特集 2014年4月22日

「歯医者の歯」コレクション

歯のバリエーションに驚くばかりである。
歯のバリエーションに驚くばかりである。
数年前から、「歯医者の歯」を撮り集めている。
要するに、歯科医院の看板によく描かれている「歯」のイラストのことである。

当サイトでも、大山さんが「歯医者キャラ」としてすでに何回も記事を書かれているのだが、僕もあちこちで撮っているうちに「歯フォルダ」の中が結構な量になってしまったので、とくに「いい感じの歯」を選りすぐってお見せしたい。
今回はもうぜんぶ歯の写真だけ。
1973年京都生まれ。色物文具愛好家、文具ライター。小学生の頃、勉強も運動も見た目も普通の人間がクラスでちやほやされるにはどうすれば良いかを考え抜いた結果「面白い文具を自慢する」という結論に辿り着き、そのまま今に至る。(動画インタビュー)

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歯、怖くないか

以前に親知らずを抜く時にめちゃくちゃ痛い思いをしたことがきっかけで、歯の絵や写真を見ただけで「ひいっ」と小さく叫ぶぐらいに歯が怖くなってしまった。
これは歯科じゃなくてラフォーレの看板だけど、歯が怖い。
これは歯科じゃなくてラフォーレの看板だけど、歯が怖い。
そうやって気にし出すと、町中にはかなりの量の歯科医院があって、その医院の看板の大半には歯が描かれていることに気付いた。なんだよ怖いよ。大手製薬会社の細菌研究所(たぶんゾンビ化ウイルスを作ってる)の近くにある巨大ショッピングモール(たぶんゾンビでいっぱい)ぐらい怖い。
歯科医院の歯看板。こういうやつ、あるよね。
歯科医院の歯看板。こういうやつ、あるよね。
とはいえ怖がってばかりでもしょうがないので、その怖いのが面白いというか、ホラー映画を怖がりながら見るみたいな感覚で写真を撮っている次第である。

まずは基本の歯から

先に見てもらった看板のイラストだが、これは一目で「歯だな」とわかってもらえると思う。
我々が普段に歯と聞いてまず想像するのがこの、根っこ(歯根という)が枝分かれしていて、頭(歯冠という)がふっくらとふくらんでいる歯だろう。
シンプルな歯。
シンプルな歯。
これは大臼歯、いわゆる奥歯である。
前歯や犬歯、小臼歯など他にも歯はあるにもかかわらず、歯のビジュアルイメージといえば大臼歯なのである。
これに関してはあらためて後ほど見ていただくが、枝分かれした歯根が足っぽく見えてキャラクター化しやすかったからなのではないかと思う。
ちょっとデザインされてる歯。
ちょっとデザインされてる歯。
実際の大臼歯は実はかなり複雑な曲線で構成されている(興味在る方は大臼歯で画像検索してください。こわい写真もあるので自己責任で)のだが、それを看板用にイラスト化する際にさまざまなアレンジが行われている。
とにかく歯医者さんの看板の数だけ歯のバリエーションがあると言っても過言ではないのだ。
練り歯磨きが歯になってる。これだけ線を省いても歯だとわかる。
練り歯磨きが歯になってる。これだけ線を省いても歯だとわかる。
歯のイラストの中にどんと「歯」の文字。
歯のイラストの中にどんと「歯」の文字。
冷静に考えると、歯医者だからといって看板に「歯」とだけ書いてあるのはわりと面白い。
整形外科で「骨」とか、産婦人科で「赤子」って書いてある看板は無いもんな。
こちらは英語版か。
こちらは英語版か。
この歯もだいぶアレンジされているが、それでも「歯」とか「dental」とか書いてなくても「歯だな」と認識はできるだろう。
イラスト化された中に同じ形は一つもないのに、でも全部「ぜんぶ歯だなー」と認識できるのは、人間の形状認識能力がすごいのか、歯の持つパブリックイメージの強さなのか。
盾とかの紋章っぽい歯。
盾とかの紋章っぽい歯。
さすがにここまで歯冠と歯根のバランスが違うと一瞬戸惑うが、それでもなんとか歯に見える。
あと、電話番号がこういう語呂合わせになっているのは「歯医者あるある」だ。
なぜイルカ。
なぜイルカ。
イルカとの組み合わせが謎めいているが、歯のイラストはなかなかリアル。
一つ前の紋章っぽい歯と見比べると、その多様性が理解してもらえると思う。どっちも歯なんだぜ。
歯根が丸いせいでピーマンにも見えるデザイン。なによりデカい。巨人の歯。
歯根が丸いせいでピーマンにも見えるデザイン。なによりデカい。巨人の歯。

