戸越銀座商店街サンド
まずやってきたのは戸越銀座。名前は聞いたことがあるが来るのは初めてだ。一直線上にまっすぐ商店が並ぶ。
東急池上線の線路を挟み、全長1.3kmの商店街
実際歩いてみた印象では、クリニックや金物屋など飲食以外のお店が半分。飲食店の中にはその場で食べられるお店がいくつかあり、なかなかの賑わいだ。
さて、なによりも先にサンドイッチの土台となるパンを見つけなければならない。そもそも商店街にパン屋があるとは限らないぞ(下調べ忘れてた)。
小さいパン屋さんを発見。パン屋なのに名前は米魂(ベイコン)
顔やオニギリの形のパンもある。ちょっと変わったパン屋さんみたいだ
どうやら米粉で作ったモチモチのパンが売りのお店らしい。中に入り、惣菜をつめやすそうなパンを探す。やはり食パンがいいだろうか。
悩んだ末、米粉100%と80%の食パンを購入
持ってみると食パンの割にずっしりしてる。弾力も強く食感がとても楽しみだ。
さて、次は惣菜探し。米粉のパンだからどんな惣菜でも合いそうだ。街を練り歩き吟味する。
1つめの惣菜はかまぼこ店の「おでんコロッケ」
大人気!
たくさんのメディアに紹介されている名物「おでんコロッケ」
じゃがいもに、さつまあげ、昆布、なると、つみれ、大根が入っているそうだ。お店人気NO.1が60円なんて嬉しい。
すぐに挟むのではなく、ひとまず購入
ところでこの企画、テレビとかだったらその場でサンドしていきそうなものだが今回はひとまず買ってあとでサンドする。なぜなら寒くて冷えちゃうから。
あと、なに入れようか迷いながらウロウロする時間が長いのでパンがカピカピになっちゃいそうだから。
2つめの惣菜は中華屋の「蒸し鶏」
ここも人気だ。椅子が並んでいるので気軽に食べられる
3つのタレからマーラーをチョイス
美味しそうな蒸し鶏がなんと300円。下には新鮮なモヤシ、上にはネギが乗っている。タレは中華、しょうゆ、マーラーから選べた。
3つめの惣菜はアサリの佃煮
うなぎや佃煮が売られているお店
もう食べ物系のお店は無いかなと思った辺り、商店街の一番端にうなぎ屋さんを見つけた。2000円近くするうなぎは贅沢過ぎると目を細めたが、ケースには美味しそうな佃煮も売られていた。
さっきのコロッケ屋と比べると地味に薦められてる佃煮
こちらのアサリの佃煮は「キテマス」で一世風靡した超魔術師、Mr.マリックの大好物らしい。聞いてみると、割と近くに住んでおり奥さんがよく買いに来るのだそうだ。
ほとんど知らなかったMr.マリックの私生活だが、下町のお店の佃煮が好きという事と「さん」づけで呼ばれている事を知って急に親近感が沸いた。
味がしみてて美味しそう
そして全てを合体
絶品!めちゃくちゃ美味しい
指揮者になった気分
やっぱりだ。
お店選びは楽しいし、適当に選んでも美味しいものができる。おでんの旨みがジャガイモの中にギュっとつまったコロッケ、シャキシャキとしたもやしと鶏のサッパリとした食感、もっちりパンに意外と合う甘辛い佃煮。それぞれの味が混ざり合ってる部分が最高に美味しい。
簡単に言うなれば弁当に入った具を一気に頬張った時の味なのだけど、綺麗に言うなら「ハーモニー」を奏でてる。四重奏だ。そして私は美味しいものを束ね、さらに美味しくさせた指揮者になった気分だ。
引き続き奏でたい。
<戸越銀座商店街サンドの内訳>
・おでんコロッケ…60円
・蒸し鶏…300円
・アサリの佃煮100g…350円
・米粉80%食パン3枚入り…160円
合計870円
*全部使いきっている訳ではないので、サンド自体はこの1/3の値段くらいか
戸越銀座商店街サンドその2
戸越銀座商店街は長い。
線路を挟んで反対側の方にも気になるお店がいくつかあったのでもう一つ作る事にした。
1つめは鶏のから揚げ
揚がり待ちしてる人たち
これだけ言うのだから美味しいんだろう
さっきの通りでいうおでんコロッケ並にメジャーらしい。揚げたてが売りのため、10分待ちである。注文だけ先にして他を周ろう。
2つめは紀州の梅干
種類豊富な梅干屋さん発見
次に目が留まったのは梅干専門店。
こちらの「梅の蔵本舗」、本場の紀州和歌山で展開しているお店で、東京ではここにしか無いらしい。しょっぱいものからハチミツ漬けの甘いものまで、また、贈り物用の上等の梅も扱っていた。
たくさんあって迷う。試食もさせてもらえた
お試しの4個入り150円の商品もたくさんあったので、その中から黒糖梅を選んだ。楽しみでヨダレが出る。
3つめの惣菜はインゲン
彩りを考えて野菜ものを購入
最後の1品は野菜にしたくて、小さい揚げ物屋さんでインゲン揚げを購入。よく考えたら鶏のから揚げと揚げ物でかぶっていた。ウッカリだけどまあいいや。
そしてこのサンドの決め手は100%米粉のパン。引きはがすのに抵抗があるほどモッチリ
そこにアツアツのから揚げとインゲンの天ぷら、梅干を乗せる
できた!まるでお弁当の具だけど
やっぱり凄く美味しい!
