すごく気になる「あばれみこし」
夏だ! 祭の季節がやって来た!
……ということで、インドア派のボクも多少は外に飛び出したくなってくる季節。まあ、祭っていっても主に珍奇な祭にしか興味ないんですけどね。
今年も何かナイスなインパクト祭はやっていないものかと調べていたところ、なんと意外と近い埼玉県の熊谷市で「あばれみこし」なるアグレッシブなネーミングのお祭りが開催されるとのこと。いやあ、どれほど暴れちゃうんでしょうか? 気になります。
早速、リビングのクーラーが壊れたため、灼熱地獄と化している我が家を飛び出して、祭に繰り出そうじゃないですか!
確かに暴れん坊
さて、熊谷までやって来たものの、肝心のお祭り会場がよく分からない! 自治体のサイトを見てみても「だいたい利根川のこの辺」というおーざっぱな表記があるだけなんだもん。
まあ、近くまで行けば祭りっぽい看板やのぼり、人ごみだったりがあるだろうから分かるんじゃ……と思っていたものの、それも全然目に入ってこないし。
えーっと、この辺でお祭りをやっているハズなんですが……
熊谷の市街地で同日に「熊谷うちわ祭」という、わりとメジャーなお祭りが開催されていることもあってか、「あばれみこし」に関してのインフォメーションが皆無なんですよ。
ここまで祭り感がないと「ホントに今日なのか……? この場所であってるの……?」と不安になってしまいます。
まず、お祭りどころか人がいない……
そんな感じで、ちょいとブルーな気持ちになりかけていたところ、遙か遠くの方から「ピッピッピッ……」と、ちょっと脱力系な笛の音が耳に入ってきました。
あっ……!?
神輿がやって来たぞー!
ワショーイ! ワショーイ! ワショーイ!
とりあえず、祭の場所はこの辺で間違いなかった、ということで一安心。
しかし、コレが「あばれみこし」かどうかといわれると、まあ確かに元気はいいものの、普通の「みこし」レベルといった感じなんですよね。
「あばれ」というほどは暴れていないんじゃないかなぁ~? ……なーんて思っていたら。
突然、みこしがズザザザーッと土手を駆け下りて
なんとそのまま……
川の中にドッボーン!
マジか!?
見ようによっては結構な大惨事ですよ、コレ
もう、溺れているようにしか見えませんもん
土手をワッショイワッショイ進んでいた神輿の集団が、坂をズササーッと下ったかと思えば、そのまま川の中にドボーン! もちろん、神輿ごと。
これは……暴れん坊感、出てきましたよ! ボクのテンションも一気に急上昇です。
そして、みこしをズブズブと川の中に沈めて……
そのまま飲酒!
神輿ごと川の中に入っていって、そこで大暴れするのかな……と思いきや、なぜか酒が登場。
神輿の上にみんなで乗っかって、川底に沈めちゃったのにもビックリしましたが、そのままの状態で飲み会がスタートしてしまったのは驚愕としかいいようがないです!
神輿を川に沈めるなんて……さらにその上に乗っかるなんて神様的にオッケーなんでしょうか!?
おつまみまで回ってきて、本格的な飲み会に……
さらに、川の中でタバコまで吸っちゃってます
ほぼ、首から下が川に浸かっちゃってる状態で酒は飲むわ、おつまみは食うわ、タバコは吸うわ……なんとフリーダム! これぞまさにスモーク・オン・ザ・ウォーターですよ(ドヤ顔)。
そして、川の中に入っていった神輿の担ぎ手たちが川の中で酒を飲んでいるのを、川岸から見守る観客……なんともシュールな空気が漂ってきましたよ。
まあ、このやりたい放題感は確かに暴れん坊……という感じではありますが。
しかし「あばれみこし」の暴れん坊っぷりは、まだまだこんなもんじゃありませんでした!
ひとしきり酒をかっくらった後、事態は動きます。
神輿にこんな使い方あるのか!?
沈んでいたみこしが、真っ逆さまな状態でプカリと浮かんできたと思ったら……
ええーっ!
垂直に立ったーッ!
川に沈めるのもヒドイと思いましたが、さらに垂直に立てちゃうなんて……もう神輿の威厳もありがたみもありません!
で、みこしの持ち手部分に登って
飛んだー!
ドッボーン!
飛んだー!
バッシャーン!
垂直にそびえ立った神輿に、次々登ったかと思えばダイブ! 登ってはダイブ! 上手いことピョーンと飛んで、弧を描くように美しく水に飛び込むと「うおおおっ」と歓声があがる。
どうやらコレが「あばれみこし」のメインイベントということらしいです。うん、確かに「あばれみこし」の名に恥じないほどの暴れん坊っぷり!
暴れっぷりはかなり堪能できたのですが、そもそもこの祭(やりたい放題)には、どんな意味があるんでしょうか!?
見に来ていた地元の人たちにリサーチしてみたものの、「かなり昔からやっているらしい」という情報オンリーで、イマイチ由来がよく分からなかったんですよね。
ただ、昔の「あばれみこし」は、神輿を坂から転がしてぶっ壊したり、川に投げ込んで流したりと、今よりも遙かに暴れん坊だったようです。どうやら、そうすることによって疫病などを祓う、という意味がある行事だったみたいなんですが……。逆にバチ当たりそうだけどな。
神輿が豪華な作りになってからは、さすがに毎回ぶっ壊して川に流しちゃうわけにもいかなくなり、今くらいの暴れっぷりに落ち着いたようです。それでもちょいちょい壊れちゃうので定期的に修理は必要らしいですが。
そりゃあ、川に沈めてみんなで乗っかったりしてたら壊れますよねぇ。
終了。酔っぱらってるわ、川で冷えてるわ、疲れてるわで撤収は大変そうでした
昔バージョンも見たいです
おそらく町単位のすごく小規模なお祭りなんだと思いますが、よく理由は分からないけどやたらゴーカイな風習が伝わって長らく続いている感じ……すごくいいです。
神輿を坂から転がしてぶっ壊して川に流しちゃう……という、ちょっと行き過ぎなゴーカイさの昔バージョンの「あばれみこし」も見てみたいなぁ。