特集 2014年4月23日

プロジェクターで達筆の書道が出来る

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テクノロジーを使えば大きな紙に達筆な書道が出来る。

そんな方法を思いついたので紹介します。
1985年生まれ札幌市出身。髪がとても硬いため寝癖がなかなか直りにくい体質。そのためよく帽子をかぶっています。

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字が下手

大人になったら字が上手くなる。

そう思い続けてるうちにすっかり30歳間近になってしまい、そして相変わらず字は下手なままだ。
29歳(男性)の字。
29歳(男性)の字。
しかもこれでもまだよく書けた方で、普段なにげなく書いた字は、1文字ずつ別人が書いたんじゃないかと思うぐらいガタガタだ。

今はほとんどパソコンで入力するからそれほど困らないけど、やっぱり筆で美しい字を書けると、大人!な感じがして憧れる。新年の抱負とか大きな紙に筆ででっかく書いたりしたいじゃないか。
ひょっとして大きな紙ならうまく書けるんじゃないか?
ひょっとして大きな紙ならうまく書けるんじゃないか?
書けなかった。
書けなかった。
でも習字教室通うほど努力して書きたいわけではない。スイッチを押したら突然上手くなる、ぐらいの手軽さでなんとかしたい。

そこでプロジェクターで投影してトレースする方法を思いついた。
普段はちゃんと映画とか見るのに使ってます。
普段はちゃんと映画とか見るのに使ってます。
PC上で入力した文字を紙に投影する。
PC上で入力した文字を紙に投影する。
この投影された文字の上から筆でトレースすれば、まるでフォントみたいなきれいな字を、というかフォントそのものの字を書けるはずだ。
書道とは逆の繊細さが要求される。
書道とは逆の繊細さが要求される。
習字というより塗り絵。
習字というより塗り絵。
半紙(今回使ってるのは障子紙だが)は墨を吸うと若干滲んでしまうので、ゆっくりなぞっているとどうしても線がプルプルしてしまう。

それでも形は整っているはずなので、そのあたりどちらの影響が大きいかのか。

プルプル達筆

結果としては、「プルプルしてるけど形がきれいだから達筆」ということになった。
まるでMS明朝みたい!
まるでMS明朝みたい!
Before
Before
After
After
驚くべき上達である。
この勢いを一切感じさせないハネ。
この勢いを一切感じさせないハネ。
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毛筆体で書きたい

投影した文字を筆でなぞる方法は有効だ。

しかも使うフォント次第でいくらでもテイストを変えられる。 ここはやっぱり毛筆体の字で、いかにも筆で書いたような字を書きたい。

白舟書体さんのフリーフォントで毛筆に近い形のものがあったので、 それを使ってまた名前を書いてみよう。
しかし”小柳”の”柳”の字がない。フリーフォントあるある。
しかし”小柳”の”柳”の字がない。フリーフォントあるある。
なのでひらがなで書く。
なのでひらがなで書く。
文字はすごい達筆だけど漢字を知らない、という設定と考えれば問題はない。 よく分からないけどそういうの萌えポイントって言われるんですよね?
書道という雰囲気はない。
書道という雰囲気はない。
あらお上手。
あらお上手。
すごい上手い。けどひらがな。でもやっぱり字がきれいだと、しっかりした大人と思える。精神年齢高そうだ。

対してこちらは普通に書いたもの。
かわいい、ということでお願いします。
かわいい、ということでお願いします。
Before
Before
After
After
こやなぎ~、という感じから、こやなぎ!という雰囲気に変わった。 やはり大人はこうありたいものです。
近くで見るとプルプルしている。
近くで見るとプルプルしている。

写真をなぞって水墨画風に

文字をなぞればきれいな字がかけるのは分かった。 なら次は写真をなぞれば水墨画風の絵を描けるのではないか。
いつか買った素材集のおじいさんにモデルになってもらう。
いつか買った素材集のおじいさんにモデルになってもらう。
あふれ出るイタズラ書き感。
あふれ出るイタズラ書き感。
描いてる方は真面目です。
描いてる方は真面目です。
文字とは違いそれほど神経質になぞっていく必要はないので、 書いててとても楽しい。

写真を元にトレースするのは普通にやっても出来るけど、 大きな紙に筆で描いていくのはそれだけで達人になったような気がする。
そんなうまくはないか。
そんなうまくはないか。
なんというか、すごい上手いわけでもなく、下手なわけでもない、とてもコメントしづらい出来になってしまった。

とりあえずモデルのおじいさんに申し訳ないです。
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来年の年賀状をいまから用意する

最後に来年の年賀状を書いてみたい。

僕は字の下手さから年賀状を一言すら手書きしなかったのだが、 今回の手法を使えば、すべて達筆の手書き年賀状が容易に書ける。 しかも特大のサイズでだ。送られた方は感動して泣いてしまうかもしれない。
年賀状案。
年賀状案。
来年の干支はゴリラ(に近い猿)なので 右下に力強いゴリラのオブジェを配置。

やってみて分かったが、こういうトレースはリアルな写真よりもデフォルメされたゴリラの方が描きやすい。

これからゴリラをトレースする予定がある方はぜひ参考にして欲しい。
1分ぐらいかけて点を書く。
1分ぐらいかけて点を書く。
元の筆のこすれはボツボツ書くという技を発揮。
元の筆のこすれはボツボツ書くという技を発揮。
遠目から見ると完璧。
遠目から見ると完璧。
近くで見るとモコモコしている。
近くで見るとモコモコしている。
元の文字がかなり達筆の毛筆体なのでトレースでどこまで近づけるか未知数だったが、遠目から見るとまったく分からないほど完璧に真似られた。

ただ近くで見ると線のモコモコ具合がバレてしまう。

パッと見は美人だけどよく見ると毛深い人みたいな、たぶんそれも萌えポイントなんだと思う。
いよいよ干支を描いていく。
いよいよ干支を描いていく。
ここはゴリラのように勢いを大事にしたい。
ここはゴリラのように勢いを大事にしたい。
かなり良いのではないだろうか。
かなり良いのではないだろうか。
超達筆でしかもゴリラの絵が上手い、そういう大人、とても憧れる。
しかもこのサイズなので尊敬度100倍だ。
しかもこのサイズなので尊敬度100倍だ。
最後に目を入れるダルマ的アトラクション。
最後に目を入れるダルマ的アトラクション。
垂れてしまった。
垂れてしまった。
「泣きゴリラ」として招きネコみたいな縁起物と言い張ることも出来る。

ただゴリラの目の部分はとても堀が深く、本来暗いものなので、この垂れをポジティヴに考え、全部を暗くしていこう。
実際に堀が深すぎてこれぐらい影が落ちるはず。
実際に堀が深すぎてこれぐらい影が落ちるはず。
悪ゴリラになった。
悪ゴリラになった。
目の部分だけ影にしたからか、サングラスみたいになってなんだか悪いゴリラだ。

これはこれで年賀状としてありかもしれないが、 新年からあまり攻撃的なメッセージは送らない方がいいと思います。

プロユース

今回の方法をズルだと思う人もいるだろう。

その通りで思いっきりズルです。ただ厳しい納期と予算で求められる結果を出すのがプロとも言える。

もしあなたがでっかいゴリラの年賀状を出す必要に迫られたとき、ためらわず今回の方法を使って欲しい。
企画後、フリーハンドでも上手くなってるかと期待して書いたら、もっと下手になっていた。
企画後、フリーハンドでも上手くなってるかと期待して書いたら、もっと下手になっていた。
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