アツアツジューシーの唐揚げに、彩りと独特の甘みを添えるインゲン、揚げ物のクドくなりそうなところを酸味でサッパリと調和させてくれる梅干。そしてなんといってもこのパン。存在感が強い!
パンでなくご飯でもなく、餅でもない。その中央あたりに位置する「パンぽいもの」とお惣菜がよく合った。普通なら梅干とパンは合わないだろうがこれは不思議と違和感がなかった。
開放感と共に味わう
ちなみにサンド作りは公園などのベンチがある所がいいだろう。その場で作るのはなかなか難しく人目が気になるからだ。じゃあ家に持ち帰って作ればいいのではという意見もありそうだが、やっぱり出来たてを外で食べるのが魅力の一つだ。
次は場所を変え、お洒落な麻布十番に向かった。
<戸越銀座商店街サンド2の内訳>
・唐揚げ100g(3つ)…265円
・梅干し4個入り…150円
・インゲン揚げ…74円
・米粉100%パン2枚…220円
合計709円
麻布十番商店街サンド
大江戸線を出てすぐ。少し傾斜のある、お洒落な商店街だ。
賑やかで威勢のいい「いわゆる商店街」のイメージとは違う商店街
エリアは広い。でも意外と飲食は少ないかも
近くに大使館が多いためか、道行く人の中には外国人がチラホラ。お洒落な食事処もあれば古くからあるようなおもちゃ屋やブティックが並ぶ、新旧が楽しめる商店街だ。
カップラーメンもあるパン屋さん
心なしか写真が外国に見えてくる。あのパン屋さんにしよう
チェーンのパン屋がいくつかあったが、ここは昔ながらのパン屋さん。洋菓子が並ぶ棚の下にカップラーメンが並んでいるのが庶民的でいい
サンドイッチ用の食パン発見
戸越銀座でしっかりとしたパンを食べたので、今回は軽めにとサンドイッチ用のパンを選んだ。
惣菜屋さんが無い
しかし問題は中身だ。商店街をひと周りした感じだと、戸越銀座のように食べ歩きしたり店頭で食べられるようなお惣菜屋さんが見当たらない。どうしよう…。
超人気の元祖たい焼き屋「浪花家」。一応のぞいてみるか
「およげ!たいやきくん」の歌のモデルとなったという元祖たいやき屋さんに来た。
ここには高校1年の時に遠足のようなもので来た事がある。当時も「昔から人気のたい焼き屋」と感心したのを覚えているが、計算したらそれさえ約20年も前の話と気づき静かにショック。
創業して100年以上経つ老舗だ。この日もたい焼きは人気で、1時間待ちの盛況ぶりだった。凄いな。
1品目はたい焼き屋の「ゆであずき」
ゆであずき発見!たい焼きだけではなかったのか
知らなかったが、持ち帰りのできる商品もいくつか売られていた。その中からゆであずきを購入。
そういえばこの商店街はスイーツのお店が多い。今回はスイーツ系のサンドを作ることにしよう。
2品目は「チョコあられ」
こちらの紀文堂も100年以上続く老舗。人形焼やお煎餅がメイン。一応のぞいてみる
これいいかも!見た目も可愛いので決定
パンに挟めそうなものは無いだろうと思いながらお店に入ってみると意外とあって驚く。
3品目は芋ケンピ
名前に「麻布」がついているかりんとうのお店。デパ地下とかで見たことあるかも
数十種類の中から芋かりんとをチョイス
商店街には他にもケーキ屋、ドーナツ屋、高級チョコレート屋、和菓子屋など、惣菜が無い代わりにお菓子屋さんがたくさんあった。
ただパンに挟むとなるとこの3つくらいだ。商店街の中央にちょっとしたスペースがあったのでそこでサンドを作る。
やっぱり色があるのはいいね
できた!麻布十番スイーツ豆サンド(通りがかった男性が命名)
サンドを作っていると、通りがかりの男性が「それなあに?豆サンド?」と声をかけてきた。なあにと言われても困るのでそうです豆サンドですと答えた。
ああたまらない
豆がホクホクでちょうどいいヌッチョリ感のあずきに、黒ゴマがふんだんにかかりポリポリと軽めの食感が面白い芋けんぴ、そして塩気が甘味を引き出してくれるチョコあられ。
