祝・世界文化遺産登録!
これが世界文化遺産様ッ!
群馬県の「富岡製糸場」がユネスコの世界文化遺産に登録されたそうで、……まあ、日本人って、こういうの過剰にありがたがるよなぁーという感じがするものの、とにかく観光客が激増しているということなんで、いいことですよね。
で、群馬県としては、このチャンスに富岡製糸場だけじゃなくて、県内の他の観光地へもガンガン観光客が来て欲しい! ……と思っているようですが、富岡ってわりと交通の便がビミョーな場所にあるもんで、ピンポイントで富岡製糸場に行って、そのまま帰っちゃうんじゃないかという気がしています。
実際問題、製糸場の周辺にめぼしい観光スポットもあんまりないんですよねぇ。
この和洋折衷な建築も歴史的に貴重なんだそうです
富岡製糸場近辺の観光スポットといって、パッと思いつくのは「ホントにホントにホントにホントにライオンだー!」でお馴染みの(富士のCMだけど)「群馬サファリパーク」くらい。
「富士」ばっかり有名だけど、群馬も忘れないで!
あとは、入場無料な上に試食コーナーでコンニャク食べ放題というお得過ぎな「こんにゃく博物館」とか……。
群馬のこんにゃくいものシェアは90%以上!
こんにゃく食べ放題コーナー(無料!)
レバ刺しコンニャクも食べ放題です
まあ、世界文化遺産になった富岡製糸場を見たついでに、こういう分かりやすい観光スポットに寄ってもらうというのもいいんですが、せっかくなので、ちょいと変わった群馬の面白スポットにも寄ってもらいたい!
……ということで、探してきました!
この店、何屋さんなんでしょ?
製糸場の周辺で、地元の人たちに「富岡製糸場以外の見どころってないですかねぇ~?」とリサーチをしてみたんですが、「ないんだよねぇー、それが」という反応がほとんど。
群馬県の目下の悩みだと思います
地元の人たちみんなから、「富岡製糸場が世界文化遺産になりそう!」(取材に行ったのは登録される前週)というテンションの高さは感じるものの、「で、それ以外になにをPRしていけばいいものか……」という雰囲気も漂っているんですよね。
製糸場のついでに訪れるスポットをムリヤリ考えてもらっても「温泉」という……。確かに群馬といえば温泉だけど、富岡からは結構遠いもん!
で、そんな中「あそこは面白いよ」と教えてもらったお店に行ってみることに。
製糸場の最寄り駅からローカル線で数駅行った「南蛇井駅」
「なんじゃい」という面白ネーム駅です
この面白ネームだけで、そこそこ鉄道マニアや地名マニアの心をつかめそうですが、町自体はまあ、田舎の閑静な住宅街といった感じ。
そんな町にある、面白いお店というのは……こちら!
「フードショップ・おきなわ屋」さん
パッと見ると、田舎の住宅街にありがちな商店という感じですが、店先に置いてある物や貼り紙の情報量が多い!
ああーっ、瞬時には処理しきれない情報量……
やたらと色んな貼り紙がされている系のお店って時々ありますけど、それにしてもこのお店の場合は、貼り紙や置いてある物の方向性がバラバラ過ぎます。
「手づくりおかず屋」とのことで、お総菜屋的なことなのかなー……と思いきや
切り花を売っていたり
さらに鉢植えや金魚まで置かれている(売り物か?)
かと思えば駄菓子屋っぽくジュースやアイスが売られていたり
ガチャガチャが設置されていたり……
やたらと色々置かれているけど、そもそも何屋さんなのだ? ……ということで頭上に大量のはてなマークが浮かんでしまいますが、とりあえず面白そう!
