特集 2014年4月30日

子ども大喜び!? メルヘンすぎる寺

まあ、こんな感じのお寺です
まあ、こんな感じのお寺です
お釈迦様の教えを子どもにも分かりやすく……とか、お寺に親しんでもらいたい……というような目的で子ども向けの像が設置されていたり、イラストが描かれているお寺というのは結構あるんですけど、その数が多すぎたり、クオリティが妙に高かったりすると、肝心のお寺以上にそっちが気になってしまいます……そんな感じの寺に行ってきました。
1975年群馬生まれ。ライター&イラストレーター。
犯罪者からアイドルちゃんまで興味の幅は広範囲。仕事のジャンルも幅が広過ぎて、他人に何の仕事をしている人なのか説明するのが非常に苦痛です。変なスポット、変なおっちゃんなど、どーしてこんなことに……というようなものに関する記事をよく書きます。(動画インタビュー)

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デカイ仏像に気を引かれたら、色々とスゴかった!

大阪と奈良の間くらいにある道をペペーッと走っていたところ、巨大な人型の物体が見えてきたもんで思わず近づいたのですが……。
仏像……かな?
仏像……かな?
手前の建物と比較すると分かると思いますが、相当デカイです。
「高野山真言宗・龍眼寺」
「高野山真言宗・龍眼寺」
「高野山真言宗」ということなんで、おそらくあの像はジャンボな弘法大師(空海)っていうことだと思いますけど、ここまで巨大に作る必要があるのか……!?
遠近感がおかしくなるほどにデカイ! なんと全長約17mもあるんだとか
遠近感がおかしくなるほどにデカイ! なんと全長約17mもあるんだとか
……とまあ、最初はデカすぎる弘法大師像に完全に心を奪われていたんですが、この寺のホントの見所はそこじゃなかったんです。

巨大な像が気になって上ばっかり見上げていたんですが、ふと足下に目をやると……。
!
なんじゃこのポップなキャラクターたちは!?
なんじゃこのポップなキャラクターたちは!?
寺の境内のあちこちに、おとぎ話の場面を再現した像が設置されているんですよ。

……まあ、それだけだったら他の寺にもなくはないんですが、こちらの像は、ちょっと寺に置くにはポップ過ぎるカラーリング&デザインです。
「桃太郎」の鬼が、すごくナイスなデザイン!
「桃太郎」の鬼が、すごくナイスなデザイン!
「金太郎」もいいプクプク感です
「金太郎」もいいプクプク感です
こちらは「さるかに合戦」ですね
こちらは「さるかに合戦」ですね
「さるかに合戦」におけるカニの味方って、多くの場合はハチ、うす、クリ……あたりだと思いますが、この寺に置かれた「さるかに合戦」像では、
「牛のウンコ」も参戦しています
「牛のウンコ」も参戦しています
確かに「さるかに合戦」の元になったおとぎ話は、地域によっては仲間に「牛のウンコ」も加わっていて、サルに踏まれて、滑って転ばせる……という非常に地味極まりないミッションを遂行していました。