薄めに切られたサンドイッチ用のパンがそれらを邪魔せずいい感じにまとめてあげている。これ、ほんとに美味しい。さっきから美味しいしかコメントしてない気がするのだが他に形容詞が見つからなくて困る。「好き」という言葉もいいかも。
<麻布十番商店街サンドの内訳>
・サンドイッチ用のパン10枚…283円
・ゆであずき…300円
・チョコあられ…160円
・芋かりんと…400円
合計1,143円
次はラスト、巣鴨へ向かった。
夜の巣鴨サンド
周る順番を間違えてしまったか。18時を過ぎた巣鴨のお店は既にしまっている店が多く、開いていたとしても閉めの作業中だ。
巣鴨についたらすっかり暗くなってしまった
何はなくともまずパン屋
地元らしき方にパン屋さんの所在を聞いて急いで向かった。
開いてた!クリームパンとあんぱんが人気のパン屋さん
こちらのパン屋さんは巣鴨では珍しく20時まで開いているそうだ。ここも、もうすぐ創業100年近い老舗。
急ぐように店に駆け込むと「クリームパンとあんぱんはもう終わっちゃったの」と申し訳なさそうに言いながらおしるこをくれた。
買う前におしるこを振舞ってくれた。これが巣鴨
バターロールを1つ購入(30円引きしてくれた)
おしるこいただいた上に1個だけ買うのも気が引けたが、もちろん良いわよとさらに30円引きして、しかも具を挟めるように真ん中に切れ目を入れていただいた。優しい。
しかしパン屋さんを出ると、他の店はあまり開いていない。一応ざっと見ようと1往復しちゃったらその間にほぼ閉まってしまった。
1品目はニンニク味噌
用事がありたまたま閉店が遅くなったニンニク専門店。閉店作業中だったが「いいよいいよ、味見てって」と試食させていただいた。これが巣鴨
ニンニク専門店にパンに挟めるものなんて見つかるか?と思ったが試食した中に美味しい味噌があった。
これだ!
もちろんコレだけでは具材とはならず、サンドイッチができない。しかし味見したところ美味しかった。悩んでる時間はないのでひとまず購入。
巣鴨は「4」がつく日は4万人のおばあちゃんで溢れかえると教えてもらった。「埼玉スタジアムが埋まる人数」との表現。想像したら凄い迫力だ
ちなみにこのニンニクたっぷりの味噌はご飯と一緒にそのまま食べてもいいし、ナスや豚肉なんかと一緒に炒めても美味しいそうだ。
ああ・・・ほとんど開いていない
19時。店はほぼ閉まっている。開いているのはたまにある飲み屋くらいだ。
商店街の真ん中と端にある「ときわ食堂」。両方大盛況。気になったので覗いてみる
あ!持ち帰りができるぞ
もうニンニク味噌だけサンドを覚悟していたが、にぎわっている食堂で「お持ち帰り」の文字を発見。
この時期はカキが人気のようだが、カキだけは持ち帰りNGとのことでエビフライを頼んだ。
2品目は大きなエビフライ
エビフライ、デカい!!
手のひらよりずっと大きいエビフライが出てきた!もちろん揚げたてだ。
小さいパンに、キャベツを敷き詰めてエビフライを挟む
ニンニク味噌を乗せてできあがり
当然美味しい!長生きできそうです
仲人になった気分だ
プリプリで食べ応えのあるエビフライに、ニンニク味噌がすごく合う。エビフライにはソースもついてきたが、それは使わず味噌をさらに塗りたくっていただいた。エビフライにはニンニク味噌がお似合いなのだ。
こんな素敵な二人の出会い、誰が気づくだろうか。ふかふかのロールパンと新鮮なキャベツが二人の出会いを祝って拍手しているようであった。
<夜の巣鴨サンドの内訳>
・バターロール(30円引き)…68円
・にんにく味噌…630円
・えびフライ2本(キャベツつき)…730円
合計1,428円
ラップとお箸とお手ふき持って
全て甲乙つけがたいオリジナルサンドイッチができた。もう本当に、どれも美味しくできたので満足だ。売り出したいくらいだ。
商店街をよく知ることができるし、新しい食べ方が発見でき、美味しくて幸せ。これはまたどこかの商店街でやるに決定だ。
余ったものは家でまた楽しめる。ニンニク味噌おすすめ