とにかく店内に入ってみましょう。
うわーッ、なんか色んな商品がギッシリと……
店内、所狭しとミチミチに陳列されたバラエティ豊か過ぎる商品たち。
この角度から見ると、いわゆる駄菓子屋的なお菓子などのラインナップが多いように見えますが……。
こっちにはおもちゃ
そして、ティッシュペーパーやハブラシなどの日用雑貨
洗剤や缶詰……
花、フルーツ、野菜
様々なお総菜たち
そして、ぬいぐるみや人形などなど……
この他、文房具なんかも売られているし……ドン・キホーテなみの圧縮陳列&商品バリエーションの広さですよ。
「なんでここに軍手!?」とか「なぜトトロのフィギュアまで……」などと、予想外の物がいきなり置かれていたりして、店内をウロウロしているだけで楽しいです。
「ゴチャゴチャしてるから、写真撮られるの恥ずかしいなぁー」
こちらが店長さん。
そのゴチャゴチャしている感じがワクワク感をかもし出していいんですけどね。
しかし根本的に、この店は何屋さんなのか……という疑問はあります。その辺を尋ねてみると、「一応、魚屋なんだけどね」とのこと。ええーっ、予想外すぎる!
うそー!?
確かに魚屋っぽいコーナーもありますが……
もともとは戦時中に沖縄に住んでいたおばあちゃんが本土に引き揚げてきて、この辺には少なかった(海なし県だから……)魚屋さんをはじめることに。
しかし「近くにスーパーもコンビニもないから、お客さんから、アレ置いて、コレ置いてって頼まれるままに商品を増やしていったらこんなことになっちゃって……」とのこと。
確かにこの店さえあれば日常生活には事足りそうな品揃えです……。
さらに「お客さんはほとんど近所の知り合いだから、店が休みでも買いに来ちゃうんだよね。だったら開けといた方がいいかなって」……ということで、年末年始以外はほぼ無休で営業しているそうです。
そんな感じで、品揃えから営業日まで、近所の人たちとの密接なつながりで決まっちゃっているこのお店。それだけに、貼り紙や値札にも身近な人に向けた感じのメッセージが込められまくっています。
トイレが使えない問題
「ごめんね!」と謝られるほどのことではないと思いますが
チロルチョコの値上げにもやたらと恐縮しています
で、わけありセールのコーナー
「エコな方」という問題なんでしょうか?
こちらも、やたらと賞味期限を気にしています
さて、こんな感じでとにかく何でもかんでも売られているこのお店ですが、中でも店内で揚げている「フライ」が人気なんだそうです(魚屋なのに!)。
特に、富岡近辺で昔から食べられているB級グルメ「ホルモンフライ」は名物となっているようで。「食べてってよ」と揚げたての物を出してもらいました。
まあ、いわゆる串揚げってヤツですね
「ホルモンフライ」というだけあって、中にホルモンが入っているんだろうなぁ……と思ったんですが。
ホルモンではなく、ちくわ入り
さすがに昔はホルモンが入っていたらしいんですが、味が濃くなりすぎてしまったりと、扱いが難しいので、代わりにちくわを入れるようになったそうです。でも名前は「ホルモンフライ」のままなんですね。
……おそらく、富岡製糸場がいくら有名になっても脚光を浴びることはないであろう富岡のB級グルメ「ホルモンフライ」。是非、製糸場にお立ち寄りの際にはついでに食べてみてください!
「ついでに」寄ってみて!
同じ世界遺産でも富士山なんかだと、それオンリーでたっぷりと観光できるんですが、富岡製糸場の場合はゆっくり回っても2時間くらいで全部見れてしまうので、せっかくだからついでにどこかに寄って……という需要は確実にあると思われます。
でも、今のところめぼしい物がないので、これから新しく作って行こうという動きもあるみたいですが、ムリヤリ作り出さなくても、昔からある地元の面白いお店に寄ってみる……というパターンもアリなんじゃないでしょうか?
このお店だけを目的に遠くから来る……というのはないかなーとは思いますが、「ついでに」ならば十分楽しめると思いますよ。
●フードショップ・おきなわ屋
群馬県富岡市南蛇井439
【営業時間】8:00~19:00
【定休日】ほぼ無休(不定休)