特集 2014年10月20日

静岡・黒はんぺんはフライにしたほうが美味い?

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今回、「間取り図ナイトツアー」というイベントに参加していて、静岡に行ったんです。

静岡といえば、おつゆの真っ黒な静岡おでん! 高瀬克子さんが2006年に取材(「静岡「おでん街」へ行く」)していた時に、いいなあ、いいなあ! と思って眺めていました。高瀬さんの食べ物記事は全部美味しそうだよねえ。
しかし2006年か。もう8年前ですよ。時の経つのはおそろしいですね。
その後、B級グルメブーム到来。静岡おでんも、ずいぶんとメジャーになりました。

今回、8年越しの夢を叶えるために、私も静岡おでんを食べようと思いまして……食べログや観光サイトをあさっていたんですが、
静岡おでんって……わりとサイドメニューないですか?
そうだ、私はサイドメニューに注目してみよう、と思ったのです。
埼玉生まれ。電子書籍『初恋と座間のヒマワリ』(リイド社刊)発売中。最近、ほぼ毎日ブログを更新していますので、良かったら読んでください。

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約束の地へ

まずは何はなくとも、「おでん横町」へ。
キャプション!
キャプション
……ここが! かの有名な! 素敵プレイスか!
独特の雰囲気。薄暗くて、店がびっしり入っていて、まるで新宿ゴールデン街みたい。
このすべてが、おでん屋さんか……どうかしてる。素晴らしい。
しかし、到着したのは午後1時。真っ昼間ですよ。
がらーん。
がらーん。
観光地だから、開いてるかしら、と思った私が甘かった。
ああ、ああ、ああ、どこもやってない、そりゃそうだよね……と思いながら立ち尽くしていると、
店内に、掃除をしている、おばさまがいました。
スイマセーン、ここらへんって何時がオープンですかね? と訊くと、
「一番早い店で、3時だわねえ~」と教えてくれました。
3時まで、時間をつぶさなきゃ。もちろん、おでん屋めぐりで。

そう、静岡のおでんは、「飲み屋のおでん」と「駄菓子屋のおでん」というのがあって、
「駄菓子屋のおでん」は、昼間っからやっているわけです。
まずは最寄りの「水野商店」へ。
水野商店。
水野商店。
ディープそうなお店でしたが、入りにくい感じは、まったくありませんでした。
先客は2組。スーツの男性一人と、関西弁のカップル。
腰が少しまがったおばあちゃんが、どうぞ、と椅子をすすめてきます。
店内には、ぐつぐつ、ぐつぐつ、煮込まれたおでん。自分で取るシステムです。
大正三年創業で、100年つぎ足したおでんつゆなんだって。

静岡でもっとも有名な駄菓子おでんの店であるらしく、
もう! 壁に半端ない数の有名人サイン色紙が!
うわーB級グルメブームってすごいんだなーと思いつつ、具を選びます。
おでんは70円だったかしら。とにかく安い。上にかかってるのはトッピング。静岡おでんは、「ダシ粉」という、かつおぶしみたいなものをふりかけて食べます。
おでんは70円だったかしら。とにかく安い。上にかかってるのはトッピング。静岡おでんは、「ダシ粉」という、かつおぶしみたいなものをふりかけて食べます。
そして。
私が、なにげにショックだったのは、「お茶を無料で出してくれる」ということ。さすが静岡。
でも、も、儲からないじゃん! そこのメニュー表に「ガラナ」って書いてあるじゃん!
お茶ナシだったら、ガラナ頼んだのに。

おでん自体は……つゆの色が濃いけど、しょっぱいってわけじゃないんですね。
まあ関東風よりは濃いけど、程よい味の染みかた。美味い。

関西弁のカップルに、おばあちゃんが話しかけていました。接客もパーフェクトです。「そう、大阪なの……。(にこにこ)」有名店の有名なおかみさんなのに、非常にフラット。私たちが考えた「いい感じのおばあちゃん」を絵に描いたような存在感。

サラリーマンは、金ちゃんヌードルとおでん数本をササッと食べ、シュッといなくなった。彼は地元の人なんだろう。
観光客も来るけど、地元の人も普段使いをする店なのかあ……ステキ。

さて、サイドメニューを頼もう、として、おばあちゃんに「フライってありますか?」と訊いたら、
「今日はやってないの、ごめんね~」と言われてしまった。
ハイ空振り! 残念です。
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牛スジがヤバイ店

