霊峰、ゴリラの頭
ゴリラの頭の尖りと言われても、「そんな尖ってったっけ?」と思う人が大半だと思われる。
なのではじめにゴリラの頭が人類と比べてどれだけ尖ってるかを見ておこう。
お分かりいただけただろうか。
尖りを見ておく、と言ってもゴリラの写真を一枚載せただけだが、 それでも迫力の尖りは十分伝わると思う。
とはいえ比較対象がなければいまいち分かりづらい。 その辺りは動物園側も理解しているのか、人間とゴリラの頭蓋骨を並べた展示があった。
ただ丸いだけの人類。
石槍の先端かのようなゴリラ。
もはや棘である。
これでゴリラの頭がいかに尖っているか理解していただけたかと思う。
この尖りを知っているいないでは、春からの新しい職場や学校で周りと溶け込めるかが全然違うので、しっかり理解して同期と差をつけよう。
日本最高峰の尖りゴリラを測る
このゴリラの頭の尖りをフィギュアで再現し、上から色々なものを落としてみてその破壊力を確かめる、というのが企画の趣旨だ。
そのためにはまずゴリラの頭の角度を測る必要がある。 しかしゴリラによって頭の鋭さは違うので、せっかくだから平均的なゴリラに比べてより尖ってるゴリラの頭をサンプルにしたい。
ゴリラのマークからして尖ってる。
やってきたのは千葉動物公園。ここに半端でない尖りのゴリラがいる。
それは世界的に認められてるということではなくて、僕がいままで見てきた中で最も頭が尖ってると思われる個人的見解によるものだが、とにかく見てもらえれば分かる。
このお方です。(ゴリラ名:ケンタ)
もはや名器とも言える程の頭の尖りである。このゴリラだけサイの仲間に分類されてもいい。
その尖り具合は、他のゴリラと比べると特に顕著だ。
モンタ
ハオコ
ムサシ
ケンタ御大
お山の角度を測る
ゴリラの頭の尖りを再現するために、 ゴリラの頭の角度を調べよう。
しかし直接ゴリラに分度器を当てることはできない。 出来たとしても、ストレスに弱いゴリラは分度器を当てられた混乱で死んでしまうかもしれない。ゴリラとはそれだけ繊細な生き物なのである。
なので遠くからiPhoneのアプリを利用して計測する方法をとった。 テクノロジーの進歩はゴリラにやさしい。
しかしちゃんと計るのがむずかしい。
ゴリラはあまり動かないように見えて、顔だけは意外と動く。
しかもゴリラに対する畏怖からか、手がプルプル震えてしまい、正確に計測できない。 全然こっち向いてくれないし。
何度も挑戦してるうちにiPhoneのバッテリーが寒さで減ってきたので、 回復のために暖かい室内に入ると、ちょうどいいものがあった。
不動明王像ではなくゴリラです。
これなら動かない。動かないなら測れる。これでいこう。
ただそうするとわざわざ日本最高峰の尖りを持つケンタ御大を測りにきた意味がなくなってしまうので、このゴリラ坐像はあくまでも参考とし、最終的にはケンタ御大の数値を目安にして決めたい。
こういう測り方で合ってるのかどうか確信はない。
威光がすごすぎてブレる。
このゴリラ像の頭を左右前後測った後、iPhoneのバッテリーが回復したので再びケンタ御大を測る。
像を比較したときとの平均値で頭の角度を決めていこう。
画像が荒いとUMA感が増す。
ゴリラの頭の角度
そんなわけで遂にゴリラの頭の角度を求めることが出来た。
なんと後頭部の角度以外は全て25°。規則性なんてなさそうなゴリラの頭にこんな法則があるなんて。神の意思のような奇跡が感じられないだろうか。
正確に測るのがむずかしくて無意識的に都合のいいところで切り取ったという可能性はまったくない。たぶんない。
ゴリラを3Dで作る
ゴリラの頭の角度は分かった。既にそれだけで1ページ使ってしまったが、まだ先は長い。ゴリラの頭を再現してようやくスタート地点に立てるのだ。
今回は3Dプリントでゴリラフィギュアを作る手法でいこうと思うので、 そのためにはまずゴリラの3Dデータが必要になる。
幸いにもSclptrisという、粘土をこねるように3Dのゴリラが作れるフリーソフトがあるので、それを使用してゴリラを彫っていこう。
1番分かりやすい顔から始める。
だいたいこんな感じだと思ってたんだけど。
なんか違うのになった。
ゴリラのこと、知ったつもりになってたかもしれない。
ゴリラのこと、何も知らなかったのかもしれない。
自分の中のゴリラ観だけを頼りに勢いで作っていったら、昔のウルトラマンに出てくる誰の記憶にも残ってない回の適当な星人みたいになった。なんだこいつは。こんなのゴリラじゃねえ!