歯と、ハート

ご覧のように千差万別な「歯医者の歯」だが、アレンジの方向性がある程度似ているものももちろん存在する。
大臼歯のくぼみまで表現されているタイプ。歯根は小さめ。
大臼歯のくぼみまで表現されているタイプ。歯根は小さめ。
「歯」じゃなくて「福」だと中華の文様っぽい。場所が永福町だから?
「歯」じゃなくて「福」だと中華の文様っぽい。場所が永福町だから?
上の二つは、歯冠がとにかくふっくらと大きい。これ、何か見たことある形だなーと思っていたのだが、次の歯を見た時にそれがなんなのか理解できた。
なるほど、これだったか。
なるほど、これだったか。
歯根を絞るように小さく、逆に歯冠をふっくらとさせていくと、最終的に歯はハートマークにちかづくのだ。
一般的に「痛い」「こわい」というイメージが強めな歯科医院だが、曲線が多く優しい雰囲気のハートを看板に用いることでそれを少しでもやわらげよう、という戦略なのだろう。
ハートじゃなくて四国っぽい。
ハートじゃなくて四国っぽい。
ちなみに、同じく歯冠をふっくらとさせても、歯根が開いているとハートにならない。僕は最初にこの歯を見た時に「あ、四国っぽい形だ」と思った。
歯は、歯根を絞らないと四国になる。
もしくは、こちらの医院名「MORIMOTO DENTAL」の「M」の形に寄せているのかもしれない。
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かっこいい歯

優しいハート型歯に対して、シャープでかっこいい歯もある。
ぱっと見、歯でいいのか不安。
ぱっと見、歯でいいのか不安。
黄色い部分が歯茎で、白の描線が歯だと思われる。これはかなり思い切ったデザインでかっこいい。
ただし歯茎からこれだけ歯根がのぞいていると「歯周病なんじゃないか」と心配になる。いや、病院だから「こうなったらウチで治しますよ」というメッセージなのかもしれない。
ワイヤーフレーム歯。これ、かっこよすぎないか。
ワイヤーフレーム歯。これ、かっこよすぎないか。
ワイヤーフレームで描かれた歯。シビレるぐらいのかっこよさだ。
映画「TRON」などで「未来といったらワイヤーフレームだぜ」という教育を受けて育った世代なもので、とにかくこんなフューチャー感に弱い。楕円のワクから歯根が飛び出しているのもパンクでいい。かっこよさだけで言えば僕の歯コレクションの中でもトップクラスである。
これもかっこいい。
これもかっこいい。
同じくワイヤーフレーム歯。こちらは曲線的だけど、やっぱりかっこいい。
どちらかというと、『Newton』とか『日経サイエンス』の科学イラスト的なかっこよさだ。「ブラックホールの模式図」みたいなので、こういうのなかったっけか。

