでうっかり顔こそ正調スナック写真
フラッシュでうっかり顔こそ正調スナック写真
カメラの設定を変えてモノクロにしても味わい深い。
土門拳か
土門拳か
右の男性が能條純一(哭きの竜の作者です)が描く絵のようになっていて気に入っている。
これは僕だが
これは僕だが
ついこんな枠をつけたくなる。FOCUS。
ついこんな枠をつけたくなる。FOCUS。
スナック写真がおもしろくて遊んでしまったが、仮装の話に戻る。
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写真に物語ができる

地味な仮装で集まるとそれだけで物語が生まれるのがおもしろい。その場での実際の会話は関係なしにだ。
「センセイ!もう書いてもらわないと締め切りが…!」
「センセイ!もう書いてもらわないと締め切りが…!」
まんが家と編集者である。藤子F先生はあまり飲まなかったらしいがそういう時代考証はどうでもいい。
「うちの店の税金もっと安くなんないかなあ」
「うちの店の税金もっと安くなんないかなあ」
こちらは無茶な相談をする商店街の店主である。ボケてではないがいくらでもセリフが浮かんでくる。実際にはネットメディアについて語っていたような気がするが忘れた。
全員中学の同級生
全員中学の同級生
同じ中学だったが、左から)まんが家、区役所、青果店、ヤンキーになっているという設定である。呼び合うあだ名はナベやんとかニシさんとかだろう。TOMOFUMIとかREIとかそういうエグザイルみたいなやつではない。

スナックオアトリート!

仕事着のまま地元のスナックに集まる。あまちゃんの世界に入ったようだ。
フェイクにしても役割がはっきりしていておもしろい。ヤンキーになりきって会話をしたり、ずっと金八先生の真似をしていたり。

地元で仮装してお決まりのセリフを言う。あ、けっこうハロウィン的なところに落ち着いたのかもしれない。スナックオアトリートだ。
髪を切ってる途中でやってきちゃった客と私服の刑事
髪を切ってる途中でやってきちゃった客と私服の刑事
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