アイドルとしてのカワウソ
コツメカワウソという動物がいる。動物園や水族館でよく展示されているカワウソだ。フランスパンほどの大きさで、小学校なら先生に怒られること間違いなし、と言えるほど、落ち着きなく動く動物である。
コツメカワウソ
水辺で生活し、魚やカエルなどを食べる。最近はこのコツメカワウソが話題だ。記憶に新しいのは「流しカワウソ」ではないだろうか。市川市動植物園が始めた企画で、そうめんのごとくカワウソが流れるのだ。
流しカワウソ
この市川市動植物園が新たに始めたのが「カワウソと握手」である。そう、カワウソと握手ができるのだ。インドやタイに生息しており、本来は日本にいないカワウソとふれあえる貴重な機会。ちなみに昔は日本にもニホンカワウソがいたけれど絶滅している。
ということで、市川市動植物園にやってきました!
握手だ、握手だ、握手だ!
コツメカワウソと握手をしようと市川市動植物園にやってきた。ゾウやキリン、ライオンといった一般に動物園のアイドルと言われる動物は存在しない。しかし、コツメカワウソと握手ができるのだ。パンがなければおかずを食べればいいのだ。ダイエットにもいい。
おかずの方が美味しいよね!
市川市動植物園のコツメカワウソもせわしなく動き、少し時間が経つと寝た。満足そうな顔をしている。触りたい、触ってみたい、という衝動にかられる。ただし多く場合、その願いはかなわない。動物園ではふれあいコーナーをのぞき動物に触れられないのだ。しかし、ここではその願いがかなう。
握手コーナー
先述の通り、2014年3月よりコツメカワウソとの握手コーナーができた。CDを買わなくても、入場料430円を払えば握手ができるのだ。握手券はいらないのだ。そして、毎日が握手会なのだ。コツメカワウソといつでも握手ができるのである。
矢印の木の橋を渡れば握手会場なのだけれど、
問題はカワウソ次第!
握手はできるのか
問題はこの握手、完全にカワウソまかせ、という点である。水で泳ぎ、陸で体をよじり、やがて寝る、を繰り返すカワウソは、なかなか木の橋を渡った先にある握手会場にやってこない。呼んでもみるが来ない。一方的に好きな女の子に送ったメールの返信以上に来ない。
待ってはみるが、
まぁ来ない
何人ものお客さんが「来ない」と言って握手会場を去って行った。子供に至っては1分くらいであきらめる。しかし私は大人。3時間粘った。納豆以上だと思う。そして、その待ち時間は実を結ぶ。カワウソと握手ができたのだ。
握手!
感動のコツ
プニプニの手。それは人の手とはまるで違う。4本足で歩くので、木の橋を渡る間に泳いだ後でも手が乾くようで、手は湿っていない。むしろ私の手の方が湿っぽい。一度味わうとあの感触はクセになる。とにかく柔らかい。
一度のぞいて手があると手を出す!
その3時間に5回ほど握手ができた。36分に一回の計算になるが、実は後半の方が多い。コツがあるのだ。
まずせわしなく動くカワウソと目を合わせる。寝起きのようにただボーと待っていてもダメ。とにかく目を見るのだ。すると視線を感じてかやがて橋を渡る。
手を穴に入れておくのもポイント。カワウソは穴をのぞいて手があれば握手してくれる。手がないと出さないのだ。
この感触を身近に!
素晴らしき感触だったので、どうにかそれを身近で体験できないかと考えた。乾いた皮膚の向こうに水分たっぷりのプニプニ感。人との握手とは全く異なる。これを再現することに私は成功した。いつでもあの愛くるしいカワウソとの握手が可能なのだ。
唇に水を塗る
ビニール袋を唇につける!
これだ!
あの可愛いカワウソとの握手の感触が自宅で再現可能となった。下唇より上唇の方が感触は近い。問題はカワウソほど可愛くない点だ。
また他の唇では実験していないので(他の唇で実験できる環境にないため)、私の唇だけがカワウソの感触なのかもしれない。
まとめると、カワウソと握手をしたい時は、市川市動植物園に行くか、梶が谷(神奈川)に住む私のところに来るかの二択になると思う。私の方は基本的には待ち時間なしだ。
私ならこっちに行くけれど!
カワウソは我らの手に!
柵がない状態でカワウソとふれあうのは噛むのでは、と恐れてしまうが、このシステムならば、怖くない。カワウソの可愛さだけに文字通り触れることができるのだ。動物がたとえ怖くても握手は可能。しかも、感触の再現にも成功している。もはやカワウソは我らの手にあるのだ。