立体歯もある

平面のイラストばかり紹介したが、「歯医者の歯」には立体物もある。
デフォルメも少なく、リアルさで言えばイラストよりも一段上。歯の見た目が怖い人間にとってはなかなかのショック物件である。
立体歯、けっこう大きい。
立体歯、けっこう大きい。
アクリルケースのようなものに納められた、そこそこ大きい歯。
同様のものを何カ所かで見ているので、オリジナルではなく、こういう立体看板商品として販売されているのだろう。
ケースにプリントされている四角い顔は、たぶん歯が並んでいるイメージだろう。かわいいんだけど、中身の立体歯が怖いのでプラマイゼロだ。
歯ブラシと謎のつぶつぶ付き立体歯。
歯ブラシと謎のつぶつぶ付き立体歯。
壁に据え付けタイプの立体歯。これも複数の目撃報告があるので、オリジナルではないと思われる。
ところで歯ブラシは分かるんだけど、緑色のつぶは何だろう。泡の表現かと思ったが、もしかして歯磨き粉に含まれる研磨剤を拡大したものか。それとも、緑色連鎖球菌(抜歯時の感染症の原因になる菌)なのか。
それにしても、以前に親知らずを抜いた時にお医者さんから聞かされた「緑色連鎖球菌」という言葉を、こんな場面で思い出すとは。

デフォルメしすぎ歯

立体歯が歯イメージ的リアルさのひとつの頂点だとすれば、そのまったく逆方向、あきらかにデフォルメしすぎな歯も存在する。
歯と分かるギリのラインか。
歯と分かるギリのラインか。
円が1/4欠けたのに近い図だが、確かにぎりぎり歯に見える。ここまで省略しても歯なのか。
大臼歯のもつ歯コモンイメージの根深さを思い知らされるばかりだ。
歯…か?
歯…か?
どうやら赤い台座部分が歯茎で、白いのが歯、ということなんじゃないかと思う。
もちろん、歯医者の看板に描いてあるからそういう解釈ができるぐらいで、占い師の看板に同じものが描いてあったら「ああ、水晶玉で占う人なんだな」という理解になるはずだ。
デフォルメとしてはやり過ぎ、というかチャレンジングスピリッツに超溢れている感じ。

歯列タイプ

歯というのは一本では役に立たない。口の中にいっぱい生えてるからこそ歯なのだ。
…という主張ではなかろうが、ちゃんと歯が生えた状態の「歯医者の歯」もある。
個人的には歯単体のほうが怖くて気持ち悪いと思うのだが、こっちの歯列タイプ(通称口だけお化け)のほうが気持ち悪い、という人もいる。
代表的な「口だけお化け」型。さわやかでいいと思うのだが。
代表的な「口だけお化け」型。さわやかでいいと思うのだが。
念仏の鉄「必殺骨はずし」を思わせる、レントゲン透視の歯列。
念仏の鉄「必殺骨はずし」を思わせる、レントゲン透視の歯列。
こちらはインプラント(差し歯)が透けてる、一部レントゲン透視歯列。
こちらはインプラント(差し歯)が透けてる、一部レントゲン透視歯列。
ところでいま並べて気がついたのだが、歯列タイプはインプラントの表現に使われることが多いようだ。
芸能人が矯正のかわりにインプラントで歯並びを揃えたりすることもあるようで、きれいな歯並びのイメージを表現するのに良いのかも知れない。
珍しい、カラフルな歯列。
珍しい、カラフルな歯列。
こちらは珍しい、デフォルメがかなり効いてる歯列タイプ。顔を横から見た図で、右側の細くなってる四角が前歯で、左の太い四角が臼歯なんじゃないか。
あと、なぜかカラフル。歯は白くあらねばならない、というイメージからの大胆な転換である。

仕事する歯(医院名編)

歯は、歯であるだけでなく、ひっそりと別の仕事をすることもある。
例えばアルファベットをやったりもするのだ。
つまり、こういうことだ。
つまり、こういうことだ。
ご覧の通り、いま歯は歯にしてアルファベットのAでもある。
このパターンはたまに見られるもので、バリエーションも豊富だ。
語呂合わせの電話番号もみどころ。
語呂合わせの電話番号もみどころ。
こちらなどは、なぜか逆立ちしてAを演じている。逆立ちしない方が歯根がAの足の方っぽく見えていいんじゃないかと思うんだけど、理由は不明だ。
歯と葉が仕事をしている。歯科医ギャグだ。
歯と葉が仕事をしている。歯科医ギャグだ。
今度はOを演じる歯。スッキリしたデザインでかっこいい看板だなーと思うが、よく見るとYの部分が葉になっている。葉と歯がかかっている、しょうもないダジャレが紛れ込んでいることにも気付いておくべきだと思う。
一見何をしてるのか分からないぐらいの仕事っぷり。
一見何をしてるのか分からないぐらいの仕事っぷり。
この歯は働き者だ。Hの右の縦棒、A、Rの左の縦棒までを一本で勤めている。見上げた頑張りだと思う。歯冠に光る輝きは、きっと労働の汗だろう。

