ある日突然、父親が作り出した
我が家にネギ&生姜&春菊のみじん切りという新たな文化を持ち込んだのは、父親である。
なんでも、気軽に野菜を摂取できるようにと作ったのだそうだ。
正直、最初は「また妙なモノを作って……」と思ったりもしたのだが、言われるがまま料理に乗せて食べてみたところ、これが大変にうまく、やみつきになってしまった。
私のみならず家族全員から評判が良く、作る側から消費されていった。当の父親はしてやったりといった風である。
というワケで、我が家の冷蔵庫に常備される事と相成った
このレシピの出所は不明である。
父親は「何かで見た」と言っていたような気がするが、試しにwebで検索してみた限りでは、これら三種を刻んで薬味にしている人はあまりいないようである(この三種を使った料理ならボチボチ出てくるのだが)。
というワケで、今回はネギ&生姜&春菊が織り成す、その万能性を紹介したい。
使ったのは長ネギ一本、生姜二個、春菊2/3束
まずは長ネギをザクザク
って、長ネギの汁も目に染みるんですね……
さらに刻んで良い感じの大きさに
春菊もザクザク
長ネギと一緒にタッパーへ投入
皮を剥いた生姜もみじん切り
作る際の注意点としては、野菜(特にネギ)は新鮮なものを選ぶ事。各野菜の分量は、割とテキトウである。好みに応じて調節するのが良いだろう。
刻む粗さも割とテキトウだが、刻みすぎるよりは食感が残るくらいな方が個人的には好み。特に生姜はジャキジャキとした歯ごたえを感じられるくらいがグッドである。
水分が少し多い気がしたので、キッチンペーパーで水気を取る
こうしてタッパーに三種の野菜が納められた
渾身の力を篭めてシェイク!
そうして完成、万能薬味
食べ物にふりかける、薬味としての用途なので水気は少ない方が良いのだが、今回はややべちゃっとなってしまった。
長ネギではなく万能ネギを使った方が良かったのかもしれない。
あと、父親はこれにミョウガを入れても良いと言っていた。でもミョウガは少し割高なので今回はパス。庭にミョウガが生えているお宅が羨ましい限りである。
どんな料理に使ってもハズレなし
この薬味の使用方法について、特に書く事はない。何にでも合うからだ。
食事を作ってみて、もう少し何か欲しいなと思ったら、とりあえずこの薬味をぶち込んでおけば良い。味も見た目も豪華になる。
昼食はインスタントラーメン率が高い
粉末スープは鍋に投入するのではなく、直接どんぶりに入れた方が、鍋があまり汚れなくて済むよ
具が何もないので、ちょっとわびしい感じの食事である
そこに三種薬味を一つかみ入れるだけで……
ちょっと豪華で良い感じになった
うまい!
実を言うと、私は春菊独特の風味が少し苦手であった。冬の鍋とかでも、春菊は避けていたくらいである。
だがしかし、みじん切りにする事でその強すぎる風味が薄れ、むしろネギや生姜の味と相まって、良い感じの塩梅となる。
自分がここまで春菊を食べるようになるとは、我ながら驚きだ。
塩ラーメンのみならず、味噌ラーメンにもばっちり合う
生姜の効果で体温が上がり、汗が止まらない
これだけもりもり生姜を食べていると、どうにも暑くなってしまう。
本来、この三種薬味は寒い冬にこそ最適である(春菊の旬も冬だしね)。今年の冬は、この薬味で乗り切ったようなものだ。
とはいえ、春になってもまだ朝晩は冷えるし、そしてなによりうまい。常備しておいて損はない薬味であろう。
ソバにも合うよ
うどんにもOK
薬味を残したくなくて、思わず汁を飲み干してしまう
最近、血圧がやや高めで本来は塩分を控えるべきところなのだが、そんな事など構わず汁も飲んでしまう。
そのくらい、私はこの薬味を気に入った。
シンプルな料理もマシになる、薬味マジック
この三種薬味があるお陰で、私の食生活はかなり変わった。彩が増え、香味が増え、食事が楽しいものとなったのだ。
あまりに簡素すぎるモヤシ炒めも……
ちょっと良い感じの小料理に
レタスをちぎっただけ。これをサラダというには無理があるが……
薬味と青紫蘇ドレッシングで見事な和風サラダに大変身
冷奴にも……って、これは薬味としてごくごく普通な利用方法だ
この時は冷奴にも三種薬味を乗せて喜んでいたのだが、冷静になって考えると豆腐にネギと生姜は一般的である。
とはいえ、口に運ぶ豆腐から春菊の風味がほのかに香り、一丁30円の豆腐がちょっと高級なものに感じられるから驚きだ。
卵焼きに混ぜても良い
これだけでご飯を二杯いける
ここで取り出したるはツナ缶
三種薬味とツナを混ぜ、ごま油と醤油で味付け
炊いたご飯に乗せれば、立派なツナ丼となる
たった3分で作れて、思わずかっこむうまさ
ビバ! 華やかな食生活
とまぁ、こんな感じでネギ&生姜&春菊の三種薬味は大変重宝している。乗せるだけ、混ぜるだけで、料理の味に複雑さが増す。華やかになる。実にオススメである。
……なんとなく、私の毎日の食生活を露呈しただけのような気もするが、まぁ、それはたぶん気のせいだろう。