次に「おがわ」へ。
ちなみにざっくり説明しますと、おでん街は町中にあるけれど、駄菓子屋系おでん店は、街の中心からちょっとはずれた場所にあるイメージです。でもまあ、元気なら徒歩で移動出来る、という感じ。しんどかったらタクシーでワンメーターかな、という感じ。(いいのか、こんな雑な説明で……)。
駄菓子屋……っぽい店がまえなんですが。
駄菓子屋……っぽい店がまえなんですが。
このお店、駄菓子屋と打ち出しておりますが、中はほぼ居酒屋になっておりました。
観光店っぽい、嫌な感じはしない。ステキなお店でした。
でも、この店も、サイン色紙がいっぱい!
ここは、好きなものを言うと、おねえさんが鍋からとってくれるシステム。
ここは、好きなものを言うと、おねえさんが鍋からとってくれるシステム。
えーと、おでん屋でおでん以外のメニューを頼む、っていう企画なんだから、
この「静岡割」という飲み物を飲まなきゃいけないよね!? というわけでオーダー。
濃い緑。
濃い緑。
思うんですけどね。
静岡のお茶って、うまみ成分がすご過ぎて、甘いよね!?
なので、この緑茶ハイも、大変美味しかったです。

他にもメニューないかな? と探したら、おでんダシを使ったカレーを、牛スジにぶっかけて食べる、というメニューがありました。
これが……ヤバイくらいに美味い。
なんで白米がメニューにないのか、理解に苦しむくらいに美味い。
っていうかレトルトカレーにして欲しい。

ああ、静岡おでんダシって、カレーにするとウマイのか……。
そもそも、この店、牛スジがうまい。
そもそも、この店、牛スジがうまい。
また、このお店、カキ氷もウリなようでした。
静岡県民は、夏、おでんを食べてかき氷食べて、かき氷食べておでんを食べて、あまい、しょっぱい、つめたい、あつい、を楽しむって書いてありましたけど、本当でしょうか。
オリジナルのシロップが売り。
オリジナルのシロップが売り。
安倍川のカキ氷って斬新ね。
安倍川のカキ氷って斬新ね。
スルガエレガントなんて品種があるのね。
スルガエレガントなんて品種があるのね。
一番人気がイチゴ。鉄板です。
一番人気がイチゴ。鉄板です。
ふと壁を見ると、こんなのが貼ってありました。
今年の夏、こんなのやってたのね。
今年の夏、こんなのやってたのね。
イオンレイクタウンまで出張してカキ氷ブース出してたんだ!
有名カキ氷店と並んで出店してたんだ!
そこまで静岡のおでん屋のカキ氷が有名だとは知りませんでしたよ。スマン。
イチゴ食べた。
イチゴ食べた。
自家製シロップは、良質のジャムのような、懐かしいお味でした。
確かにおでんに……合うかなあ。合うとは思うけど、別々に食べたいかなあ。
こういうのも売ってたけど、見ただけで味が分かるのでパス。
こういうのも売ってたけど、見ただけで味が分かるのでパス。
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ついに憧れのおでん街へ

さて、2店、おなかがいっぱいにならないようにまわったので、また店を探します。
スナック街に、昼からやってるおでん屋さんがあるってきいたんだけど、やっぱり開いてない。
スナック街に、昼からやってるおでん屋さんがあるってきいたんだけど、やっぱり開いてない。
おにぎり、おでんの店も、定休日じゃないのに営業してませんでした。残念。
おにぎり、おでんの店も、定休日じゃないのに営業してませんでした。残念。
15時になったので、おでん街に戻ることに。
そしてたら、営業してたよ、「おばちゃん」という店が!
おばちゃん。
おばちゃん。
中に入ると、15時なのに先客2組。
観光客と、地元の人。
観光客は店主に、「なんでおばちゃんなのに、男性がやってるんですか?」
と訊いていた。
そう、ここ、なぜか、30代くらいの男性がマスターなのだ。
「おばちゃんって名前で、男がいたら面白いでしょう?」と説明していた。

店内はキレイで、楽しそうなメニューがあって、「流行ってる居酒屋」の匂いがした。
店主が飲食店経営者として、接客力がスゴそうなことは、店内に座ってるだけでヒシヒシ感じた。

周囲の店は、店主が、本物のおばちゃんばっかりなんじゃないだろうか。
するとこのお店は、コンセプト系おでん屋なんだと思う。

だって、例えばサラリーマンとかって、静岡出張したとき、ゴゴイチとかで仕事終わっちゃって、
あとは飲むだけ、ってなったら、おでん食べたいじゃない?
そしたら3時開店のこの店って大変に便利じゃない?
3時開店って、戦略だよなあ、きっと。そして、その戦略は正しい。

