まずは、すごさから最も遠いものから
ある日、小5のうちの娘が、私の右腕のホクロから生えてるちょっとだけ太い毛を見て
「すごい!」
と言い出した。
ホクロから少しだけ太い毛が生えている。
さらによく見ると右腕からは2、3本同じようなホクロ毛があるが左の腕には1本もない。すると今度は
「すごい!これノーベル賞だよ!」
と言う。
右腕からは2、3箇所生えてる。すごい!(?)
ノーベル何賞なのか?
娘のノーベル賞に対する理解度は大丈夫か?
等いろいろ心配になるが、自分的にはどちらかといえば気持ち悪いと思っていた異色の毛がノーベル賞クラスとまで賞賛されるのは、まんざら悪い気はしない。どころかちょっといいものにさえ思えてくる。
…えっと、もう少し共感できるそうな題材でいきましょうか。。
すごさの尺度がわかりづらいもの
化石の価値というのはなかなかわかりづらいもので、パッと見てすごいのもあるが、恐竜の骨の一部分など
「これが土に埋まっていても絶対見逃す」
という感じのものも多い。素人からすれば、「詳しい人にすごいと言われたらすごい」、みたいところがある。
天草の御所浦(ごしょうら)は化石で有名な島。そこで化石採集体験をした。
で、子供がみつけて持ち帰った化石。「ゴショライア」というかっこいい名前の貝。
上の写真の化石は学芸員さんに見てもらって、
「この辺りで一番よく見られる化石です」
とお墨付きを頂いたもの。言い換えるとありふれた化石であって全然すごくない。
が、子供はたいそう気に入り、家に帰ってから熱心に磨いていた。おかげで拾った時よりもだいぶ見栄えがよくなった。
これを「すごい化石」だと思って眺めてみよう。
これはすごい!!
超リアル! (注:本物です)
裏面はこう!!
ケースに入れたら売れそうな雰囲気に! (ヤフオクに出すか)
・磨く
・ケースに入れる
・きれいに写真に撮る
等、手をかけてるうちにだんだんすごくいいものに思えてきた。名前に御所浦のゴショが入ってるのもいい。
どうだろう?
こんなふうに「いい!いい!」と言われるとだんだん良く見えてこないだろうか?
「伝説の写真家」という設定で
絵、写真など「アート」という枠で括られる分野も、「すごい」と言われるからすごい、言われなかったらよくわからないみたいなところがある。ゴッホのような何億円という値で取引きされる絵だって、生きてる当時はほとんど評価されなかったと聞くし。
そこで今度は一般人が撮った写真を、伝説の写真家が撮ったと思って見たらどうだろう?
さっそくスイッチ入ってる。
というわけで、ご登場頂いたのは
男パフェ等さまざまな記事でご登場頂いた川崎さん。やはりビジュアルは大事だよねと思い、伝説的なルックスの人を選んだ。記事の趣旨を話したところ、すぐに理解しまたたく間に伝説の写真家の表情に成ってしまった。さすがだ。
伝説の写真家と共に街を歩いてきます。
すごい人が撮るとなんでもすごい
ということで伝説の写真家(という設定)の川崎さんに、カメラ片手に長崎の街を自由気ままに歩いてもらった。
ふらふら~
カシャッ!
で、適当に小一時間ほど散策し、できた作品がこちら。
タイトルは「2014 長崎」。
あれ??
なんかホントにかっこよくないですか?!
もっとヘボヘボなどうしようもない写真に
「すごい!!」
ってたくさん書こうかと思っていたら、思いの外ほんとにかっこいい。
子供の頃からずっと長崎で暮らしている川崎さんは、 「なんだか寂しくなっちゃうんですよねぇ…。町並みが変わっていくのを見るのは。」 と、言いながら撮られていた。
すごいからすごいと思うのか、すごいと思うからすごいのか。いったん「欲しい」と思ってネットでレビューなど見始めると止まらなくなり、どんどん欲しくなってしまうのもそうだ。
あと、大物写真家に成り切っての街歩きスナップが妙に楽しいです。