アルファベットだけでなく漢字の一部をこなす歯もいて、こちらはバリエーションはほぼ無く、「歯」の中身の「米」一択である。
「米」が歯。遠目に見たら「歯」という字に見えるんだろうか。
「米」が歯。遠目に見たら「歯」という字に見えるんだろうか。
要するに漢字のごちゃごちゃっとした部分をまとめて歯にこなさせてしまおうという魂胆である。
歯の形はどうやったって「米」には見えないので、とにかく雰囲気で乗り切る腹づもりのようだ。
色まで変えてある。「歯」に見せるの諦めたか。
色まで変えてある。「歯」に見せるの諦めたか。
このパターンはさらっと医院名に紛れ込んでいることが多い。
隠しキャラ的なもので見逃すとちょっと勿体ないので、探す時は注意して見よう。発見できたらかなり嬉しい。
もう歯のイラスト要らないんじゃないか。
もう歯のイラスト要らないんじゃないか。
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仕事する歯(コンパニオン編)

歯は文字に擬態するだけでは無い。
自分の病院の治療説明や場所の案内まで、コンパニオンのような仕事もやっている。
よくわかる、インプラント(ネジで埋め込む差し歯)の図。
よくわかる、インプラント(ネジで埋め込む差し歯)の図。
うちの病院はインプラントを積極的にやってるんですよー、という説明が歯のアイコン一つで完成している。これは分かりやすくて、とても良く出来ていると思う。
歯が電車ごっこをしているようにも見えるが、矯正中。
歯が電車ごっこをしているようにも見えるが、矯正中。
これは最初見た時は良く分からなかったのだが、Twitterでこの写真をアップしたところ、「歯に輪ゴムのようなものをかけて矯正する治療があるので、それを表しているのではないか」と教えてもらった。
なるほど。これもちゃんと治療内容を表す図だったのか。

ちなみにこちらの矯正歯科医院は、わりと歯づかいが荒いようで、他にも看板の中で働かされている歯がいた。
こんなところまで歯か。
こんなところまで歯か。
地下鉄の出口から医院までの地図も歯だった。
歯、八面六臂の活躍である。
駐車場案内もこなす、勤勉な歯。
駐車場案内もこなす、勤勉な歯。
駐車場の案内看板でPマークとして勤めている歯もいた。
我々の目の届かないあちこちで、歯は人知れず働いているのだ。えらいものだ。