この像だと顔面にべっちょりついちゃってますけどね。ハチに刺されるよりも、うすにドーンと潰されるよりも、顔面牛ウンコの方が精神的ダメージは甚大だと思われます。
こちらは「西遊記」ですかね。弘法大師も加わっちゃってるからワケ分からない感じになっていますが
こちらは「西遊記」ですかね。弘法大師も加わっちゃってるからワケ分からない感じになっていますが
なんの話なのかはよく分かりませんが、おじーさんとおばーさん
なんの話なのかはよく分かりませんが、おじーさんとおばーさん
おっ「一寸法師」! サイズ的には一寸ではなく、かなりデカイですが
おっ「一寸法師」! サイズ的には一寸ではなく、かなりデカイですが
巨大な弘法大師と一緒に撮るとたちまち一寸感が出てきますね
巨大な弘法大師と一緒に撮るとたちまち一寸感が出てきますね
こちらは笠売りのじーさん
こちらは笠売りのじーさん
そう「かさ地蔵」ですね
そう「かさ地蔵」ですね
この、じーさんに笠をかけられているお地蔵さんたちがまたよく出来てるんですよ。
一体一体……
一体一体……
表情がビミョーに違うんですよね
表情がビミョーに違うんですよね
眉がビミョーに上がってたりと芸が細かい!
眉がビミョーに上がってたりと芸が細かい!
で、今まさにじーさんに笠をかけてもらっているこの地蔵ですが
で、今まさにじーさんに笠をかけてもらっているこの地蔵ですが
どーしてそんな不満そうな表情を浮かべているのか!?
どーしてそんな不満そうな表情を浮かべているのか!?
さらに、笠が足らずにひとり(?)だけかけてもらえなかった地蔵は
さらに、笠が足らずにひとり(?)だけかけてもらえなかった地蔵は
なんちゅう顔しとるんや!
なんちゅう顔しとるんや!
ここまで露骨にイヤそうな表情をしちゃうんですねぇ……。地蔵たるもの、どんな時でももうちょっと冷静沈着でいてほしいところ。
で、こちらが恩返しモードのお地蔵さんたちです
で、こちらが恩返しモードのお地蔵さんたちです
笠が足りずに、手ぬぐいを巻いてもらったお地蔵さんも、こんな健やかな表情に……
笠が足りずに、手ぬぐいを巻いてもらったお地蔵さんも、こんな健やかな表情に……
ところで、ここはお寺なんで、もちろん「かさ地蔵」以外に、普通の地蔵もあるわけなんですが……本来のお地蔵さんもちょっと変わってるんですよね。
たぶん、これが地蔵だと思うんですけど……
たぶん、これが地蔵だと思うんですけど……
仏様によじ登ってたりして……
仏様によじ登ってたりして……
アクティブすぎる地蔵はちょっと怖いです……
アクティブすぎる地蔵はちょっと怖いです……
ほい、こちらは「花咲かじいさん」ですかね
ほい、こちらは「花咲かじいさん」ですかね
花、咲いてないけど……
花、咲いてないけど……
あっ「一休さん」!
あっ「一休さん」!
このかわいらしい一休さんはいいとして
このかわいらしい一休さんはいいとして
妙に含みのある和尚さんの顔が気になります
妙に含みのある和尚さんの顔が気になります
本来、このお寺はどんなところで、どんな御利益があったりするのか……その辺はまったく理解出来ませんでしたが、とりあえず面白い像がいっぱい設置されていてサイコー!

……まあ、そんな感じでニコニコニヤニヤしながら境内を参拝していたのですが、そこにニヤニヤ気分に思いっきり冷や水をぶっかける像が!
!
なんか、作風が一気に変わってます!
なんか、作風が一気に変わってます!
こ……こえええっ!
こ……こえええっ!
さっきまでのメルヘンタッチの像に慣れきった子どもがコレ見たら、確実に号泣しますよ!
こちらのおばさんは、たぶん鬼に舌抜かれてるんでしょうね
こちらのおばさんは、たぶん鬼に舌抜かれてるんでしょうね
さて、ここまでお寺の境内に何故か設置されているおとぎ話系の像たちを見てきましたが、像以外にも気になるポイントがありました、それが……。
こういうおとぎ話のシーンに
こういうおとぎ話のシーンに
看板がついているんですけど
看板がついているんですけど
その裏がこんな感じになってるんですよね
その裏がこんな感じになってるんですよね
おとぎ話のタイトルが書かれた看板の裏に、そのおとぎ話にまつわる歌の歌詞が書かれているんですよね。ポップな像を見てテンションが上がった子どもたちに歌ってもらいたい……的な意図があるんでしょうか?
「金太郎」だとこんな感じ
「金太郎」だとこんな感じ
で、こちらは「西遊記」なわけですが
で、こちらは「西遊記」なわけですが
「西遊記」の歌ってあったっけ? ……と思ったら
「西遊記」の歌ってあったっけ? ……と思ったら
そこ~にゆ~けば~
そこ~にゆ~けば~
ああ、ゴダイゴか……。

確かに「西遊記」関連の歌であることには間違いないですけど、少なくとも子どもは知らないだろう……この歌詞が誰に向けたものなのか、分からなくなってきましたよ。

そして、コレでいいんだったら「飛べ!孫悟空」の挿入歌だった「ニンニキニキニキ……」(「ゴー・ウエスト」)ってヤツでもよかったんじゃないかという気はします。

子どもの気を引くのは成功していると思います

とりあえず、こんだけ色んな面白像が設置されていたら、子どもが無視することは不可能。「気を引く」という点においては作戦成功していると思います。

ただし、コレでお寺に興味を持ってもらえるかというと、どうかなー……という感じではありますが。大人のボクも、像たちに気を引かれまくって、ココがお寺だということを忘れかけてましたからねぇ。

まあ、そんなことは気にせず、今後もバンバン新しいおとぎ話像を設置していってもらいたいところです。
●高野山真言宗・龍眼寺
大阪府大東市龍間37-3
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