もちろん、マイペースに開店する、昔ながらの店も良いと思うのだけれど。
盛り合わせ。大変美味しそう、
盛り合わせ。大変美味しそう、
この店オリジナルのトッピングも。
この店オリジナルのトッピングも。
昔ながらのおでんトッピングって、さば、いわし粉だったのか。
昔ながらのおでんトッピングって、さば、いわし粉だったのか。
さて、この店にはフライがあった。
やっとフライが食べられる! と思ってさっそく頼む。
早生みかんの酸っぱいサワーを頼む。こういうの、いい。気が利いてる。
早生みかんの酸っぱいサワーを頼む。こういうの、いい。気が利いてる。
揚げてもらってる間、ぼやーんとメニュー表を見ていた。
すると、メニュー表が、『水曜どうでしょう』DVDのパッケージのパロディのデザインに、
なっていることに気づいた。
『水曜どうでしょう』お好きなんですカッ!? と訊きそうになったのだが、我慢した。
タマネギと黒はんぺんのフライ。
タマネギと黒はんぺんのフライ。
黒はんぺんのフライ。これが。こ!れ!が!
おでんの具にするよりも、香りと食感が倍増されて、
なんといいますか、アジフライ食ってるような味!! うまい。
これでゴハンいけますよ、きっと。
うーん、新たな発見。今日いちばんの発見、と思いながら、イベント会場に移動しました。
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もういっかい、はんぺんフライを食う

そしてイベント終演後……。
静岡のお客様と、おでんのサイドメニューについて話してみたら、
「黒はんぺんは、フライが一番うまいです! おでんよりも!!」
と言い切られてしまった。
やっぱり? やっぱりそうなの!?

イベント打ち上げには、おでん屋には行かなかったものの、静岡名物の食べられる店に行きました。
ながらみ、うみつぼ、と、地元の方が食べる貝が美味しかった。うみつぼのほうが磯臭くて好きでした!
ながらみ。
ながらみ。
うみつぼ。
うみつぼ。
で、黒はんぺんフライもあったので頼んでみました。
おでんはなくても、フライはあるのね。
黒はんぺんフライ。
黒はんぺんフライ。
スタッフ一同、「へえ~こういうのもあるんだ」くらいのテンションでしたが、私は、やっぱりウマイ! と、一人で盛り上がっていました。
黒はんぺんフライ……絶対に全国展開しなさそうなメニューだけど、やたらウマイ。どうしてくれようか。

夢の朝おでん

翌朝。
朝早くからやってるおでん店があるとのことで、「朝おでん」をしに行きました。
店の名前は「大やきいも」。冬は焼きいも売ってるみたいです。
なんか、いい建物。
なんか、いい建物。
きのこご飯、食べました。普通に美味しかったです!
きのこご飯、食べました。普通に美味しかったです!
朝からおでんかー。
朝からおでんかー。
さすがに、二日間おでん食べると飽きるな……美味しいけど。
そう思いながら、黒はんぺんを噛み締めます。
うん。フライのほうが美味いかな……。
いや、おでんも美味しいけどね……。
そして、やっぱり営業してない店の前を通る。 ここも寄りたかったよ。
そして、やっぱり営業してない店の前を通る。 ここも寄りたかったよ。

ボーナストラック 小田原おでん

行きの電車で、車内吊り広告で知ったんですけど、「小田原おでん祭り」っていうのが、開催されてたんですよね。
んで、帰路で寄れるなーと思って、小田原で降りたんです。
小田原おでん祭り。
小田原おでん祭り。
でも、閉場時間1時間半前に行ったのですが、軒並み売り切れ。がーん。
とりあえず100円の揚げ物買ったけど、これは煮込んでないのでおでんじゃない! おでん種だ!
とりあえず100円の揚げ物買ったけど、これは煮込んでないのでおでんじゃない! おでん種だ!
悔しい、小田原のおでん食べたい、と思って検索するも、分かったのは
・小田原のおでんは、練り物の美味しい小田原で、家庭料理で食べられていたものらしい
・それを町おこしの一環として、「小田原おでん」ブランドを作って、食べられる店を作った
・しかし、客単価4000円以上の高級店ばかり

そりゃあ小田原の練り物は高級だから、高いのは仕方ないけど、1本70円の静岡おでん食べ歩き帰りとしては、座って4000円のお店は高いよう……。
しかし食べずに帰るのも大変にくやしい。
そこで検索しまくって見つけました。お安い店を。
「でん」という、格安海鮮どんぶり屋さん。酒も飲める。
「でん」という、格安海鮮どんぶり屋さん。酒も飲める。
ほら、あった!
ほら、あった!
これか、小田原おでん。
これか、小田原おでん。
小田原おでんは、練り物自体が美味しいので、アッサリ炊いてある、というものでした。

本当はものすごく種類があって、パンフ見ると、しらす団子とか、チーズロールキャベツとか、金目鯛の揚げ揚げ包みとか、いか墨つみれとか、鯵といわしのふんわり団子とか、ゆず入りソフト鶏つみれとか、五目ウインナーとか、いろいろあるらしいです。
またの機会に食べに行くよ!

黒はんぺんフライ、おすすめです。

えーと、今回、ざっくり言えば、
「静岡のおでん屋行ったら、黒はんぺんフライも食っとけ!」
というのが結論です。
ソースと合うよ!
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