一大勢力、歯キャラ

さて、いよいよ「歯医者の歯」の大勢力、歯キャラの紹介である。
歯を擬人化したキャラクターのことで、基本的には歯に目や口がついているものを指す。
これを歯キャラと称します。
これを歯キャラと称します。
いきなりふっくらしすぎというか、アスペクト比が狂ったような歯であるが、この雰囲気が歯キャラの代表格と思っていただいて問題無い。
なんだかよくわからない、縄跳びをする歯。
なんだかよくわからない、縄跳びをする歯。
これもよくあるタイプで、歯根部分を足に見立て、さらに別に手が生えているもの。
なぜか縄跳びをしているが、これは「歯が自分でぴょんと飛ぶように気持ち良く抜歯できますよ」というイメージ広告なのだろうか。
病院名にあわせて、さくらで飾られた歯。
病院名にあわせて、さくらで飾られた歯。
歯キャラはだいたい性別不詳か男の子っぽい雰囲気なのだが、これは珍しく、頭に花を飾ったかわいらしい女の子風の歯だ。サンリオ風。
これも女子歯か。
これも女子歯か。
この2点だけが、僕の知ってる女の子歯キャラである。
僕が今まで撮った歯キャラが40点ぐらいある中で女の子は2点だけなので、やはり比率的にはレアキャラだろう。
もしかしたらお医者さんも女医さんなのかもしれない。
だいぶフレキシブルな歯。
だいぶフレキシブルな歯。
これなんかは歯根が開いて爪先のようになっている。
胸を反らしてピースサインをしたりとポーズの自由度も高く、かなり柔軟な体の構造をもっているようだ。
歯が柔らかい、っていいのか。
「クリニック」という字の陰からこんにちは、的な。
「クリニック」という字の陰からこんにちは、的な。
こちらも柔らかい印象の歯キャラである。
歯根をちょこちょこと動かして歩いていそうで、なかなかにかわいい。
形もだいぶアレンジされている歯キャラ。
形もだいぶアレンジされている歯キャラ。
なんとなく、やなせたかし先生デザインっぽい歯キャラ。
名前をつけるとしたら間違いなく歯マンだろう。
「歯マン、お腹がへったけど入れ歯を無くしちゃったんじゃよ」
「ようし、僕の歯でお食べ」
みたいな。
表情がいい味出してる。
表情がいい味出してる。
歯がドヤ顔をしているという、いい味わいのキャラ。
何があったか分からないが、もしかしたら親知らずが気持ち良く抜けたとかそういうことだろうか。

自分は自分で磨く、セルフ磨きキャラ

「歯はきちんと磨かれるべきだ」という歯科業界全体の統一された意思の元、歯キャラも歯を磨く姿勢を見せて我々患者を啓蒙しようとしている。
歯キャラが磨く歯といえば、当然のことながら己自身の肉体である。
「さぁ!歯を磨こう!」という意志あふれるポーズ。ザ・啓蒙キャラ。
「さぁ!歯を磨こう!」という意志あふれるポーズ。ザ・啓蒙キャラ。
「自分磨き」とか言うとなんとなく自己啓発系な雰囲気も漂うが、彼らがやっているのは本当に文字通りの自分磨きなので、ケチのつけようもない。
まさに自分磨き中だ。
まさに自分磨き中だ。
上に貼られている「外出中です」の紙にも、手描きであろうセルフ磨きキャラが。こっちもかわいくて好きだ。
手が長い。隅から隅まできれいにブラシが届くのだろう。
手が長い。隅から隅まできれいにブラシが届くのだろう。
手が短いのもいる。こいつは磨くの難しそうだ。
手が短いのもいる。こいつは磨くの難しそうだ。
ところでこの歯のキャラ化およびセルフ磨き、日本独特のものだろうと漠然と考えていたのだが、なんとロサンゼルスにもヤツがいた!とアメリカ旅行中の知人ライターさんから写メをいただいた。
脅威の股下。アングロサクソンは歯も足が長いのか。(写真提供:スダナツキ)
脅威の股下。アングロサクソンは歯も足が長いのか。(写真提供:スダナツキ)
そうか、歯キャラは世界的なものだったのか。
いずれ世界中の歯キャラを並べて「世界歯キャラ選手権」もやってみたいものである。
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歯医者の歯、傑作選

