猟師になりました
狩猟免許のテストはペーパーと実技で行われ、それに合格すると「狩猟免許」を取得することができる。テスト内容はまた今度書くとして、私はその難関テスト(9割ぐらい合格するんだけど)に合格して猟師となった。
合格しました!
免許を取った次の日からすぐに猟に出られるわけではない。そもそも猟期は11月なので、今はできないのだ。そこで狩猟免許取得記念に「猟師町」に行くことにした。猟師として猟師町には訪れるべきだと思うのだ。きっと聖地だ。
ということで兵庫県高砂市に来ました
プライダル都市
兵庫県高砂市にその「猟師町」はある。高砂市自体は「プライダル都市」だそうだ。駅前に大きく書いてあったので間違いない。結婚式で聞く謡曲「高砂」と、平和と長寿の象徴である「尉と姥」の発祥の地だからブライダル都市らしい。
そんなブライダル都市には、
あんまり人がいなかった
今回の目的にブライダルは関係ない。猟師町である。ただこの高砂市は興味深いものが多い。
決して猟師町に行ったら、ボルトなら10秒で走り抜けるような長さの道が一本あるだけの住宅地で、紹介するものがなかったからではない。
高砂ステキスポット「梅ヶ枝湯」
1933年に開業した銭湯「梅ヶ枝湯」。木造作りで雰囲気がある。「感動しました」と映画の宣伝で感想を言う女子の涙くらいに、雰囲気が溢れ出している。薪を使ってわかすので、覗いてみると大量の薪が積まれていた。
ちなみに木造部分は裏側で、表はこんな感じ。表も十分に雰囲気がある
またこの辺りは海が近く、もともと漁師町で「穴子」が有名だ。そう、この辺りは漁師町なのだ。訪れた日は日差しが強い日だったためか、鳥一匹飛んでいないけれど、穴子はキチンと売られていた。実に美味しそう。さすが漁師町。
穴子定食とかもある!
猟師町に行く
高砂を楽しんだ後はいよいよ猟師町である。普通の人が猟師町に行くわけではない。猟師が猟師町に行くのだ。専門性の高い話が繰り広げられるだろう。生物学者がガラパゴス諸島に行くみたいなことだ。
猟師町に到着しました!(持っているのは狩猟免許です)
特に何もない町でした(持っているのは狩猟免許です)
完全なる住宅街だった。鳥一匹いない。しかもこの道が猟師町で唯一の道だ。猟師町は狭いのだ。
もちろん山はなく、イノシシが闊歩しているとか、シカの首から上が玄関に飾られているとか、クマの毛皮をかぶった人が歩いているとかではないのだ。
猟師町は漁師町
猟師町の由来は漁師が多く住んでいたためだそうだ。穴子が名物で、地図を見ても海が近くて、どう考えても猟師ではなく漁師だと思っていたが、やっぱり漁師だった。
看板があった
昔は「漁」を「猟」と表記することもあったようだ。騙された。穴子が美味しかったからいいけれど。
猟師町の範囲は少なく、念のために通りがかった人に「猟師さんですか?」と聞いたら、「いや、違う」と言われた。私の両手に持つ狩猟免許が若干恥ずかしい。
でも、狩猟免許を取ったことが嬉しくて、猟師として猟師町に来れたことに感動している。「え、同じ中学なの!」みたいな興奮があるのだ。
その結果、猟師町で記念撮影しまくり!
猟師でない状態で猟師町に来たらどうだっただろうか。どうも思わないだろう。
しかし、猟師となって猟師町に来ると、「あ、一緒だー、おそろじゃん」となる。そんな女子高生的感覚を味わえるのが猟師町なのだ。
猟師は一切関係なかったけれど、来てよかった。なかなか女子高生的感覚は味わえない。
それに猟師になったばかりで、もし猟師がたくさんいても専門的な話はできないので、むしろ女子高生的感覚を味わえた方が有益だったかもしれない。キャピキャピできた。
高砂は全体的に雰囲気があってよかった
猟師を実感する
狩猟免許を取得したが、特に使うところがなく、どうしても使ってみたかった。普通なら猟に出ればいいが、免許だけで、罠も鉄砲も持っていなくて、悩んだ結果の「猟師町」だった。同じ名字の人に出会ったような興奮。帰りの電車の「サライ」とか歌いたくなった。それくらい感動していたのだ。狩猟免許を使えたことに。