反省してゴリラの写真を見ながら制作。
だいぶゴリラらしくなった。きちんと観察することの大切さをゴリラから学んだ。
納得のゴリラ。
最終的には俗に言うゴリマッチョな体型にしてみた。しかしゴリラにとっては標準的な体だと思われる。
故にゴリマッチョとは言い換えれば普通のゴリラのことである。
ゴールデンゴリラ。
メタリックゴリラ。
無意味に質感を変えて遊んでみたが、 せっかく測った頭の角度を合わせることを忘れてはいけない。
ある程度良し!
ある程度は良し!
ある程度とは言いつつも、結構キッチリ合わせたので大丈夫だろう。
問題は3Dプリンターでプリント可能な形状かどうかだ。あまりにもゴリラだから出来ません、と判定されたらどうしようもない。
パーツチェックは専用のソフトで行う。
判定を前に緊張の面持ちのゴリラ。
エラーは見つからず、ゴリラも安堵の表情。
ゴリラのフィギュアが出来ました
出来たゴリラデータを3Dプリントサービスに送り、待つこと数日、 遂に実体となってやってきた。
一点の曇りもない、純白のホーリーゴリラ(ナイロン製)
思ってた以上に細かい部分が再現されていて感動する。
武器や凶器となる可能性があるデータは断られると聞いていたので、ほぼ凶器とも言えるゴリラの頭が通るかどうか不安だった。
しかしこうして来たということは、 ゴリラの頭は生物兵器としての危険性もありながら、それを上回るゴリラの優しさもあるということだ。
ゴリラの頭の破壊力
時は来た。
我々は人類は遂にゴリラの頭の破壊力を目の当たりにする。
やじろべえもバランスを取れる尖り。
ウェハースで板割り
まず試すのは、ウェハースのお菓子。 ゴリラには簡単すぎるかもしれないが、小手調べとしてはちょうどいい。
ゴリラが負けるはずがない。
形的にも木の板に近いので、空手の板割りのゴリラ頭突き版と考えてもいいだろう。
手でも簡単に割れる程度のものなので、ゴリラには役不足かもしれないが、 最初なのでどこまで大丈夫なのか不安な面もある。
何事もなかったように粉砕。
ゴリラには傷ひとつ付かず。
ウインナー
次に試すのはウインナー。硬さで言えば先ほどのウェハースよりも断然柔らかい。
人間の腕と考えることも出来る。
だからこそ真っ二つにすることが出来れば、それだけ尖りが鋭いことの証明にもなる。 柔をも打ち砕く剛に期待したい。
腕を粉砕した瞬間。
ウェハースのように破壊力で粉砕するのとは違い、尖りを利用してゆっくりと一点に力を加えつつ、最後に折る。まるで拷問。三角ゴリラという拷問器具があってもおかしくない。
何があってもゴリラの頭に腕を置かないように。
硬さと柔らかさを併せ持つCD
硬いものも柔らかいものもゴリラの前に儚く散った。
では硬軟併せ持つプラスチックのCDならどうだろう。
真ん中の穴がゴリラの頭にピッタリという理由で選びました。
拮抗した戦い。
お互いに譲らない。
CDは割れず、ゴリラも無傷。この勝負は引き分けか。
限界までCDを押し込んでみたけれど割れることはなかった。 そしてゴリラにも傷ひとつ付かなかった。現代における最強の矛と盾はゴリラの頭とCDだと言うのか。
とにかく、もしゴリラに頭突きされそうになったときは、CDで身を守れば良さそうだ。
瓦割り演武の準備が整いました。
なぜまたウェハースなのかというと、 よりゴリラの頭の破壊力を生かせる方法を思いついたからだ。
ゴリラを叩きつける。
この方法なら複数枚でも安定して力を加えられる。 三枚なら簡単にいけるはずだ。
恐竜絶滅の原因。
隕石衝突の痕跡が残った。
隕石(ゴリラ)は当然無傷。
そうはいってもやっぱり大切にする気持ちが出て ちょっと手加減してしまったが、それでも安定の破壊力。 大量破壊兵器としてCIAからマークされるかもしれない。
大切な人を守るためのゴリラ
もっとレンガとか硬いものを力いっぱい叩きつけてみたかった。 どうしても壊したくなくてかなり手加減してしまったのは否めない。 だって6500円した高級ゴリラだから・・・。ゴリラが破損するぐらいの力を加えるのは、 本当に大切な時のためにとっておきたい。
いつか守るものが出来て、そしてその人が暴漢に襲われたりしていたら、 ゴリラの頭が真の力を見せるのはその時だ。