最後に、今まで撮り集めた中でも特に僕が気に入ってる歯をご覧いただきたい。
一度でも「歯」だと思ったら、もう二度と花には見えない。
一度でも「歯」だと思ったら、もう二度と花には見えない。
花びらだと思ったのだが、よく見たらこれ歯だろう。
デザイン的に良く出来てるなーと思うのだが、この花が本物の歯をびっしり敷き詰めて作ったものだと想像すると、もう首筋がぞわぞわとする。こわい。
本格派の口だけお化け。「Fresh Teeth!」ってすごいダミ声で言ってそう。
本格派の口だけお化け。「Fresh Teeth!」ってすごいダミ声で言ってそう。
先ほど「歯」という漢字の中の「米」だけが歯のイラストになったものを紹介したが、これはもう字全体が歯。
軟体っぽい歯ブラシに磨かれてピカピカと輝いている歯列。
虫歯菌が歯磨きによって駆逐されている…というビジュアルなのだろうが、何か小さな生物を囓っている巨大な捕食者にしか見えない。
ご当地歯医者の歯。
ご当地歯医者の歯。
スカイツリーが望める錦糸町近くの歯科医院。
歯にご当地要素が盛り込まれているのはわりと珍しいと思う。というか、歯にご当地要素盛り込むって自分で言ってみたけどよく意味が分からない。盛り込んでいいものなのか。
これは歯の形がレア。
これは歯の形がレア。
これは僕的にものすごいレアだと思うのだが、理解していただけるだろうか。
なんと歯根が今まで見てもらったような二股じゃない。単根なのだ。形も大臼歯っぽくない。もしかしたら前歯とか犬歯じゃないのか。
できればプロの歯医者さんの知見を伺いたいところである。
この時点では普通の歯。
この時点では普通の歯。
こちらは今までとさほど変わらない、シンプルな「歯医者の歯」だ。
変わっているとすれば、上下が逆になっているのがちょっと珍しいかなーぐらいのものだ。
で、この看板のすぐ脇に歯科医院(2F)へ登る階段があるのだが、その案内表示がこちら。
歯じゃなかった!
歯じゃなかった!
なんと歯じゃなくてウサギでした、という看板。
逆さまにして歯根を耳に見立てれば、確かにウサギに見える。
こういうやり方もあったか、と初めて見つけた時に膝を打ったものだ。
歯って電球のフィラメントに見えるよね、と感じた人のセンスはかなり変じゃないか。
歯って電球のフィラメントに見えるよね、と感じた人のセンスはかなり変じゃないか。
なんで歯が電球なのか、よく分からない。もしかしたら、電球をソケットにねじ込む感じとインプラント治療がかかっているんだろうか。
それで正解なのかはわからないが、ともあれ明るいイメージでいいんじゃないか。
歯王。
歯王。
これもまた意味が良く分からない、ゴージャスな王冠をかぶった歯。
僕が持ってる写真の中でも一番偉そうな歯である。
こちらは審美歯科(ホワイトニングとか矯正で歯を美しくする)に力を入れている医院のようで、つまりはそれぐらい美しくなりますよ、というイメージなのだろうか。
あと、歯根が三股で描いてあるのも比較的珍しいと思う。(実際の大臼歯は二股よりも三股の歯根の方が多いらしい)
アメリカンな歯医者の歯看板。
アメリカンな歯医者の歯看板。
日本の歯科医院だが、看板は妙にアメリカン。たぶん本当にアメリカで使われていた歯科の看板を流用しているんだと思う。
歯の形が日本のようなバランスを取ったデザインではなく、リアルにゆがんでいるのがかっこいい。
「TEETH EXTRACTIONS」は「抜歯」の意味。抜歯料金表だ。
「TEETH EXTRACTIONS」は「抜歯」の意味。抜歯料金表だ。
ガムテープを貼って隠してある部分が一部剥がれていて(他の人も気になってるらしい)、見ると下にはドルで料金が書いてあった。
アメリカではFIRST TOOTH(乳歯) 4ドル50セントで抜いてくれるらしい。
いつの時代の価格かは分からないが、しかし「へえ、乳歯抜くのはそれぐらいの値段なのか」という知識含みで、いい歯看板だと思う。
ステンドグラス歯!
ステンドグラス歯!
なんとステンドグラス調の装飾が施された歯。
これは文句なしにかっこいい歯だと思う。
歯のへこみ(噛み合わせの部分)をステンドグラスの線で表現しているのも気が利いてる。

ちなみにこの医院の建物自体は、埼玉県川越市で昭和11年に建てられたデパートを改築して作られたもので、川越の観光名所にもなっているらしい。

まさかの、観光名所の歯だった。

歯が医院名の文字も兼任している、という部分で「歯と葉がかかってる」のを紹介したが、歯医者さんはこういうしょうもないのが好きな方がけっこうおられるらしい。
植物・葉っぱモチーフの歯科看板はかなり多いし、他にはこういうのも見つけている。
なるほど、としか言いようがない。
なるほど、としか言いようがない。
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